シチズン プロマスターに加わった新作ダイバーズウォッチから光発電エコ・ドライブの進化を知る

2026.10.15

時計ライターの佐藤しんいちが、注目の2026年新作としてシチズン プロマスター「マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」を深掘りする。従来の光発電エコ・ドライブモデルでは、十分な発電量を得るために光を透過させる必要があるため、くっきりと色の濃い文字盤を採用することが難しかった。それに対して本作は、発色が良く、視認性の高い文字盤を実現している点が特徴だ。その秘密は、消費電力を抑えた新開発ムーブメントのCal.E118の採用である。

シチズン「プロマスター マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」

佐藤しんいち:文・写真
Text & Photographs by Shin-ichi Sato
[2026年10月15日公開記事]


文字盤に注目したいシチズン プロマスターの新作

 2026年新作時計のうち、ライターの佐藤しんいちが注目するシチズン プロマスター「マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」を深掘りする。本作は、直径40.6mm、厚さ11.7mmというダイバーズウォッチとして標準的なサイズ感に、新開発の光発電エコ・ドライブムーブメントCal.E118を搭載するモデルである。最大の特徴は、くっきりとした発色を持つ文字盤だ。光を透過させる必要のあるソーラーウォッチでありながら、なぜ発色の良い文字盤を実現できたのか? 実現の理由に加え、着用感をはじめとした本作のディテールについても深掘りしてゆく。

シチズン プロマスターにおける本作の位置付け

 1989年に誕生したシチズン プロマスターは、陸・海・空のフィールドに対応する「ランド」「マリン」「スカイ」の3シリーズを展開するプロフェッショナルの使用を想定したウォッチブランドだ。ダイバーズウォッチを担うマリンには、飽和潜水に対応する本格的なモデルから、日常にも取り入れやすいモデルまでがそろい、駆動方式も光発電エコ・ドライブを備えたクォーツ式と機械式を用意する。今回紹介する4モデルは、この幅広いラインナップの中で200m潜水用防水と直径40.6mmのケースを組み合わせ、日常からアウトドアまでの、幅広いシーンでの使いやすさを訴求するモデルである。

省エネルギー駆動を実現した新ムーブメントCal.E118がもたらす文字盤のコントラスト

 本作を手に取った際の最初の感想は、文字盤の発色が非常に良く、異なる色使い、あるいは表示同士におけるコントラストが高いことへの驚きだ。発色の良さから筆者はメカニカルモデルと予想したほどである。なぜならソーラーウォッチである本作は、文字盤下に配されたソーラーセルに光を当てて充電するために文字盤に透過性を持たせなくてはならず、真鍮等を使えるメカニカルウォッチと比べて、くっきりとした発色を与えることが容易ではないためだ。この制約を超えられた理由は、新開発の光発電エコ・ドライブムーブメントのCal.E118の搭載である。時・分・秒と日付表示を持つCal.E118は、従来のムーブメントに比べて省エネルギー駆動が実現されている。そのため、文字盤の発色を良くしたことで光の透過量が減り、発電量が減ってしまっても、十分な稼働期間を確保できているのだ。

シチズン「プロマスター マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」

Ref.BN0268-01Eのブラック文字盤は黒々としていて、光発電エコ・ドライブを採用しているとは思えないほどだ。このことは見栄えが良くなるだけでなく、各針、インデックス、スケールとのコトントラストが高まり、視認性の向上に寄与している。

 発色の良い本作の文字盤は、各針、インデックス、スケールとのコトントラストが高く、くっきりと視認性が高い。筆者は、近年の光発電エコ・ドライブモデルに対して視認性が低いと思ったことがなかったが、本作を目にして「これほど違うのか」と驚いてしまった。また、このくっきりとした外観は見栄えの良さにもつながっている。

 Cal.E118はフル充電時に約1年間駆動する性能を有しており、シチズンは「夏に屋外で使用すれば、来シーズンまで駆動する」と控えめに説明している。本作の完成度は高いため、筆者なら通年連れ出したくなりそうだが、さまざまな使い方に対して止まってしまう心配の少ない、優れた実用性を持つと言えるだろう。さらにCal.E118は、充電警告機能や過充電防止機能、衝撃検知機能も備えている。

