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ライカ、自社製ムーブメントで時計市場に再参入(1/1)

 6月13日、ライカカメラ社は、自社製ムーブメントを載せた腕時計コレクション「L」を発表した。ベーシックモデルのL1は、日付表示とパワーリザーブ表示を設けたもの。そこに昼夜表示と第二時間帯表示を追加したのがL2である。

 新規開発のムーブメントは、シュランベルグにあるレーマン・プレシジョンウーレン社との共同開発によるもの。2時位置のプッシュボタンで日付を早送りできるほか、時間を合わせる際は、リュウズをプッシュし、巻き上げ機構をカットした状態で行う。また、リュウズをプッシュすると秒針が0位置に戻るゼロリセット機構を搭載する。

日付早送りと昼夜表示、パワーリザーブと第二時間帯表示を持つL2。直径は41mm、厚さは14mmだが、ラグが短いため取り回しは軽快だ。なお、写真で掲載した個体はプロトタイプのため、細部は変わる可能性がある。手巻き(Cal.L1)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS。50m防水。

レーマン・プレシジョンウーレンと共同開発した自社製ムーブメント。中心にある4番車にガンギ車を介して、6時位置の追加4番車を動かしている。香箱が小さいように思えるが、意外にも約60時間のパワーリザーブを確保している。ダイヤモンドカットとブラストを併用した仕上げは、担当者曰く「他社との差別化のため」。

 ムーブメントは手巻きで、ケースの直径は41mm、ケース素材はSSと今後、18Kゴールドが追加される予定。ライカが想定する年産は1000本で、予定価格はベーシックなL1で10000ユーロ以下。また、来年はアラーム機構を搭載したモデルを追加するとのこと。初年度はシンガポール、東京、ニューヨークのライカブティックで販売するが、来年以降は販路を拡大するほか、カメラ同様、パーソナライゼーションサービスの導入も検討中だ。

 社主のカウフマン氏は長年ライカ名で時計を作ることを希望していたが、本格的にプロジェクトが始まったのは3年前とのこと。オーデマ ピゲ出身のディレクターが加わり、レーマンとのコネクションが強化された結果、「ミヨタやセリタ入りではない自社製ムーブメント入りの時計」(アンドレアス・カウフマン博士)を製作できるようになったという。なおレーマンは、時計だけでなく高品質なCNC旋盤を製作しており、ライカでも多数採用している。そういった繋がりもあって、今回はレーマンの協力を得たとのことだ。

 カウフマン氏が「時計のほとんどはメイド・イン・ジャーマニー。シュヴァルツヴァルト地方にある時計産業の伝統を復活させたかった」と語る通り、風防以外はすべてドイツ製。部品などはレーマンなどのシュヴァルツヴァルト地方のサプライヤーから提供されるが、最終的な組み立てはウェッツラーに設けられた工房「エルンスト・ライツ・ヴェルクシュタッテン」で行われる。

 この時計の面白さは、触って楽しめる点にある。リュウズをプッシュすると巻き上げの連結が切れて針合わせが可能になるが、連結のオン/オフには、凝った形状のコラムホイールを使っている。そのため、リュウズを押した時の感触には適度な"タメ"があり、感触は大変良好である。また、初作にもかかわらず、リュウズを回した際や、日付を早送りするプッシュボタンの感触も、同じく良好だ。こういった優れた感触は、カメラファンだけでなく、既存の時計愛好家にも歓迎されるのではないか。

 プロトタイプのため、まだディテールは詰まっていない(例えば針のダイヤモンドカット仕上げが甘いため、表面にわずかな揺らぎが見える)が、製品版では手直しするとのこと。仮にディテールが修正されたら、時計の魅力は一層増すはずだ。ライカらしい触る楽しさに満ちた、新しい時計コレクション、L。その詳細は、8月3日売りの『クロノス日本版9月号』で紹介する予定だ。

ライカカメラ社社主のアンドレアス・カウフマン博士。「セリタもミヨタも良いエボーシュを作っているが、それらを採用しようとは思わなかった。違いが重要だからだ。来年出すアラーム付きの新作も、レビュー・トーメンやジャガー・ルクルトとは違ったものになるだろう」。5年前は時計のことは何も知らなかった、と語るカウフマン博士だが、今や時計に対して驚くほどの知見を持つ。

最終的な組み立てを行う、エルンスト・ライツ・ヴェルクシュタッテン。ライカの本社があるライカパークの一角に設けられた。左側には組み立て工房が、右側にはショールームが設けられる予定だ。

エルンスト・ライツ・ヴェルクシュタッテンの内部。時計師が常駐して、最終的な組み立てを行う予定だ。ライカは年産1000本という野心的な目標を掲げているが、内容を考えれば不可能ではないだろう。


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