ベル＆ロスが〝ステルス〟ウォッチだけど見逃せない、新作「BR-05 スケルトン ファントム セラミック」を発表

ベル＆ロスは2025年7月9日、新作モデルとなる「BR-05 スケルトン ファントム セラミック」を発表した。オールブラックの外装はステルス機のような、闇に溶け込むスタイルを備えながらも、手元で存在感を放つ腕時計となっている。

ベル＆ロスの新作「BR-05 スケルトン ファントム セラミック」

　ベル＆ロスは2025年7月9日、新作モデルを発表した。「BR-05 スケルトン ファントム セラミック」だ。ケースと同じセラミックスを素材に用いたブレスレットモデルと、ラバーストラップとの2種類が用意されている。

　2019年、それまでツール感の強かったベル＆ロスに加わった、エレガントで都会的なコレクション「BR 05」。「ケースとブレスレットが一体となった時計のデザインは1970年代に登場
したスタイルで、それをベル＆ロスの美学に落とし込むことで、直感的でモダン、かつグラフィカルに強い印象を与えるタイムピースが生まれるのです」と、同社の共同創業者兼クリエイティブディレクターであるブルーノ・ベラミッシュが語るこのBR 05に、ウォッチズ＆ワンダーズ ジュネーブ2025ではブラックセラミックスを外装に使い、かつ文字盤からスケルトナイズされたムーブメントをのぞかせるモデルが加わっていた。さらに今回の新作モデルでは、針やインデックス、そして蓄光塗料もブラックとすることで、オールブラックに仕立てたデザインを有している。

　本デザインはステルス航空機へのオマージュであり、この美学の礎は、2007年に登場した「BR-01 ファントム」によって築かれたのだという。象徴的な「F-117」をはじめとする軍用ステルス航空機からインスピレーションを得ているため、華美な印象はなく、控えめなスタイルだ。一方でベラミッシュはこのスタイルにピエール・スーラージュ、リチャード・セラ、マーク・ロスコ、ジャクソン・ポロックといった、現代を代表する芸術運動との共通点も見出しており、ステルス航空機の設計者たちと同様に、「黒に光を当てることで形を表現する」ことが可能であると証明した。

特徴的な文字盤

　光と影のコントラストを際立たせるために、本作の文字盤はブラックのワントーンで構成される。文字盤のフランジ、インデックス、針はマットブラックで、さらに蓄光塗料であるスーパールミノバもブラックカラーだ。とはいえこの蓄光塗料は暗所ではグリーンに発光するため、昼夜を問わず優れた判読性を確保していると言える。秒針はロジウム仕上げ。この秒針の仕上げ分けによって、モノトーンの中にあっても、繊細なコントラストが生み出された。もっとも、このモノクロームのアプローチには、独自の技術的構成が求められる。

　風防にはブラックに着色されたサファイアクリスタルが採用されており、オールブラックスタイルを保つ一方で、透明性によってロジウム仕上げのスケルトナイズされたムーブメントを観賞することができる。

　搭載されるムーブメントはCal.BR-CAL.322-1。スケルトン加工やオールブラックに合わせた仕上げといった美観のみならず、約54時間のパワーリザーブなど、実用性も兼ね備えたムーブメントである。このムーブメントは文字盤側のみならず、トランスパレントバックからものぞくことができる。

耐傷性に優れるセラミックケース

　本作は素材にセラミックスを用いていることも、特筆すべき点だ。傷付きにくく腐食にも強いこの素材を採用することで、デイリーユースに頼もしい相棒となってくれる。防水性は100mとなっているので、水仕事にも心強い。

　本作はこの硬い素材に、ポリッシュとサテンをコンビネーションした仕上げを与えている。黒と光のコントラストが際立つことはもちろん、高級機らしい風格を備えているのだ。

　販売価格はブレスレットモデルが148万5000円、ラバーストラップモデルが134万2000円（いずれも税込み）。各500本生産の限定モデルであるため、気になる読者は早めにチェックしておきたい。