SEAMASTER 300 [Ref.233.30.41.21.01.001]
超耐磁性を備えた新生シーマスター 300

2014年初出。外観は1950年代のCK2913を思わせるが、ムーブメントには1万5000ガウス以上の耐磁性能を誇るマスター コーアクシャルを搭載。近年のオメガらしく外装の作りは優秀だ。自動巻き(Cal.8400)。38石。2万5200振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径41mm)。300m防水。64万円。
1970年代に、第4世代までの変遷を遂げていたオリジナルシリーズが生産終了となって以降、復活したシーマスター300の名称は飽和潜水に対応する「プロフェッショナル」モデルのみに使われてきた。しかし2014年、そこにCK2913の純粋な復刻版である〝新生シーマスター 300〟が加わった。しかしオメガは、なぜ50年以上も昔の初代シーマスター300をモチーフに選んだのだろうか? 近年のオメガが復刻調のモデルを好むのは分かるが、少し古過ぎないか。この疑問に対してオメガ社長のステファン・ウルクハート氏は、「サロンQP」誌のインタビューで次のように答えている。
「(同じく復刻された)スピードマスター マークⅡは紛れもなく1970年代製であることを主張している。しかしオリジナルを知らない人にとって、シーマスター 300も昔のモデルには見えないだろうね」
レトロフューチャーだが、昔の時計に見えないから選んだ、というわけだ。
確かにケースや文字盤のデザインは、ファーストモデルにほぼ同じ。しかしこれは単なるレトロウォッチではない。ムーブメントには1万5000ガウス以上の耐磁性能を持つマスター コーアクシャルを採用し、ベゼルはリキッドメタルを象眼したセラミックス製となった。またブレスレットも、微調整可能なバックル付きである。つまりこの「レプリカ」は、外観こそアンティーク調だが、その中身は最新鋭なのである。
正直、デイト表示を省いた腕時計が、愛好家以外に受け入れられるかは疑わしい。しかしそのルックスと高性能、そして適切な価格設定を考えれば、このモデルは間違いなく〝ワンダフル・バイ〟だ。加えて質感は、かつてのオメガとは比較にならないほど優れているという点も付記しておきたい。

