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コニサーズ・チョイス / 男を彩るハットの王(1/1)

男を彩るハットの王

昔から伊達男たちのアイコンとして知られるクラシックなハットが今、ファッションシーンで注目を集めている。そのきっかけとなったのが、アメリカのステットソンだ。

押条良太(押条事務所):取材・文 Text by Ryota Osujo
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
ステットソン ウィペット エクセレント
ステットソンの代名詞と言うべき定番モデル。「ウィペット」の由来はドッグレースに使われる競走用の犬種から。ワイド幅のパイピングが施されたツバと男性的なダイヤモンド型のクラウンがデザインの特徴。こちらはビーバーフェルトとシルクのリボンが使用された高級ライン「エクセレント」のモデル。アメリカ製。8万円。

 「帽子をかぶっていると、どんなトクがあるか―。オジギをするときに、アクセントがつく、と答える人がいるかもしれない。なるほど、オジギをするにはまずかぶっている帽子をとらなければならないが、この動作でその男のオジギが、ひとまわり大きく見えるのはたしかだ」

 稀代の洒落者として知られた評論家、古波蔵保好氏は、自身の服飾哲学をテーマにした著書『男の衣装箪笥』(新潮文庫)にこう書いている。

 中折れ帽をはじめとするクラシックなハットには、男に威厳を与える効果があるといわれている。そして古波蔵氏が指摘するように、ハットを取ってお辞儀をしたり、深くかぶり直したり、さりげない所作をも味わい深く演出してくれるのだ。

 どうせかぶるなら、当然、上等なものがいい。たとえば、アメリカのステットソン。1865年に設立された帽子ブランドは均整のとれたフォルムや丈夫で長持ちする高品質が持ち味。アメリカではカウボーイハットそのものをステットソンと呼ぶことも。

 これまでに昭和天皇や吉田茂元首相、ジョージ・ブッシュ元大統領といった歴史的な人物に愛され、近年ではハリウッド俳優のジョニー・デップのスタイルアイコンとして広く認知されている。

 さまざまなモデルがラインナップされているが、ブランドの神髄をとくと味わいたいなら、「ウィペット」が最良の選択だ。クラウンやブリム(ツバ)、リボンが織りなすバランスはまさに黄金比率。クラシックなデザインと相まって、どんな人がかぶっても不思議と似合うのである。本体の素材はなめらかな毛並みと撥水性を兼ね備えたビーバーフェルトで、リボンは上質シルク。汎用性も高く、スーツやジャケットはもちろん、ジョニー・デップのようにジーンズとスタイリングしても格好いい。

 かぶるだけで出で立ちの印象が見違える名作ハット。こんな帽子なら、お辞儀をしたり、デスクに置いたり、ひとつひとつの所作が、貴兄の男ぶりを断然大きく見せてくれるはずだ。

Contact info ステットソン ジャパン ☎03-5652-5890

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