アルピナから環境に配慮した素材を使った新モデル「シーストロング ダイバー ジャイル ジェンツ オートマティック」が登場

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2021.02.11

アルピナから新たに登場した「シーストロング ダイバー ジャイル ジェンツ オートマティック」は、ケースの素材に漁網をブランドとして初めて採用した。海の環境保護活動を行う企業とのコラボレーションを実現し、危機迫る海洋ゴミ問題に立ち向かう。

アルピナ

海洋ゴミが腕時計の姿に

 1883年の創業から130年以上の歴史を誇るアルピナは、高い精度と信頼性を備えたスポーツウォッチを設計・製作することをミッションに掲げたブランドだ。現在では「Alpiner4」として知られている「スイス製スポーツウォッチ」のコンセプトを1938年の時点で考案しており、さまざまな用途に対応するラインナップを展開している。

 同社が今回着目したのが海洋ゴミ問題。毎年、約800万〜1000万トンのプラスティックゴミが海に放出されており、その中にはプラスティック製の漁網も多く含まれている。その多くが陸地からはるか遠い場所の海底に沈んているのが現状だ。

シーストロング ダイバー

アルピナ「シーストロング ダイバー ジャイル ジェンツ オートマティック」
自動巻き(Cal.AL-525)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。リサイクルプラスティック(直径44mm、厚さ12.15mm)。300m防水。世界限定1883本。16万8000円(税別)。

 このような地球を取り巻く環境問題に、アルピナはウォッチメイキングで立ち向かう。ブランド初となるこの試みは、環境保全を行うふたつの団体、Gyre Watch(ジャイルウォッチ)とSurfrider Foundation Europe(サーフライダー ファウンデーション ヨーロッパ)とのパートナーシップを結んで実現した。

 モデル名にも記されているジャイル ウォッチは2017年に設立された団体で、海洋で回収された漁網をチップ上のリサイクルプラスティックに変換し、それを材料とした腕時計の生産を行う企業。主にインド洋を漂う漁網「ゴーストネット」を再利用するというコンセプトを19年に発案し、現地の漁師が回収した後リサイクル業者に届けられるシステムを採用する。

 そしてサーフライダー ファインデーション ヨーロッパは、アルピナが20年から支援するNGO団体。1990年にフランスのサーファーたちによって設立され、海や海洋地域の保護のためのボランティア活動をヨーロッパ12カ国で展開している。

シーストロング ダイバー

アルピナ「シーストロング ダイバー ジャイル ジェンツ オートマティック」
自動巻き(Cal.AL-525)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。リサイクルプラスティック(直径44mm、厚さ12.15mm)。300m防水。世界限定1883本。16万8000円(税別)。

 このようなパートナーを迎えて製作された「シーストロング ダイバー ジャイル ジェンツ オートマティック」は、次世代の腕時計の姿を示すような1本だ。ケースの素材は前述した「ゴーストネット」を約70%使用し、残り約30%は耐久性を確保するためのグラスファイバーで構成されている。

 今作は3モデル展開で、それぞれ異なるダイアルカラーやストラップの組み合わせによって差別化が図られている。海を彷彿とさせる鮮やかなグラデーションがかったディープブルーダイアルと、鮮やかさを抑えたシックなライトブルーダイアルでは、同じブルーダイアルでも雰囲気を異にする。それぞれ配色の異なるツートーンのNATOストラップは再生ペットボトルから作られ、付属するレザー風のストラップはリンゴの廃棄物を再利用したものだ。

シーストロング ダイバー

アルピナ「シーストロング ダイバー ジャイル ジェンツ オートマティック」
自動巻き(Cal.AL-525)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。リサイクルプラスティック(直径44mm、厚さ12.15mm)。300m防水。世界限定1883本。16万8000円(税別)。

 各所にプラスティック由来のリサイクル素材を用いている今作だが、時計としての機能性が損なわれることはない。逆回転防止ベゼルを搭載したダイバーズウォッチで、300mの高い防水性能を誇る。搭載する機械はセリタの汎用ムーブメントSW-200をカスタマイズしたAL-525で、普段使いに重宝する日付表示を備えている。

ボックス

 時計本体だけではなく、それを保管するボックス類にも一切手を抜かないのがアルピナだ。梱包材はリサイクルプラスティック(rPET)で、FSC混合紙製の外箱に収められたウォッチケースには再生プラスティック(ABS)が使用されている。また、同社はエコロジカル・フットプリントの減少を目的とし、取扱説明書の印刷を廃止した。クッションにプリントされたQRコードから専用サイトにアクセスすることで、ペーパーレスで時計の詳しい情報を得ることが可能だ。

 持続可能な社会づくりが重要視される現代において、腕時計はどうあるべきか。アルピナは、その答えのひとつを今作で示したのである。


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