男のシャネル。ビジネスでもカジュアルでも手首に装いたいメンズ腕時計とは?

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2024.04.01

シャネルはフランスのパリに本拠を置く、世界で最も有名な高級ファッションブランドのひとつだ。アパレルやフレグランス、アイウェアなど、アイコニックなプロダクトの数々を有する中で、高級時計の製造でも、確固たる地位を築いている。洗練されたデザインの高級腕時計を探している男性に、そんなシャネルを勧めたい。本記事では、シャネルウォッチの魅力とともに、男性におすすめしたいモデルを紹介する。

シャネル J12 パラドックス


シャネルってどんなブランド?

ガブリエル・シャネル(通称ココ・シャネル)が創業したシャネルは、20世紀のファッション業界に大きなインパクトをもたらした。

時計の紹介に入る前に、まずはシャネルというブランドについて、そしてブランドが受け継いできたデザイン哲学の基盤について、見ていこう。


シャネルの概要

1910年に創業されたシャネル。孤児として育ったココ・シャネルが、一代で築き上げたブランドである。

帽子店から始まったシャネルは、ジャージー素材を使用したドレスや、喪服の色として忌避されていた黒を使った「リトル・ブラック・ドレス」などを発表し、ファッション業界で頭角を現していく。窮屈だった女性の衣装をシンプルなパンツルックに変え、女性の社会進出を後押しした功績も大きい。

女性のための服や香水などを制作してきた同ブランド。しかし、1980年代にシャネルのデザイナーに就任したカール・ラガーフェルドが、当時低迷していた同ブランドを立て直す中で、男性向けやユニセックスの商品を拡充させていった。なお、シャネル発の腕時計「プルミエール」がリリースされたのは1987年のことである。そして2000年、シャネル初のスポーツウォッチであり、現在に至るまでシャネルの代表的なコレクションとして知られる「J12」が誕生した。

シンプルで洗練されたデザインと、ファッションアイテムとしてトータルコーディネートにフィットしやすい腕時計は、現在では女性のみならず男性からも人気が高い。


男性に知ってほしい。シャネル時計の魅力

2016年にコレクションに加わった「ムッシュー ドゥ シャネル」。ジャンピングアワーとレトログラード分表示の、ふたつの複雑機構を備えており、シャネルのウォッチメイキングを象徴するタイムピースのひとつとなっている。

前述の通り、シャネルは高級時計のマニュファクチュールとしても揺るぎない地位を築いている。

ココ・シャネルからカール・ラガーフェルドへと引き継がれていったデザイン思想は、とりわけフラッグシップコレクションの「J12」に色濃く表現されている。

ここでは、シャネルのデザイン哲学やマニュファクチュールとしての側面を知り、シャネルの時計を身に着けることの意味を考えてみよう。


確固たるデザイン哲学

2023年新作「「ムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライト」。レギュラーモデルのみならず、稀少なコンプリケーションでも、シャネルのデザイン哲学が感じられる。手巻き(Cal. 5.1)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。高耐性マットブラックセラミック×SSケース(直径42mm)。30m防水。

シャネルの時計は、完成されたシンプルなデザインと機能美をもつ。1987年に登場した女性向けの「プルミエール」にせよ、2000年に登場したユニセックスな「J12」にせよ、初代から完成されているため、時を経てもスタイルを大きく変えていない。

カラーリングは黒と白、あるいはグレーの3色が基本である。オールホワイトやオールブラックのモデルも多い。不要な装飾を削ぎ落とし、実用的かつファッショナブルである点が魅力のひとつと言えるだろう。

こういった特徴により、着用シーンを選ばないというよりは、着用者を選ばない時計が生み出されている。

着用すればひと目でシャネルとわかるアイコニックなフェイスが、シャネルのデザイン哲学をよく表現している。


時計愛好家も納得の本格技術

シャネルの自社工場はスイスのラ・ショー・ド・フォンに位置しており、ムーブメントの開発や組み立てに加えて、セラミックスのケース、ブレスレットの生産拠点にもなっている。

前述の通り、シャネルの時計はモデルチェンジを行ったとしても、スタイルを大きく崩さない。しかし、細部の作り込みは、年々いっそう洗練されていく。

2000年に登場したJ12は、ハイテクセラミックス製のケースを採用した革新的な時計であった。2004年までは切削で作られていたが、現在はインジェクション成型を行っている。この製法の変化によって、ケースやブレスレットの複雑かつ繊細なフォルム成型が可能になったばかりか、インデックスにまでセラミックスを採用するに至った。

また、新進気鋭のムーブメントメーカー、ケニッシに資本参加したことも特筆すべき点だ。凝った意匠のみならず、信頼性高いムーブメントに代表されるプロダクトの実用性によって、シャネルは時計メーカーとしても確固たるポジションを築いているのだ。


コーディネートを格上げする

ビジネスシーンでのファッションコードが変わりつつあるとはいえ、平日はスーツスタイルという男性は多いだろう。そのスーツスタイルに加えられるほぼ唯一のアクセサリーとして、時計の価値が見直されている。

シャネルの時計は、女性の解放や社会進出を企図して登場したものだ。ユニセックスなJ12にもこの精神は受け継がれ、ビジネスシーンでの着用によくフィットする。

一方でセラミックスやオールホワイト、あるいはオールホワイトが演出する洒脱な印象は、他社製品にはないアクセントを手元に加えられる。ビジネスシーンで、さりげなく人と差をつける装いとして、シャネルは良い選択肢となる。