干場義雅が選ぶ2023年新作時計ベスト5! 時計に似合うコーディネート例も紹介

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2023.04.28

『FORZA STYLE』の編集長にして、日本を代表するファッションディレクターの干場義雅氏。彼の選んだ新作腕時計は、今の時代のスタイルに合う5本だ。ということで、そんな新作の腕時計に似合う服装も挙げてもらった。時計好きの皆さんにとっての参考にもなるかも?

2023年新作時計

広田雅将(クロノス日本版):取材・文
Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)
2023年4月28日掲載記事


カルティエ「タンク ノルマル」

 1910年代のオリジナルを今に復活させたPtケースにPtブレスレット付きのモデル。干場氏が選んだスタイルは、カシミアのグレーのスーツ。

タンク ノルマル

カルティエ「タンク ノルマル」
手巻き(Cal.070)。21石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約38時間。Ptケース(縦32.6mm×横25.7mm)。3気圧防水。世界限定100本。778万8000円(税込み)。

 「仕立てたクラシックなスーツスタイルには、レザーストラップの腕時計が似合い、身に着ける革小物の色を統一するのは基本です。大きな腕時計や派手過ぎる腕時計は、クラシックなスーツには似合いません。カルティエのタンクは、文字盤のインデックスが“ローマ数字”でとてもクラシックなスーツに似合います。また、造形が直線的でサイズが小ぶり。だから、シャツの襟やジャケットの袖口に合うんです。服飾評論家の落合正勝さんも仰っていましたが、スーツの袖口には角形の時計が映えるんです。新しいノルマルは大きさもいいし、バランスも取れている。すごく端正に見えますよね」


フランク ミュラー 「グランド カーベックス ピアノ」

 今までのモデル以上に3Dを強調したグランド カーベックスケース。インデックスを省くことで、あえて端正な造形を強調している。文字盤にはラッカーを20 回塗り重ねている。

フランク ミュラー「グランド カーベックス ピアノ」
自動巻き。18KYGケース(縦48.4mm、横33mm)。日常生活防水。発売時期未定。

「このモデルは、ピアノソナタを題材にしたモデルだそうですね。シンプルイズベスト。削ぎ落として削ぎ落として、これだけ美しいクラシックなものが出来るって、なかなかないなと。これは、写真のようなグレースーツにも似合いますが、ドレスコードがブラックタイというシーンで着るタキシードにも似合いそうです。金が使われているので、カフリンクスや指輪等、スタイルの中で使う金具の色は、金で統一したいですね。幼少期、ピアノでソナタを弾いていたこともあるので、なんだかシンパシーも感じます」


クストス「メトロポリタン P-S スケルトン サファイア」

 3本目に干場氏が選んだのは、クストスの新しいコレクション、メトロポリタン。2023年はなんとケースをサファイアクリスタルに改めた限定モデルを加えた。

メトロポリタン P-S スケルトン サファイア

クストス「メトロポリタン P-S スケルトン サファイア」
自動巻き(Cal.CVS410)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。サファイアクリスタルケース(縦51×横42mm)。50m防水。605万円(税込み)。

「この腕時計は、今人気のラグジュアリースポーツのジャンルの中でも、最先端の印象を受けました。手首にフィットするエルゴノミックデザイン、ラバーストラップ、超強度が高い透明なサファイアクリスタルケースのスーパーモダンな1本ですよね。こんな最先端の腕時計なら、洋服も最先端のウールジャージー素材を使ったセットアップが似合います。見た目は、単なるネイビースーツに見えるんですが、ストレッチが効いて動きやすくて、シワになりにくく、着心地抜群で、スタイルもよく見えるんです」

「クストスのデザイナーのAntonio Terranova(アントニオ・テラノヴァ)さんにインタビューさせて頂きましたが、ご本人もこのセットアップが気に入って、腕時計にピッタリだ!って言ってくれて、めちゃくちゃ嬉しかったです(笑)」。ちなみに干場氏が合わせたセットアップは、彼のプロデュースしたMOEV(MOEV)である。