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Apple Watch Series 4 最速インプレッション/本田雅一、ウェアラブルデバイスを語る番外編(1/2)

本田雅一:文・写真
Text and Photographs by Masakazu Honda

テクノロジーの分野で、知らぬ人はいないほどのジャーナリストが、本田雅一氏だ。その本田氏が、2018年9月12日発表、同21日発売のApple Watch Series 4について語る。

 今回は別のテーマを考えていたのだが、米アップルが2018年9月12日に開催したApple Special Eventにて発表されたApple Watch Series 4について取材し、また数日間ではあるが試用して気が変わった。これは率直な感想を述べねばなるまい。

 これまでさまざまなかたちで、Apple Watchは現在、最も進んだスマートウォッチだと伝えてきたが、それらがかすんでしまうほど長足の進歩を最新のSeries 4で遂げた。イベント最大の話題が新型iPhoneだったことは間違いないが、一番大きく変貌したのはApple Watchである。

 第4世代となったApple Watchは、腕に装着するコンピューターとしての性能が2倍に進化し、操作感がバツグンに向上したといった“デジタル機器ならでは”の進化部分もあるが、むしろ装着感などウェアラブル製品としての完成度の高さと、見やすさ、分かりやすさを兼ね備えつつ、今回はディスプレイウォッチなりの美しさも兼ね備えている。

 しかし、最も大きく変化したのは“役割”だ。

 これまでのApple Watchは腕時計として時を知る機能はもちろん、それ以外にスマートフォンに集まる情報を利用者に知らせる「通知」機能と、日常生活における活動状況やスポーツ/フィットネス時の動きを記録する「アクティビティトラッカー」機能、それと盤面へ自在に情報を描ける「情報表示」も主要機能としてカウントしていいだろう。

 実際にはそれ以外にも、スマートフォンの機能をリモートで操ったり、SuicaなどApple Pay対応の決済手段を用いた支払いも、iPhoneと連動するかたちで実現していたりする。

 しかし、第4世代のSeries 4では各機能を磨き込むと同時に、“Apple Watchを身に着ける理由”を増やした。彼らはウェルネス、ヘルスケアといったアクティビティトラッカーとしての機能をさらに発展させ、メディカル……すなわち医療の領域とヘルスケアの間を橋渡しする役割を、Apple Watchに与えようとしている。

 もちろん、Apple Watchが何らかの医療機器になるわけではない。

 しかし異常を自分自身が感じる、あるいは異常ではないか? と思われる状況をApple Watchが検出した際、収集し得る情報をまとめ、専門家や家族に通知したり、あるいは本人に警告を発することができるようになっている。

最大32Gまでを計測する加速度計とジャイロスコープによって、ユーザーの転倒を検出。アラートの通知と、救急車を呼ぶかどうかの選択を提示してくれる。また、転倒によって意識を失った時のために、通知後60秒間ユーザーが動かなかった場合は自動で救急車の呼び出しと、あらかじめ登録しておいた緊急連絡先へ位置情報付きのメッセージを送ってくれる。

 こうした部分は、極めて複雑な側面もあるため、次回以降に詳細を伝えたいと思うが、こうした“電子機器としての機能面”だけではなく、身に着ける道具としての機能性とデザインも大幅に向上した。まさにフルモデルチェンジだ。

装着感を向上させたわずかなフォルムの違い

 Series 4となったApple Watchには、これまで用意されてきた「Edition」というモデルが存在しない。Editionは初代Apple Watchでは18Kゴールドのケース、それ以降はセラミックケースを採用する特別なバージョンだったが、アップルによるとこれらは「期間限定」、すなわちApple Watchをローンチする際の特別バージョンとして用意されてきたものだったという。

 言い換えれば、“初めてのフルモデルチェンジ”となったSeries 4では、腕時計業界への“参入の挨拶”を終え、自由に本来のコンセプトに沿った製品ラインナップをそろえていこう。そんな意図が見えてくる。

左がSeries3、右がSeries4。Series4の方が0.7mmという数字以上に、薄い印象だ。

 写真ではうまく見えないかもしれないが、これまであらゆる側面を“対称”に作っていたケースデザインが、今作では裏側に比べ、表側のガラス面のアールがやや強めになった。これによってケース厚は0.7mm薄くなり、盤面を見た際の印象は四隅のラウンドカーブが大きくなっているにもかかわらずシャープな印象を与えるようになった。

 おそらく裏側のアールは従来機種を踏襲しており、これまでのApple Watch用インターチェンジャブルストラップはそのまま利用できる。また、その一方でケースサイズは38mmと42mmモデルの2展開だったのが、それぞれ2mm大きくなり、40mmと44mmの2モデルとなった(いずれも縦の長さ)。

 ところが、このサイズ拡大にもかかわらず、ケースのボリューム感は全くと言っていいほど変わっていない。実際に手首に装着すると、むしろSeries 4の方が快適なのだ。

 四隅も単一のアールで丸められてはおらず、複合的なアールを組み合わせた曲線となっており、これまで通りの“四角い”イメージそのままに、しかし洗練された印象を与えるようになったと言うと言い過ぎだろうか。

 これまでの電子機器然とした風貌がやや薄れたことは間違いない。

 そして、こうした巧妙なケースデザインの仕上がりに加え、デジタルクラウンが薄く仕上げられ、これによって手首を大きく曲げた際にデジタルクラウンへ当たる感触が皆無になったことも、日常的なシーンにおいて感じられた。

 さらにはこれまで一部のみがセラミックスとなっていた本体裏面の全体を、電波透過改善のため、黒いセラミックス素材としている。こうした部分も、肌への当たりに少なからず影響を与えているかもしれない。

 もっとも、“腕時計として見たとき”のApple Watch Series 4で最も感心したのは、これまで少なからず抵抗感を持つ声のあった“四角いディスプレイ”に対し、美しさと機能性を兼ね備えた答えを用意した点にある。

電波透過を改善させるため裏面に使用されるセラミックス。Series3(左)では一部のみだったが、Series 4では全面に使用される。
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