見た目も機能もアップデート! カシオ G-SHOCK「GM-B2100」待望のフルメタル化

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2022.08.12
PR:CASIO

2018年、オリジンが持つデザインを継いだ「GMW-B5000」が誕生して以降、ステンレススティールの外装をまとったG-SHOCKのフルメタルシリーズは、カシオが推し進めるCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)デザインを駆使してバリエーションを増やすのみならず、2020年には、1989年に登場した初代アナログ×デジタルモデルをベースとした「AWM-500」を追加してラインナップを拡充している。そんなフルメタルG-SHOCKに新しく加わったのが「GM-B2100」。近年のヒット作である「GA-2100」をフルメタル化しただけでなく、そのディテールからはデザインや性能の進化もしっかりと見て取れる。

2019年に発表され、8角形ベゼルを採用した特徴的なルックスと使い勝手の良さで、世界的なヒット作となった「GA-2100」(右)。それをフルメタル化し、ディティールや性能を進化させたのが、新たに登場した「GM-B2100」(左)だ。
三田村優:写真 Photographs by Yu Mitamura
竹石祐三:取材・文 Edited & Text by Yuzo Takeishi


世界的人気を獲得した「GA-2100」が早くもフルメタル化

 フルメタルG-SHOCKの新作「GM-B2100」のベースとなった「GA-2100」が登場したのは2019年のこと。この頃、カシオでは若い年齢層をターゲットにした時計の開発を進めており、これによって生み出されたのが、八角形のベゼルを特徴とする新シリーズGA-2100だ。

GM-B2100

(左)GM-B2100D-1AJF、(中)GM-B2100BD-1AJF、(右)GM-B2100GD-5AJF
2019年に登場した八角形ベゼルのGA-2100をベースに、外装にステンレススティールを採用した、フルメタルシリーズの第3弾。シルバーとブラックのモデルについては、ダイアルをブラックのワントーンに抑え、2100シリーズが持つクールでスタイリッシュなイメージも継承している。タフソーラー。フル充電時約18カ月(パワーセーブ時)。SSケース(縦49.8×横44.4mm)。(左)7万1500円(税込み)、(中・右)8万300円(税込み)。

 G-SHOCKの初代モデルである「DW-5000C」のDNAを継承しつつ、よりミニマルで現代的なルックスを備えたこのモデルは、同時にケースの小型化・薄型化も実現。もっとも、この当時は“G-SHOCK=ラギッドなデザイン”というイメージが確立しており、GA-2100のデザインについては社内でも賛否両論あったという。しかし、いざ発売されると国内のみならず、グローバルでも人気を獲得。若い世代をターゲットとして製作されたGA-2100は、そのもくろみ通り新規のユーザーを獲得することに成功しつつ、古くからのG-SHOCKフリークにも受け入れられる、一大ヒットモデルとなった。

企画を担当した井ノ本脩氏。「GA-2100が昔からのG-SHOCKファンはもちろん、新しいユーザーも引き込めたモデルになったので、その反響を踏まえて、メタルカバードやフルメタル化に踏み切りました。2100は新しいシリーズですが、次世代のマスターピースにしていこうと考えています」。

 だが、18年に誕生した「GMW-B5000」が初代G-SHOCKを、20年発表の「AWM-500」がG-SHOCK初のアナログ×デジタルモデルをそれぞれベースとしていることからも分かるように、これまでにフルメタル化されてきたのはG-SHOCKのレガシーモデルばかりだ。ニューカマーであるGA-2100がフルメタルシリーズにラインナップされることには違和感があるが、これに対し、企画を担当した井ノ本脩氏は次のように説明する。

デザインを担当した松田孝雄氏。「GM-B2100は、2100シリーズとしては4作目になりますが、毎回新しいデザインに仕上げるつもりで製作しています。このシリーズではそれぞれ異なるデザイナーが関わり、各人のアイデアを投入しているので、同じモチーフでありながらアプローチが少しずつ違っているのです」。

「GA-2100は初代G-SHOCKのフィロソフィーを受け継いだモデルということもありますが、新しいユーザーを獲得しつつ、既存のファンの方にも受け入れられたモデルでもあります。こうした経緯から、早いタイミングでメタルカバードや機能を重視したモデルを展開し、フルメタル化も行ったのですが、それは2100シリーズを次世代のマスターピースに育てていきたいという思いがあるからなのです」


