Apple Watch 6とSE、何が大きく変わったのかを試着レポート!

FEATUREその他
2020.09.18

Apple Watch 6の密かな美点、充電時間の短縮

 控えめに言っても、高照度のディスプレイと高性能のチップを搭載するApple Watchの“電費”はよろしくない。初期型に比べると使える時間は延びたが、バッテリーの駆動時間は、公式値でたった18時間しかない。睡眠中にも時計を着けるようになると、バッテリーはたちまち消費されるに違いない。筆者の疑問はそこにあった。電費の良い他社のスマートウォッチが、睡眠の質を計測できるアプリを搭載するのは分かる。しかし、Apple Watchでは無理ではないか。

 ただし、Appleは低い電費に対処療法を用意していた。Apple Watch 6は、ゼロから100%まで、1時間半で完全に充電できる。ゼロから80%までは1時間。Apple Watch 5がそれぞれ2時間半、1時間半を要したことを思えば、大幅な改善だ。薄いケースと、ソロループ、そして短い充電時間が示すものは明らかである。できるだけ長い時間、Apple Watchを着けてください、ということだろう。電費の悪さに対して、最新のスマートフォンは、急速充電が可能なPDで対応するようになった。Apple Watchが目指す方向性も同じである。電池の容量を劇的に増やすことができないことを考えれば、充電時間の短縮は、あくまで対処療法でしかないが、賢明な解決策と言えるだろう。


watchOS 7のナイス機能、腕を上げるだけでSiriが使える

 watchOS 7は既存のApple Watchユーザーにもメリットがある。睡眠機能は使ったわけでないので書けないが、新しいwatchOS 7は、腕を上げただけでSiriが使えるようになったのである。道ばたでHey Siriと叫ばなくても、ちゃんと機能するのはありがたい。

アップルウォッチ6

腕を上げるだけでSiriと握手。挨拶をしあいました。「こんにちは」「こんにちは」。Siriは年々賢くなっており、筆者みたいな機械音痴でも案外使えるものになった。

 他にもワークアウトが充実したそうだが、筆者は運動とは無縁のため、メリットはまだ分からない。それと手洗いの頻度と時間を記録する機能は、接客業の人には有用に違いない。


Apple Watch 6かSEか?

 事実上、Apple Watch 5の中身を持つにもかかわらず価格を下げたApple Watch SEと、血中酸素濃度が測れるApple Watch 6。どちらを選ぶにせよ、筆者はセルラー対応のモデルを強くお勧めしたい。理由は簡単で、iPhoneのない場所で、例えば風呂に入りながらメールやメッセージを返せるからである。このメリットのためだけでも、セルラーにする意味はある、と勝手に思っている。

 ではSEとApple Watch 6はどちらが良いのか。睡眠の質を測る必要がない人、セルラーモデルの利便性を実感したい人は、SEになるだろう。先述したとおり、アルミニウムの耐食性は心配しなくとも良いし、何より価格はかなり魅力的だ。一方、Apple Watchに慣れている人は、充電時間の短いApple Watch 6が良いだろう。血中酸素濃度がどれほど有用なのかは、正直なところ分からない。ただ、充電時間の短さは、思った以上にメリットがある。


アップルのホームページにはサイズガイドなるものがある。これをプリントアウトして、カットして腕に巻くと適切なソロループバンドを選べる。

 なお、ソロループのストラップは大変に実用的だが、厳密にサイズを合わせないと、その良さは味わえないだろう。アップルのサイトから、腕周りのサイズを測れるツール(これは時計マニアにも喜ばれるに違いない)をダウンロードして、適切なサイズを選ぶことをお勧めしたい。時計の世界では、指1本が入るぐらいがブレスレット、あるいはストラップの適切な長さと言われているが、伸縮性のあるソロループなら、ピタピタに着けても良いだろう。もっともこれは好みによって違うはず。自分に合ったサイズを選んで欲しい。webChronosでは、今後もApple Watchの続報を掲載の予定である。



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