エドックス〝THE WATER CHAMPION〟が創る、ユーティリティーとゴールドカラーの競演

2023.12.16

エドックスは優れた防水性能を持つスポーツウォッチを得意とするブランド。そしてその伝統を受け継ぎつつ、瀟洒なゴールドカラーをまとった、ふたつの新作が登場した。

クロノオフショア1 クロノグラフ、ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック

(左)クロノオフショア1 クロノグラフ
「クロノオフショア1」は、パワーボートレースの最高峰「CLASS-1」をテーマに開発され、2007年にデビューした「クラスワン」コレクションがルーツである。パワーボートのようなタフネスや高性能、ハイテク素材の使用が特徴だ。この最新作はチタン製ケースを採用。1000m 飽和潜水防水を実現している。クォーツ(Cal.EDOX102)。Tiケース(直径45mm、厚さ15.5mm)。1000m防水。29万7000円(税込み)。
(右)ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック
「ネプチュニアン」に加えられた新作。ラ・ジュー・ペレCal.G100ベースのムーブメント搭載により約68時間のパワーリザーブを実現した。「ネプチュニアン オートマティック」よりケース径を2mm小さく、厚さを3.3mm薄くし、20%軽量化されている。自動巻き(Cal.EDOX808)。24石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約68時間。SSケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。300m防水。35万2000円(税込み)。
吉江正倫:写真 Photographs by Masanori Yoshie
福田豊:文 Text by Yutaka Fukuda
Edited by Chieko Tsuruoka(Chronos Japan)


NEPTUNIAN × CHRONOFFSHORE-1

 先日、エドックス本社より来日した取締役兼セールス&マーケティング ディレクターのクリスチャン・オッツが、こんなことを話してくれた。彼は2007年にエドックスが日本へ再上陸した際にもお会いした、エドックスについての生き字引のような人物だ。

「エドックスは高価なラグジュアリーウォッチを目指してはいない。この価格帯で最高を目指しています。そしてその上で、エドックスの夢は、高い防水性を備えるスポーツウォッチのセグメントで世界のトップ5に入ること。例えば、いつも有名ブランドのスーツを買っている人が、たまには違うものを、というときに選ぶような。イタリアの家族経営の小さなファクトリー製のスーツで、しかしよくよく知れば歴史や伝統がある、といったようなブランドになりたいのです」

 ふたつの新作は、そんなエドックスの夢を実現するために生まれたのだろう。

ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック

「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」の針とインデックスにはスーパールミノバX1を塗布する。また、ダイバーズウォッチに必須の逆回転防止ベゼルはハイテクセラミックスをインサートした仕様だ。ハイテクセラミックスはサファイアと同等の高硬度を備え、耐傷性、耐腐食性に優れ、美しく使い続けられる。

ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック

新しく採用された新型ブレスレットは、従来の「ネプチュニアン オートマティック」の片開き式(二重ロック付き)から、両開き式に変わったのが特徴である。また、折り畳み式のエクステンションが備えられ、瞬時に長さを延長することが可能。シャツの上から着用するなどアレンジすることができる。

「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」は、そもそもは2019年に発表された1969年製ミリタリーダイバーズの復刻版「スカイダイバー」がオリジナル。それが2021年に「スカイダイバー ネプチュニアン オートマティック」に進化し、22年に「ネプチュニアン オートマティック」に改名された。今回紹介するネプチュニアンは、それに加えられた最新のバリエーションモデルだ。最大の特徴は、「グランデ リザーブ」のモデル名の通り「ネプチュニアン オートマティック」よりパワーリザーブが長くなったこと。また、ケース径を44mmから42mmに小型化。防水性能を1000mから300mに下げることでケース厚も薄くし、軽快で洒脱な印象にしている。

「クロノオフショア1 クロノグラフ」は、エドックスのフラッグシップコレクション「クロノオフショア1」の最新作だ。「クロノオフショア1」は“海のF1”と称されるパワーボートレースの世界観を体現したタフなシリーズで、本作も1000m飽和潜水防水の高性能を装備している。大型の45mm径のチタン製ケースの9時側には、オートヘリウムエスケープバルブを搭載する。

クロノオフショア1 クロノグラフ

「クロノオフショア1」は全モデルが逆回転防止ベゼルを搭載する。この新モデルはハイテクセラミックス製の逆回転防止ベゼルを採用する。ベゼルに配された4本のビスがブランドエンブレムの砂時計のデザインであるのも注目点。針とインデックスがケースと合わせたピンクゴールドカラーにされているのも洒落たポイントだ。

クロノオフショア1 クロノグラフ

ハイテクセラミックス製の逆回転防止ベゼルは、このようにたっぷりとした厚みで、操作感も良好である。ピンクゴールドPVDのチタンケースのヘアライン仕上げも美しい。そしてその9時側サイドにオートヘリウムエスケープバルブを搭載。1000m飽和潜水防水の高性能を目で確認することのできる好ディテールだ。

 というように、どちらも1961年に画期的なダブル・Oリングによる防水機構で特許を取得、以来、“The WaterChampion”をスローガンに高い防水性を持つスポーツウォッチを開発してきたエドックスの技術と伝統を継承した、同社を象徴する新作と言える。

 しかも、どちらも瀟洒なゴールドカラー(PVD)をまとっているところがポイントだ。そのためエドックスならではのタフさはそのままに、よりシックにエレガントに着けこなすことができる。

ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティックとクロノオフショア1 クロノグラフのケースバック

右は「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」のケースバック。モデル名の由来であるローマ神話の海の神・ネプチューンのレリーフが飾られている。左は「クロノオフショア1 クロノグラフ」のケースバック。時速200kmを超えるハイスピードで海を疾走するパワーボートのスクリューを模したデザインがあしらわれている。どちらも持ち主だけが愉しむことのできる、人気のディテールだ。

 だからこのふたつの新作は、いつもは高価なラグジュアリーモデルを買っている人が、ふと手に取る、というのにうってつけ。そしてその歴史や伝統、技術を知れば、きっと感嘆するに違いない。

「ネプチュニアン グランデ リザーブ デイト オートマティック」と「クロノオフショア1 クロノグラフ」のふたつの新作は、まさしくエドックスの夢を叶えてくれる好モデルと言えそうだ。



Contact info: ジーエムインターナショナル Tel.03-5828-9080


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