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アーノルド&サンの真価とその歴史(1/3)

三田村優:写真
Photographs by Yu Mitamura
細田雄人(クロノス日本版):取材・文
Text by Yuto Hosoda(Chronos-Japan)

緻密な時計づくりを実現する
アーノルド&サンの真髄

ユニークなデザインと仕上げの緻密さに定評があるアーノルド&サン。同社が製造する腕時計の魅力について『クロノス日本版』編集長の広田雅将が語ったイベント「ARNOLD&SON×Chronos Japan スペシャルトークショー」が2017年10月28日に東京・銀座のシチズン フラッグシップストア 東京にて開催されたことは、本誌2018年1月号で報告した通り。ここでは大いに盛り上がりを見せたイベントをより詳細に振り返っていく。

トークショーの会場は東京・銀座のシチズン フラッグシップストア 東京。『クロノス日本版』編集長の広田雅将のほか、アーノルド&サンでプロダクトマネージャーを務めるデービッド・セラ氏もブランドについて語った。

ゲストには軽食、デザートを中心としたケータリングが振る舞われた。特に華やかなデザートは見るだけでも楽しく、会場に彩りを与えていた。

 シチズン フラッグシップストア 東京は2017年4月に誕生した商業施設、GINZA SIXの1階にオープンしたシチズンウオッチグループ世界初の旗艦店だ。同店ではシチズンとその関連主要ブランドを取り扱っており、コレクションの充実ぶりにおいては特に目を見張るものがある。もちろんそれは、シチズンウオッチグループで高価格帯時計の販売を担うアーノルド&サンも例外ではない。少量生産のため、限られた場所でしか手に取ることのできない同社の製品だが、ここでは世界初のアーノルド&サン ブティックが設けられており、常時その姿を拝むことができるのだ。

 そんなアーノルド&サンにとっても重要な販売拠点で行われた同イベントは、同社のプロダクトマネージャーを務めるデービッド・セラ氏によるブランドの歴史解説によってスタートした。

「1736年にジョン・アーノルドは英国のコーンウォールで生まれました。1764年にはハーフクォーターリピーターという音で時間を知らせる時計を当時の英国国王、キング・ジョージ3世のために開発しています。その後、彼はマリンクロノメーターの製作に力を入れるようになります。そして1770年にジョン・アーノルドにとって最初のマリンクロノメーターが完成しました。彼の時計は王立海軍に採用されるようになり、キャプテンクックなどの航海に使われています。またその当時、ジョン・アーノルドは時計産業の発展に貢献する発明をいくつかしているのです」

 ヘリカルスプリングを開発し、デテント脱進機を改良するなど、その後の時計史にも影響を与える数々の技術を開発したジョン・アーノルド。1778年には彼にとって36番目のポケットウォッチが開発される。この時計を宣伝する際、高精度であることを強調するために使用した“クロノメーター”という言葉は、現在でも精巧な時計を指す名称として用いられている。

「1792年に息子のジョン・ロジャー・アーノルドがパリに渡り、ブレゲの下で修行するようになります。1799年にジョン・アーノルドが亡くなった後は息子のジョン・ロジャー・アーノルドが後を継ぎますが、1843年にそのロジャーが死去してからは、時計師のチャールズ・フローシャムがブランドを受け継ぎました」



やがてブランドは長い休眠期間へと突入するが、1995年にアーノルド&サンの名はスイスのラ・ショー・ド・フォンで復活する。2010年にはマニュファクチュール化を果たし、今や時計愛好家からも支持を得ている同社。その魅力はどこにあるのか、第2部のトークショーで広田が迫る。

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