エドックス ハイスペックとスタイリッシュ、どちらがお好み?

2022.12.19

防水時計のパイオニアとしての歴史を持つエドックスにラインナップされるのが、ハイスペックを追求する「ネプチュニアン」と、スケルトナイズでデザイン性を高めた「デルフィン」だ。アンダー30万円で選べる対照的と言える2モデルに注目する。

デルフィン メカノ オートマティック、ネプチュニアン

(左)デルフィン メカノ オートマティック
シルエットを1970年代のモデルから引き継いでリデザインされたモデル。アワーグラスのモチーフを取り入れたスケルトナイズで、インパクトのあるデザインに仕上がっている。自動巻き(Cal.EDOX853)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS+PVD(直径43mm、厚さ12mm)。200m防水。31万3500円(税込み)。
(右)ネプチュニアン オートマティック
ヘリウムエスケープバルブを搭載する1000m防水のハイスペックダイバーズ。耐傷性や美観に優れるセラミックス製ベゼルインサートや残光輝度が高いスーパールミノバX1など、充実の内容だ。自動巻き(Cal.EDOX80)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径44mm、厚さ15.6mm)。23万1000円(税込み)。
江藤義典:写真 Photographs by Yoshinori Eto
佐藤しんいち:文 Text by Shinichi Sato


防水時計のパイオニアが手掛ける、異なるキャラクターのダイバーズウォッチ

ネプチュニアン

ネプチュニアンは耐傷性が高く、光沢を保ちやすいセラミックベゼルインサートを採用する。同素材は紫外線や摩耗によって色落ちしない特徴も持つ。インデックスや針には、発光が長続きするスーパールミノバX1を広く塗布することで、高い視認性を得ている。

 エドックスは1961年の初代「デルフィン」に特許技術のダブルOリングを採用してリュウズのねじ込みなしに200m防水を実現し、防水時計の新たな時代を拓いたパイオニアである。その後も、65年にはいち早く500m防水を実現し、その名声を高めてきた。

 この系譜を引き継ぐのが「ネプチュニアン」だ。1000mの高い防水性能に加え、深海での長時間作業に必要な飽和潜水に対応するヘリウムエスケープバルブを搭載するハイスペックダイバーズである。高品質な要素は他にもある。蓄光塗料には、暗所での安定した視認性確保のため、発光量が持続する最上位グレードのスーパールミノバX1を採用する。

 時針は矢印型、分針はペンシル型として判別しやすいデザインを採用し、針上の広い面積にスーパールミノバX1を塗布することで瞬時の判別のしやすさを高めている。シルバーで縁取られたインデックスも大きく、視認性の高さは十分だ。逆回転防止ベゼルには、耐傷性の高いセラミックス製ベゼルインサートを採用する。艶のある質感は満足感も高まるだろう。これらの要素を、存在感がありながら日常使いにも合わせられる44mm径のケースに収め、コンサバティブなデザインにまとめている。

デルフィン メカノ オートマティック

デルフィンのベゼルはステンレススティール製。十二角形のベゼルは1970年代のモデルから継承したディテールだ。ネジにはエドックスのシンボルであるアワーグラスのモチーフがあしらわれている。また、1/4秒刻みのスケールは毎秒8振動のメカニカルムーブメントであることを示すものだ。

 もうひとつの注目モデルは、過去モデルの系譜を引き継ぎつつ、スケルトナイズによってデザイン性を高めた「デルフィン メカノ オートマティック」だ。ケースサイドからブレスレットにつながるシルエットと十二角形のベゼルを70年代のモデルから継承する。ここに、エドックスのシンボルであるアワーグラス(砂時計)モチーフのスケルトナイズを組み合わせて現代的にリデザインしている。

 ムーブメントもスケルトナイズされており、ムーブメントパーツがダイアル側から存分に鑑賞可能だ。シースルーバックを採用するモデルは多いが、自動巻きローターによってムーブメントが隠れてしまって思ったほど見えないものも多い。ローターで隠れないダイアル側のスケルトナイズを採用するミドルクラスモデルは多くはなく、本作は同クラスの中で機械式時計の面白さを感じ取りやすい。

 ハイスペックなダイバーズのネプチュニアンと、デザイン性を高めたデルフィン。いずれも防水時計ながら、デルフィンは回転ベゼルのような時計機能を備えていないため、本格的なダイビングはネプチュニアンに軍配が上がる。一方、デルフィンの200m防水と4分の1秒のスケールが示すように、防水時計と機械式時計としての醍醐味も失っていない。これらのキャラクターの異なるモデルが、アンダー30万円にラインナップされている。これが現在のエドックスの強さだ。

それぞれのキャラクターの違いはブレスレット部にも表れる。デルフィン(左)には、小さなコマと目立ちにくい両開き式のバックルが組み合わされ、エレガントな印象にまとめられている。対して、ネプチュニアン(右)は堅牢さを重視しており、しっかりとした3連リンクにダブルロックとエクステンションを備えるバックルが組み合わされる。ともにプッシュボタンでロック解除できるため、着脱も容易だ。
デルフィン メカノ オートマティック

デルフィン メカノ オートマティック
ダイアルとストラップにオリーブグリーンを採用。デルフィンになかったアースカラーモデルの追加で、コーディネートの幅が広まった。自動巻き(EDOX853)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SS(直径43mm、厚さ12mm)。200m防水。28万6000円(税込み)。
ネプチュニアン

ネプチュニアン オートマティック
ブラックダイアルに、グリーンのベゼルインサートを組み合わせた新色。グリーンの挿し色がストイックさを和らげ、鮮やかさを演出する。自動巻き(Cal.EDOX80)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約38時間。SS(直径44mm、厚さ15.6mm)。1000m防水。23万1000円(税込み)。

Contact info: GMインターナショナル Tel.03-5828-9080


1000m防水機能とスタイリッシュなデザインを兼ね備えたエドックス「ネプチュニアン オートマティック」の新色が発売

https://www.webchronos.net/news/86724/
エドックスのスケルトンウォッチ「デルフィン メカノ オートマティック」に新色が登場

https://www.webchronos.net/news/86390/
これからダイバーズウォッチを購入する人が知っておきたい基礎情報

https://www.webchronos.net/features/84459/