独立系ブランド「バーン ウォッチ」から画期的なコンプリケーション機構を搭載する「バーン スター ワールドタイム」が登場

2022年の創業以来、1年にひとつのキャリバーを開発してきたバーン ウォッチから、3作目となるムーブメントを搭載した「バーン スター」が発表された。ヴァシュロン・コンスタンタンの200年前の歴史的なポケットウォッチにインスピレーションを得たという新作は、画期的なジャイロ・コンプリケーションを搭載する。

バーン スター ワールドタイム・コンプリケーション

　バーン ウォッチは、ラグジュアリー&ファッションの専門家であるクレア・コーエン（Claire Cohen）と、デザイナー兼ウォッチメーカーであるジョン・バーン（John Byrne）によって2022年8月に立ち上げられた。ジョンにちなんで名づけられたこのブランドは、ジョンがデザインと研究開発を主導し、クレアが完璧なクラフトマンシップと顧客体験を保証する。デビュー作とそのわずか8カ月後に2作目の「ジャイロダイヤル ZERO」を立て続けに発表し、急速に独立系ウォッチメイキングの世界での地位を固めている。

教皇の時計への現代的なオマージュ

「バーン スター」は、ジョン・バーンが20年以上前に修復したヴァシュロン・コンスタンタンのポケットウォッチからインスピレーションを得ている。教皇が所有していたと考えられているこの時計は、イタリアの拡大地図が精巧なディテールで描かれており、失われたシャンルベ・エナメル部分を慎重に再現したジョンの修復作業はヴァシュロン・コンスタンタンの注目を集め、この作品は同社の博物館に収蔵された。この傑作の200周年を記念して、ジョンは職人技と歴史へのオマージュとして「バーン スター」を製作した。

新しいコンプリケーション

　バーン スターには、クラシックな12時間制ワールドタイマーと、ジョンが何年もかけて改良を重ねた画期的なタイムフロー・ジャイロ・コンプリケーションというふたつの異なるコンプリケーションが搭載されている。これにより、従来のワールドタイマーとは異なる方法で、世界で1日の過ぎ行く時間の流れに想いを馳せることができる。

12時間制ワールドタイマー

　ダイアル中央に12の地点を表示するディスクを備え、12時間制ワールドタイムを表示する。ワールドタイムの地点はロンドン、アテネ、アブダビ、ダッカ、マカオ、ブリスベン、ミッドウェイ、ジュノー、ラ・パス、ハバナ、ブラジリア、アゾレス諸島で、各地点間の時差は2時間になり、ディスクは12時間で一周する。

タイムフロー・ジャイロ・コンプリケーション

　世界初となる革新的なタイムフロー・ジャイロ・コンプリケーションは、基点にある4つの回転キューブを備えた特徴的なジャイロダイアルに主要地点が表示され、それぞれが1日の異なる位相（朝、正午、夕方、夜）を示す。地球上で展開する時間の流れを動的かつ視覚的に表現するもので、従来のナイトアンドデイやAM/PM表示機構とは大きく異なる。

　タイムフローに表示される地点は、12時位置がハノイ、パリ、ローマ、ニューヨーク、3時位置がマレ、東京、バクー、リオ、6時位置が台北、香港、オスロ、ベルン、9時位置がドーハ、シドニー、ヌメア、ドバイとなる。

従来のワールドタイマーを超えるジャイロダイアル

　バーン スターは、ワールドタイマー機能にまったく新しい複雑機構を追加することにより、詩的な表現を生み出している。特許取得済みのジャイロダイアルによって、一日の段階が色で表現され、世界中で展開されるダイナミックで絶えず変化する時間の見え方を提供している。早朝は明るい空色、正午は鮮やかなターコイズブルー、夕方は深いダークブルー、夜は星空の色でそれぞれジャイロダイアル上に表現されている。

スタイリッシュで洗練されたケースデザイン

　ポルシェ愛好家でありモータースポーツファンでもあるジョンは、そのスピリットをバーン ウォッチのデザインに反映させ、デビュー作および2作目のデザインはスポーツシックなトノー型で、カジュアルでありながら洗練された雰囲気を醸し出している。一方で3作目のバーン スターでは、歴史的な時計に敬意を表し、よりクラシックなケースデザインを採用した。新しい38mm径のケースは前作より2mm薄く、より丸みを帯びて、現代の革新性と時代を超越した優雅さが融合した時計が誕生した。

視認性にも配慮したダイアルデザイン

　サンバースト仕上げのロジウムダイアルが深みと質感を向上させている。ヴァシュロン・コンスタンタンのポケットウォッチへのオマージュとして薄いオープンワークのイエローゴールドの針を採用し、文字盤上での視認性も高めている。