電子の王道カシオのおすすめ腕時計9選。特徴や選び方とともに解説

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2023.01.07

カシオの腕時計は洗練された機能性やデザイン性が魅力だ。日本人のライフスタイルや感性にもよくマッチする。カシオのエレクトロニクス技術を凝縮し、実用性も高いクォーツ式腕時計の魅力を探ってみよう。豊富なコレクションから厳選した9本を紹介する。

カシオ 腕時計


カシオの基礎知識

カシオといえば電卓や電子デバイス、時計ならG-SHOCKの知名度が高い。カシオは小型デバイスでエレクトロニクス技術を実用化する手腕に長けており、腕時計に関しても卓越した完成度を誇る。

カシオのおすすめ時計9選を見る前に、まずは電卓から腕時計へつながる歴史や、高度な技術力に裏付けられた魅力を見ていこう。

1974年に初の電子腕時計投入

樫尾忠雄・俊雄・和雄・幸雄の樫尾4兄弟

カシオ計算機を設立した樫尾忠雄・俊雄・和雄・幸雄の樫尾4兄弟。それぞれに異なる得意分野を持っていた4人は、忠雄が財務、俊雄が開発、和雄が営業、幸雄が生産と、役割を分担して協力し合い、強い結束力でカシオ計算機を発展させた。

1946年、樫尾忠雄が東京都三鷹市に樫尾製作所を設立した。歯車を使った機械式計算機が主流だった57年、世界初の小型純電気式計算機「14-A」を商品化し、同年、カシオ計算機株式会社が設立される。

1957年、樫尾4兄弟は次男の俊雄を中心に、世界初の小型純電気式計算機「14-A」を開発。同年、カシオ計算機株式会社を設立した。

65年には電子式卓上計算機(電卓)「001」、72年には世界初のパーソナル電卓「カシオミニ」を発売し、電子計算機業界で不動の地位を築いていった。

「カシオトロン QW02」

カシオが発売した初めての腕時計「カシオトロン QW02」。このモデルは「完全自動腕時計」という開発思想により、時・分・秒の表示だけでなく、大の月・小の月を自動的に判別する世界初のオートカレンダーを搭載していた。その後、閏年の2月29日まで自動判別を可能にしたフルオートカレンダーの腕時計も実現した。

74年にはクォーツ式デジタル腕時計「カシオトロン QW02」を発売し、時計業界に参入する。このモデルは大の月・小の月を自動判別する世界初のオートカレンダー機能を備えていた。

精度や耐久性が魅力

「DW-5000C」と「ペラ FS-10」

(左)ウレタンベゼルで時計本体のケースを包み込み、時計内部のモジュール(ムーブメント)や重要なパーツは緩衝材で保護するなどして外部からの衝撃を吸収し、さらにケースの中でモジュールを点で支えることによって衝撃を伝えにくくする中空構造を採用することで、驚異的な耐衝撃性を実現したG-SHOCKの初代「DW-5000C」。さまざまな悪条件下においても正確に作動する耐衝撃・耐振動を実現し、壊れにくい“タフ”な腕時計というまったく新しい価値を打ち立てた。20気圧防水という高い防水性能も兼ね備えていた。
(右)1985年3月に発売された超薄型デジタルウォッチ「ペラ FS-10」。

1983年には抜群にタフなデジタル腕時計「G-SHOCK DW-5000C」、85年には超薄型デジタル腕時計「ペラ FS-10」を発売し、ともに大ヒット商品となった。

カシオの腕時計には、電卓の製造技術に裏付けられた高度なテクノロジーが凝縮されており、その設計思想はスイス高級腕時計の文脈とは根本的に異なる。

「ウェーブセプター WVA-300」

2001年11月に発売された「ウェーブセプター WVA-300」。時刻情報を含んだ標準電波を受信することにより、自動的に時計の誤差を修正するソーラー電波ウォッチである。太陽電池によって発電し、それを充電することで電池切れの心配がなくなり、(充電池の劣化を除き)電池交換の手間が要らないという利便性を持つ。

2001年に発売した「ウェーブセプター WVA-300」は、太陽電池により動力を確保し、標準電波の受信により時刻を自動補正する電波時計だ。

電池交換も時刻合わせも不要なクォーツ式腕時計という、抜群のユーザビリティを実現するメカニズムが、カシオの腕時計の魅力と言えるだろう。


カシオの主なコレクション

カシオはクォーツ式腕時計の機能追加や洗練を追求しており、その道の旗手である。クォーツ式腕時計にとって不要な複雑機構は採用せず、コンセプトにもデザインにも迷いがない。

カシオが展開するブランドの中で、実用面で候補に挙がりやすい「G-SHOCK」「オシアナス」「エディフィス」「ウェーブセプター」の4ブランドを紹介しよう。

タフさが光る 「G-SHOCK」

スポーツ性能の高さをうたう腕時計は数多いが、ジャングルや砂漠など、陸の極地での使用を想定したモデルはごく少数であろう。

G-SHOCKでは、防じん・防泥構造かつ方位・気温・高度などを計測するセンサーを搭載しており、サバイバルシーンに最適なモデルをラインアップしている。水深や圧力まで測定するダイバーズウォッチもG-SHOCKならではだ。

ムーブメントを浮かせる中空構造の耐衝撃ケースや、15G以上の遠心重力を受けても正常動作する耐遠心重力性能、20Gまでの振動加速度に耐える耐振動構造まで備える。

優美さと先進性が共存する 「オシアナス」

オシアナス「OCW-500」

2004年11月に発売された「オシアナス」。その初代モデル「OCW-500」はフルメタルケースのソーラー電波ウォッチであった。

2004年に誕生したオシアナスは、ギリシャ神話の海神オケアノスに由来する名を持つ、優美なフォルムと先進的な機能性が共存するブランドだ。

初代モデルの「OCW-500」は、太陽電池から動力を得て電波時計の機能も持つ「電波ソーラー」であり、高精度なクォーツ式クロノグラフでもあった。

機能性の追求とともに、海をイメージしたオシアナスブルーは深みを増しており、ビジネスシーンでも活躍するスタイリッシュなモデルが豊富である。

スポーティーな機能美 「エディフィス」

2000年に誕生したエディフィスは、モータースポーツにインスパイアされた躍動感溢れるデザインや、多様なテクノロジーの組み合わせが魅力的なブランドだ。

外観はスポーティーかつ洗練されたデザインのアナログ腕時計だが、Bluetooth接続によるスマートフォンリンク機能や、磁気センサーによる方位測定機能など複数のエレクトロニクス技術を搭載している。

スポーティーでおしゃれというファッション性だけでなく、ユーザーのライフスタイルに配慮した機能美を備える点がユニークだ。

正確さに定評 「ウェーブセプター」

2001年に誕生したウェーブセプターは、一般的なクォーツ式腕時計を超える高精度と、太陽電池による動力の安定性が魅力的なブランドだ。

日本・北米・ヨーロッパ・中国などの標準電波を受信することにより時刻を自動修正するため、電波を受信できる限り、何年使用してもほとんど誤差を生じない。

搭載する「タフソーラー」システムは蛍光灯など照明器具の光でも充電可能なため、電池交換や充電の心配がない点も大きなメリットだ。