というわけで、編集部みんなで書くという意味では復活を果たしたらしい編集部ブログ。じゃあ私は何を書こうかしら……と考えて、最近やっとこさ修理できたペプシマンウォッチに。フォッシル謹製のこの時計を職場で見せたところ、若者には「ペプシマン」ってなんすか、と言われて平成は遠くになりにけり……という気持ちです。

Text by Yosuke Ohashi(Chronos-Japan)
[2025年10月7日公開記事]
ペプシマンU.S.A。U.S.Aですよみなさん
ペプシマーン。シュワァァァァァッ~。このCM、記憶にあるかいね? ペプシマンの存在を当然のものとして、同僚に話を振ったら「あ、なんですかそれ?」と返されてジェネレーションギャップに驚愕! えーっ平成そんな前だっけ? というわけで、今日は私物のペプシマンウォッチをご紹介。
平成生まれのセブンティーズ
まずは見てご覧なさい。このスクエアなケースを、そして半透明の赤い風防を。そしてまばゆいセグメントそのものの輝きを。あー、70年代のエレキウォッチかしら……と思いきやそうじゃない。なぜってペプシマンの登場は1996年だから。そう、時は1998年。日本ペプシが販促キャンペーンのための景品として製作したものなのです。

ただの景品腕時計、思うことなかれ。この腕時計は当時ファッションウォッチ界をブイブイ言わせていたフォッシルが作ったものなのですから!
フォッシルというブランドを形容するならば、メタル製(プラスティック製でなく)ケースのズッシリが与える、満足感がウリだと思うのですが、見どころは魅力的なパッケージも含めてでしょう。
U・S・A! U・S・A!
フォッシルと言えばU・S・A!なデザイン! アメリカン・オールディーズ調のイラストをこれでもかとあしらった、グラフィカルなブリキ製化粧箱が特徴的。50年代頃のスウィートなアメリカン・ライフを思わせるこのノリは箱だけじゃありません。時計にも、当時のカタログにもこれでもかとた~っぷり。
時計そのものはもちろんだけど、こういうパッケージの「雰囲気」までひっくるめて買うのが、ファッションウォッチ華やかりし頃の楽しさだったんでしょうねえ。このあたり、フォッシルは結構上手で、ギフトパックのようなパッケージの時計も販売されておりました。グラフィックデザイン・過去の引用を駆使した遊び心、とでも言うべきでしょうか。
一度は死んだかLEDウォッチ
で、フォッシルは1997年頃にLEDウォッチを何モデルか発売したようなのです。お若い読者のためにエレキウォッチの歴史を荒っぽ~く説明をすると、70年代にやっとこさ出始めたデジタルウォッチの表示はLEDだったのです。液晶ではなく。
だもんで、針のない未来的な表示は大人気! だったのですが、LEDはボタンを押したときにしか時刻が表示されない、電池の消耗が激しい、といった欠点から、次第に勢いを増していった液晶表示に駆逐されお払い箱に……てな寸法です。
「でも、赤い光を放つLEDっていいじゃない!」ということなのかどうなのか、90年代頃からLEDウォッチの再評価が始まった様子。以上の経緯から、きっとフォッシルは90年代に復活させたということなのでしょう。なお、フォッシルは同一モジュールを搭載しつつ、異なるケースバリエーションのモデルを何種類か出したようでした。発表当初(おそらく)のシリーズ名は「2002」。発売時期からほんのちょっと先の近未来をシリーズ名にするの、ちょっとイケてますね。
ついでに補足しておくと、ペプシマンウォッチは2種類が発表されたようですが、そのうちのこのモデルはフォッシルのレギュラーモデルにはないケースデザインのようです。フォッシルのLEDウォッチには元ネタと思われる往年の名作LEDウォッチがあるようなのですが、このモデルの場合は何かあるのでしょうか? ちょっとだけ気なります。
押さなきゃ光らない。それがとても良い!

そんなフォッシル謹製のペプシマンウォッチ、70年代のLEDウォッチに範をとっているので、当然ボタンを押さなくっちゃ何も表示されません。下のボタンを押すとピカッと日付が表示され、上のボタンを押すとまたもやピカッと時刻を表示。もちろん表示されるのは押している間だけです。それでもいいじゃないですか、だって光るんだから!

ペプシマンよいずこへ
でですよ、そういやペプシマンっていつ頃までCMでやってたのかしらとWikipediaで調べたら、2000年頃に放送終了とのこと。あー、そりゃ若い人は知らないか。自分がそもそもこの時計の存在を知ったのも、ワールドフォトプレスの『コレクション mono』でだもんな。
というわけで、フォッシル(アメリカン・ライフをた~っぷりフレーバーでまぶした腕時計)とペプシマン(アメコミヒーロー感あふれるペプシコーラのキャラクター)が合体した、まさにアメリカの二乗、そして足しっぱなし! といった腕時計でした。ペプシマーン! シュワァァァァァッ。
※編注:ペプシマンは日本ペプシが企画したキャラクターで、アメリカでは展開されていませんでした。



