【2020新作時計】モンブラン「1858 プロダクトライン」

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2020.04.10

モンブランの「1858」ラインは、1920〜30年代に製造されたミネルバの軍用クロノグラフからインスピレーションを得ている。2020年、「1858」プロダクトラインから発表される新作は、氷河や雪山の自然を表現したブルーのダイアルが美しいモデルたちだ。

モンブラン 1858 プロダクトラインとは

オリジナルのミネルバ製クロノグラフリストウォッチとポケットウォッチ。これらのデザイン、機能から着想を得ている。

「1858」ラインは、山岳探検のスピリットに根ざしたデザインが特徴のコレクションだ。1930年代以降のミネルバのクロノグラフを想起させる、独特なエレメントで構成されている。過酷な環境下でも極めて堅牢で視認性に優れている一方、ヨーロッパの洗練されたヴィンテージテイストを併せ持っていることも魅力のひとつだろう。「1858」という名前は、シャルル・イヴォン・ロベールがミネルバ社の前身となる時計工房を設立した年である、1858年から名付けられている。メモリアルイヤーをそのまま冠した「1858」ラインには、ミネルバの歴史を受け継ぐという強い思いが込められている。


モンブラン1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション100

モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション100

モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション100
手巻き(Cal.MB M16.31)。25石。1万8000振動/時。パワーリザーブ約50時間。Ti(直径44mm、厚さ14.55mm)。3気圧防水。世界限定100本。3万9500ユーロ(時価)。2020年4月発売予定。

 ミネルバの歴史的なミリタリーモノプッシャー クロノグラフを再解釈し、誕生したのが「1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション100」だ。鮮やかなブルーのダイアルに組み合わせたのは、サテン仕上げを施したチタングレード5ケースだ。ダイアルはグラン フーエナメル仕上げとなっており、艶やかな輝きと深い色合いが美しい。グラン フーエナメル技法はエナメルの釉薬を文字盤ディスクに乗せ、800℃の窯で短時間焼成して取り出し、冷やして固定させるというもの。表面の加熱は何層かに分けて行われ、各層が高温で加熱される。職人技によって作りあげられるグラデーションダイアルだ。

 2019年に発売された限定クロノグラフと内容は大きく変わらないが、ブルーダイアルにオレンジとホワイトを組み合わせたことで、ヴィンテージスタイルが強調されている。また、ブルーダイアルの1858といえば、ポケットウォッチリミテッドエディションを連想する愛好家も多いのではないだろうか。ブルーダイアルの1858を待っていたという人にとって、今回の新作は嬉しいものとなるに違いない。

 ムーブメントは手巻きモノプッシャークロノグラフ、スプリットセコンド、タキメーター、テレメータを備える自社製キャリバーMB M16.31。ふたつのコラムホイールと水平カップリングが約50時間のパワーリザーブを生み出す。このムーブメントは1930年代に開発され、ポケットウォッチと腕時計の両方に使用されていたミネルバのキャリバー17.29から着想を得たMB M16.29の進化形だ。

 テレメーターは稲光が見えた瞬間にクロノグラフ針をスタートし、雷鳴が聞こえたら停止させることで、嵐や雷との距離を計測できるというもの。ダイアル中央に見える渦巻き型のタキメーターは、自動車などの移動距離がわかる物体の速度を示すものだ。測定者は、測定するコースのスタート地点を自動車が通過する時にクロノグラフ針をスタートさせ、ゴール地点を通過する時に針を停止させる。実際に使う場面はあまりないかもしれないが、この時計を手に入れることによって、テレメーターを使用するために雷を待ち遠しく思うようになるだろう。

 精緻なメカニズムが求められるスプリットセコンドはデザイン的にも存在感を示している。クロノグラフセンター秒針には同色の目盛りを、オレンジのスプリットセコンド針にはオレンジの目盛りを配して、視認性をより高いものにしている。