ボーム&メルシエは1830年の創業以来、技術的な経験とデザイン感性により皆様の人生の多くの瞬間を共有し表現してきた。クリフトン ウォッチのデザインを刷新することにより、メゾンはこのウォッチの新たな存在感を再びアピールする。新たな視点で見直すことにより、現代性とヴィンテージのインスピレーションのバランスを追求する過程で常に全体の基調となるのはエレガンスであった。
1950年代の時計製造の遺産
クリフトン コレクションは1950年代に流行した薄いラウンドウォッチを継承している。そのモデルは究極の洗練を体現し、丁寧な作りこみを極めたタイムピースであった。薄いケースは多くの場合ゴールドで、ゆるいカーブをつけたガラスの下の明るいトーンのダイヤルにアラビア数字が並ぶ。素晴らしいクラフツマンシップのノウハウがあちこちに生かされていた。1950 年代には時計の歴史に新たな動きもあった。ボーム&メルシエは変形ケースをブランドのスタイルのシグネチャーとしたのだ。

1940年、50年代のメゾンは「Finely Crafted」という規格を設けこれをウォッチに記載した。時計製造のアートは繊細な作りこみに現れる。細心のディテールと仕上げによりウォッチとムーブメントの美しさとパワーが引き出されるからだ。「いかなる妥協もせず、最高品質の時計だけを作る」。1950年代は時計業界で品質、精度、信頼性、洗練といった価値を重視しそのための努力が始まった時期だった。
オリジナルムーブメント「ボーマティック」

2018年に登場したボーマティックはボーム&メルシエ設計の自社キャリバーで、1500 ガウスまでの耐磁性を保ち、振動数は2万8800振動/時、約5日(約120時間)という優れたパワーリザーブを実現し、ケースは5気圧防水(約50 m)だ。
美しい仕上げ

デザイン的にも秀逸なこのキャリバーは、ブリッジにパール仕上げ、地板はサンドブラストでスネイル仕上げを施している。ローターにはコート・ド・ジュネーブ装飾とスネイルを施した上、ゴールドカラーとスケルトンを加えた。さらに Baume & Mercier とエングレービングされている。
クリフトン ボーマティック
薄いラウンドケースは計算し尽くした曲面で包まれ、ややカーブしたガラスがはめこまれている。確かな品質、緻密なライン、理想的なプロポーション、完璧な仕上げ、これらの全てが高貴な雰囲気を醸し出す。黄金比率の示すこれらの秀でた特徴が、ボーム&メルシエのロゴPhiのもとに集約されている。どのディテールも時を超えたエレガンスを雄弁に語り継ぐ。

ブルーのダイヤルは外側がダークで中央に向かって明るくなるグラデーション。ラッカー仕上げがさらに美しいニュアンスを醸し出している。リベット留めしたやや長めの台形型ロジウム仕上げのインデックスはファセット付き。アルファ型の時分針もファセット付で同様にロジウム加工、秒針もロジウム加工となる。6時位置の大きめの窓にデイトが表示される。自動巻き(ボーマティック/BM13-1975A)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径39mm、厚さ11.22mm)。50m防水。51万1500円(税込み)。

明るいサーモンのオパリンダイヤルに時刻表示、カレンダー表示が並ぶ。文字盤は1930年、40年代に好まれたヴィンテージ風のローズとピーチの間の理想的な色合いが魅力。トープのストラップも付属する。自動巻き(ボーマティック/BM13-1975A)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。SSケース(直径39mm、厚さ11.22mm)。50m防水。世界限定350本。51万1500円(税込み)。

繊細なオフホワイトのダイヤルがレトロな雰囲気をアピール。グレイン仕上げによる独特のレリーフ感が色合いをひきたたせ、模様に深みが与えられ全体に温かみが生まれた。自動巻き(ボーマティック/BM13-1975A)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約120時間。18KPGケース(直径39mm、厚さ11.22mm)。50m防水。世界限定350本。140万300円(税込み)。
注目すべきディテール
最後に、注目すべきディテールを紹介しよう。