
モリッツ・グロスマンが、発表から間もない世界限定の「アトゥム・エナメル」に続き、日本限定モデルの「アトゥム・エナメル ジャパンリミテッド」を発表した。本作も世界限定モデル同様、平滑な面を特徴とするグランフー・エナメルの文字盤が最大の特徴。しかも、異なるケースに合わせて2種類のカラーが用意された。早速見てみよう。
スイスの著名な文字盤サプライヤー、ドンツェ・カドランが手がけたエナメル文字盤は、暖色の強い〝クリーム・エナメル〟ダイアルと、通常のホワイトよりも淡い色調が特徴の〝アイボリー・エナメル〟ダイアル。それぞれ18Kローズゴールドと18Kホワイトゴールドのケースに採用される。
個性的な色調のエナメルダイアルをより際立たせるために、モリッツ・グロスマンは心憎い演出を施した。文字盤のすべての表示は、自社製針の色味に合わせてブラウンバイオレットカラーに統一された。また、同社のすべての針に用いられるキャップを被せた針の目から、針の先端の反対側にウェイトが付いたデザインから、今作はウェイト部分がカットされ、よりプレーンで文字盤の色調や質感を際立たせる仕様となっている。
搭載するムーブメントは自社製手巻きキャリバー100.1。洋銀製の3分の2プレートやゴールドシャトン、バイオレットに焼き戻された平型ネジが古典の美を醸し出しているが、今作は巻き上げ式のヒゲゼンマイをブルーに着色。19世紀から20世紀初頭に作られた懐中時計と見まごう意匠に仕上げられた。
18Kローズゴールド、ホワイトゴールドともに7本の限定製造品。5月中には店頭に並んで好事家の目を楽しませることになるだろう。
その年の新作モデルや、機構、仕上げの完成度など、毎回決められたテーマの中から、優れた10本を時計ジャーナリストたちが選出します。
クロノスドイツ版の人気連載「TEST」の翻訳記事。腕時計のデザイン、機能などをポイント性によって評価します!
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