収まりの良いサイズ感と優れた着用感

 ステンレススティール製ケースは、直径40.6mm、厚さが11.7mmと、ダイバーズウォッチとしては標準的な直径と、やや薄めという仕立てである。ストラップには、耐久性に優れた植物由来素材「ベネビオール™」を用いたバイオマスウレタンを採用する。

 従来のストラップは、本格的なダイビングに適した“ひだ”を持つ形状であったが、デイリーユースにはひだ部分で浮きを生じやすかった。これに対して本作では、起伏を抑えた新形状を採用。スポーツシーンだけでなくデイリーユースに取り入れやすいデザインとしている。

シチズン「プロマスター マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」

2026年発表の「エコ・ドライブ ダイバー200m」のストラップ。

 実際に着用してみると、筆者の周長約18cmの手首への収まりが良く、フィット感に優れる。特に起伏を抑えた新形状のストラップが効いているようで、ジャケットとの組み合わせにもマッチしそうなシルエットだ。また、筆者より手首の細いユーザーにもフィットする余地がありそうだ。

シチズン「プロマスター マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」

Ref.BN0265-00Aを周長約18cmの手首を持つ筆者が着用した例。ダイバーズウォッチとしては標準的なサイズ感で収まりが良い。また、起伏を抑えた新形状のストラップによってラグ付近の浮きが抑制されている。

 ベネビオール™は、再生素材でありながら加水分解しにくいなど耐久性が高く、ストラップに用いるメリットがある素材だ。また、サラッとした触り心地で肌触りも良い。本作では薄い仕立てとなっており、これも着用感の向上に寄与していそうだ。

 そのほか、逆回転防止ベゼルを備え、3時位置にはねじ込み式リュウズを採用する。風防には無反射コーティングを施したサファイアクリスタルを用い、200m潜水用防水に加えて1種耐磁の性能も有している。

デビューに際して4つのバリエーションが登場

 デビューに際して4つのバリエーションが登場する。Ref.BN0266-07Eは、ダイバーズウォッチとして最もトラディショナルなブラック文字盤にブラックのベゼルとストラップの組み合わせとなる。また、ブラック文字盤にレッドのベゼルとビビッドなオレンジのストラップを組み合わせたRef.BN0268-01E、ホワイト文字盤にオレンジの秒針を添え、ブラックのベゼル、シックなグリーンストラップを組み合わせたRef.BN0265-00Aは、カラーのコントラストがはっきりとしたコーディネートだ。Ref.BN0267-04Lでは、中央から外周へ向かって濃い色調へと変化するブルーのグラデーション文字盤を採用し、ブルーのベゼルとストラップを組み合わせ、モダンなスタイリングとなっている。

シチズン プロマスター

シチズン「プロマスター マリンシリーズ 光発電エコ・ドライブ ダイバー200m」(左上から時計回りに)Ref.BN0267-04L、Ref.BN0265-00A、Ref.BN0268-01E、Ref.BN0266-07E
光発電エコ・ドライブ(Cal.E118)。フル充電時約1年駆動。SSケース(直径40.6mm、厚さ11.7mm)。200m防水。各6万9300円(税込み)。

 文字盤は、大型のドットインデックスを主体としながら、12時位置や6時位置、9時位置でインデックスの形状を変えたデザインとなる。太い時針、矢印型の分針と形状を変えており、文字盤デザインと相まって視認性が高い。

省エネルギー駆動への期待感が高まる1本

 本作は、省エネルギー駆動を実現したことにより、発色の良い文字盤を実現したことがトピックスである。文字盤のコントラストが高く、視認性に優れ、見栄えも良い。ムーブメントの性能向上によって、文字盤表現の自由度を高め、腕時計全体の品質向上につなげるアプローチからは、シチズンの技術力や企画力の高さが感じられた。

 このような省エネルギー駆動は本作に留まらないだろう。今までは見られなかったようなデザインのモデルや、短時間の充電で長期間の稼働を実現するモデルなど、今後の展開が期待される。

 最後に本作に話題を戻すと、本作は収まりの良いシルエットと、着用感に優れるストラップ、十分な防水性能、発色が良くて視認性に優れる文字盤によって、デイリーユースの相棒として心強い1本だ。店頭で見つけたら、ぜひ手に取ってじっくりと見てほしい。



Contact info:シチズンお客様時計相談室 フリーダイヤル 0120-78-4807


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