ファーブル・ルーバは、1737年のブランド創業以来初となるトゥールビヨン機構を搭載した「チーフ・トゥールビヨン」を発表した。マスター・ウォッチメーカーのジャン=フランソワ・モジョンとの緊密なコラボレーションによって開発された25本の限定モデルは、ファーブル・ルーバの砂時計のエンブレムがエンボス加工された、印象的で立体的なサブリエ(砂時計)・ダイアルを備えている。
ファーブル・ルーバ復活の礎「チーフ・コレクション」
「チーフ・コレクション」は、かつて四隅が優しく柔らかな曲線を描くクッション・ケースで人々を魅了した。新たなスタートを切ったファーブル・ルーバにおいても、ブランドの技術と美的探求への情熱、厳格な基準、そして高度な技術と仕上げを比類ない価格で提供する重要なコレクションであり、「チーフ・トゥールビヨン」は、ブランド史上最も精巧な複雑機構を搭載し、歴史の新たなチャプターを開くものとなっている。
チーフ・トゥールビヨン

手巻き(Cal. FL T01/クロノードCal.C502ベース)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約60時間。SSケース(直径41mm、厚さ11.45mm)。10気圧防水。世界限定25本。528万円(税込予価)。
「チーフ・トゥールビヨン」は、ファーブル・ルーバとジャン=フランソワ・モジョンのアトリエであるクロノードにより共同で開発された。ジャン=フランソワ・モジョンは今日もっとも独創的なムーブメントメーカーのひとりであり、彼の専門知識は、MB&F、チャペック、エルメスをはじめとする、時計界で最も尊敬される数々のブランドの作品に反映されている。

2024年に復活したブランド
1737年にスイス、ル・ロックルで創業したファーブル・ルーバは、約3世紀にわたる時計製造の歴史を経て、2024年に経験豊富な業界プロフェッショナルからなる新しいチームを迎え、新たなスタートを切った。Watchbox Switzerlandの元副社長であり、ユリス・ナルダンの元CEOでもあるパトリック・ホフマンが新たに指揮を執るファーブル・ルーバは、ブランド・アイデンティティを刷新し、「チーフ」「シースカイ」「ディープブルー」という3つの柱を軸に明確に構成されたコレクションで復活した。
45万1000円から90万2000円(いずれも税込)の価格帯で展開する22種類のモデルを投入し、これまで以上に価値ある時計を提供することに注力している。熟練した専門家チームには、デザイナーのアントワーヌ・チュミ(Antoine Tschumi)とローラン・オーベルソン(Laurent Auberson)が名を連ね、伝統と復活というビジョンを掲げ、ブランドの変革をけん引している。
特別にデザインされたサブリエ・ダイアル

ファーブル・ルーバは、チーフ・トゥールビヨンにおいて、ブランドの節目を讃えるダイアルをこのモデルのために特別にデザインした。ファーブル・ルーバのアイデンティティの中核をなす象徴的な砂時計(サブリエ)のエンブレムをエンボス加工し、際立った表現力を発揮したダイアルが出現した。
この優美なダイアルは、従来の常識を大胆に覆す、立体的のあるデザインになっている。熟練のクラフトマンの手によって、特別に設計されたツールを用いて精密なスタンピングを幾段階にも重ねることで、独特の重層的な深みと複雑さを表現している。精巧なパターンは、ブランドのエンブレムを自然体でありながら調和のとれた配置で表現している。三角形のパターンは、表面から0.3mm下まで、3つの異なる層に繊細に刻まれており、上の層には繊細なサンバースト仕上げの三角形が優雅にそびえたち、下の層にはマット仕上げの三角形が優しく鎮座している。このふたつの層の間にある空間がダイアルの土台となり、光と質感の相互作用を生み出している。
ジャン=フランソワ・モジョン製作のムーブメント
チーフ・トゥールビヨンの心臓部には、定評のあるクロノード Cal.C502 をベースにした Cal.FL T01 が搭載されている。これはジャン=フランソワ・モジョンがファーブル・ルーバのために改良したもので、ムーブメントの構造にファーブル・ルーバのDNAを融合させている。トゥールビヨン・ケージ上部のブリッジは、サブリエ(砂時計)を想起させ、ブランドのエンブレムを彷彿とさせる。このブリッジはスモールセコンド・ダイアルのフランジも支え、その中央には炎のようなブルーの秒針を配置。3つの機能が、精密なエンジニアリングと仕上げの複雑さを極めたコンポーネントに融合されている。
ケースバックは、レーザー・エングレービングされたコート・ド・ジュネーブ仕上げで、角穴車にァーブル・ルーバのロゴが刻印された。ブルーのネジは、1737年に遡るファーブル・ルーバの長年にわたる時計製造の伝統に敬意を表している。