仕上げから伝わる、カシオの本気度

 新たにフルメタルシリーズにラインナップされたGM-B2100だが、外装設計については従来の3モデルと同様だ。G-SHOCKの樹脂モデルでは、金型に樹脂を流し込む射出成形で製造されているが、フルメタルシリーズではステンレススティールの板材をプレスして鍛造成形する方法が用いられている。とはいえ、1回のプレスでG-SHOCKの複雑な形状は出せないため、フルメタルシリーズでは10回以上ものプレスを実施。しかも、1回ごとのプレスの間に焼きなましや研磨などの工程を挟み、それを10回以上繰り返したうえで最終的な研磨を施すなど、外装の製作には相当な時間がかかっているという。

GM-B2100は、これまでのフルメタルシリーズと同様の工程で製造されている。なかでもトップベゼルは、ステンレススティールの板材を10回以上もプレス。その間に焼なましや研磨などの工程を挟み込むことで、複雑な形状ながらも艶やかな表情に仕上げられるという。

 フルメタルG-SHOCKでは、こうしたステンレススティールの外装が着目されがちだが、実のところGM-B2100はダイアルの作り込みにこそ、その真価が見られる。2100シリーズはこれまで、ベーシックな樹脂モデルのGA-2100をはじめ、メタルカバードモデルの「GM-2100」、スマートフォンリンクとタフソーラーを搭載した「GA-B2100」をリリースしており、「GM-B2100」は2100シリーズの第4弾となる。同一シリーズであるため、4モデルともダイアルのデザインには統一感を持たせているが、パーツについてはひとつとして同じものが使われていない。

フルメタルシリーズ最大の特徴が、ヘアラインとポリッシュを組み合わせたつややかな外装。特にケース四隅の凹部やバンドのディンプル模様などの細かいディテールは、最後に一度研磨しただけでは磨き上げられないため、複数回の研磨が必要になるのだという。

 一見して分かりやすいのは、挽き目加工を施した立体的なインデックスだが、それ以外にも9時位置のインダイアルに設けられたC型のリングは別体のパーツを採用。これをレーザー溶着で文字盤にセットすることで、時計に衝撃が加わった際にも脱落することがないという。また、インダイアルの針も従来モデルより厚みのあるものを用いているほか、12時位置のG-SHOCKロゴをメタル調の貼り文字にしていたり、4時位置のディスプレイ付近にも挽き目加工を施したりするなど、ディテールにもアクセントを添えることで、力強い表情に仕上げているのが印象的だ。デザインを担当する松田孝雄氏は、ダイアルの作り込みついて次のように付け加える。

2100シリーズ上位モデルとしての差別化を図るため、インデックスを立体的にするのみならず、天面には挽き目加工が施されている。またG-SHOCKロゴはメタル調の貼り文字を用いてバリューを高めているのも特筆すべき点だ。3つのカラーバリエーションのなかで唯一、ローズゴールドIPを施した「GM-B2100GD-5AJF」のみ、インデックスは挽き目加工を施したのちにゴールドの蒸着メッキがかけられている。

「特にGM-B2100は、2100シリーズのなかでも最上位のモデルになるので、ディテールをじっくりとご覧いただければ、他モデルとのバリューの違いを実感していただけると思います。また、前作のAWM-500は、同じアナログ×デジタルのモデルでありながら、1枚文字盤のソーラーモジュールでしたが、今回は2枚の文字盤を採用して、シンプルなフェイスのなかで立体感を出すことに注力しました。ユーザーの方々にとっては、2100シリーズがフルメタル化したことの印象が強いかと思いますが、実はダイアルの作り込みこそが、GM-B2100の見せ場でもあるのです」

(左)インダイアルの針は従来の樹脂モデルよりも立体的な形状に変更し、天面にはヘアライン加工を施している。また、機能を記したC型のリングは、2100シリーズで初めて別体のパーツを採用。リングはレーザー溶着によって文字盤に固定されているが、これは山形カシオで行われており、MR-Gをはじめとするハイエンドモデルに用いられる技術だという。 
(右)インデックスと同様、4時位置にあるデジタル表示の下部にも挽き目加工を施し、高級感を高めている。この加工には山形カシオの微細加工技術が用いられている。