時計の秒針にも種類がある?正常に動かない場合に考えられる原因

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2021.07.14

腕時計の秒針には種類があるのをご存じだろうか?腕時計にこだわりをもって選ぶのであれば、秒針の種類についても把握しておくべきだ。秒針の具体的な種類の紹介や、秒針が正常に動かない場合にどんな原因が考えられるかを解説していく。

セネタ・エクセレンス・パノラマデイト・ムーンフェイズ


秒針の種類

ビッグ・パイロット・ウォッチ・ヘリテージ

高級腕時計ブランドは、時計の針についてもこだわりを持って時計を製作している。その中でも、秒針について詳しく見ていこう。

秒針は時計の見た目と使い心地に関係の深い重要なパーツだ。好みの時計を見つけるためにも、まずは秒針の種類を把握しておくとよいだろう。その秒針は動き方によって2種類に分けられる。

ステップ秒針

最初に紹介するのは『ステップ秒針』(別名:ステップセコンド)だ。1秒ごとに秒針が時間を刻んでいき、「チクタク」と音を立てる。

ステップ秒針は省エネであり、秒針が止まってしまった場合にも気づきやすいというメリットもある。

一方、静かな場所では音が気になってしまう人もいるだろう。寝室やワークスペースでは用いない人も少なくない。

スイープ秒針

スプリングドライブ20周年記念限定モデル SBGY003

動きの滑らかさで、時計好事家に高い評価を受けるセイコーの「スプリングドライブ」。スプリングドライブ20周年記念限定モデル「SBGY003」72時間パワーリザーブ機構を備えた新開発のスプリングドライブキャリバー「9R31」を搭載。ステンレススチールケース、ケース径38.5mm。700本限定。価格85万円。

もうひとつの種類は『スイープ秒針』(別名:連続秒針)である。秒針はリズムを刻むことなく、一定の速さで文字盤の上を流れるように移動する。

スイープ時計はなめらかに文字盤の上を移動するが、ロレックスのサブマリーナのように、細かく刻むような動きをするものもある。どの程度のなめらかさなのかは、時計の種類にもよるところが大きい。

グランドセイコーのスプリングドライブは圧倒的な秒針のなめらかさを誇り、世界中の時計愛好家から愛されている。


時計が正常に動かない原因とは

秒針は、正確な時刻を刻む役割を求められている。しかし、長年の使用により、ムーブメント内のパーツの劣化などが原因で正しい運針ができなくなることがある。

時計が正常に動かなくなった場合に的確な対処ができるよう、まずは原因を把握しておくべきだろう。

秒針が動かない主な原因

クォーツ式時計の秒針が止まってしまう原因として、まず疑うべきは電池切れだ。電池残量が少なくなると運針を2秒に1回にしたり、運針方法を変えることで知らせるモデルもある。時計のタイプによっても電池の寿命は異なるが、長い間交換していないようならまず調べてみるべきだろう。

他の原因としては、部品の劣化や、衝撃によって針がずれたり、インデックスなどの他のパーツに引っかかることも考えられる。

特に、内部の機構は動いている様子があるのに針だけ進んでいないような場合、時計を傷めてしまう原因になるため、早急に対処した方がよいだろう。

秒針が遅れる場合

高さ1~2mmほどの空間にセットされる針。精緻な構造ゆえに衝撃により少しでも位置がズレれば、長針や短針、またインデックス等に干渉してしまうことはあり得る。

秒針が遅れる原因として考えられるのは、まずは油切れである。数年間オーバーホールをしていないと、ムーブメント内部の油切れが起きていても不思議ではない。

油に関しては、湿気によって変質していることも考えられる。同時に、湿気や水滴により歯車が錆びてしまっている場合も、機構内の運動が妨げられて秒針が遅れる原因になる。

機械式時計の場合、ヒゲゼンマイの中心にある天真というパーツが歪んでいる可能性もある。秒針が遅れている場合は、これらの原因についてプロの確認が必要だ。

秒針が進む場合

一方で、秒針が進みすぎてしまうトラブルもある。このような場合、クォーツ式時計なら、電子回路や電子部品が故障しているケースもあるだろう。電子回路は壊れてしまうと修理ができず、交換するしかない。

機械式時計の場合は、ヒゲゼンマイの絡みや緩急針のズレによって、秒針が早く進んでしまうことがある。あるいは周囲の磁気の影響を受けて、精度を欠いているという可能性も考えられる。