ドイツの女性首相アンゲラ・メルケルが選ぶ腕時計とは?/セレブウォッチ・ハンティング

LIFEセレブウォッチ・ハンティング
2020.05.22

一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブたちのワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、ドイツの女性首相アンゲラ・メルケルが選ぶ腕時計を紹介しよう!

アンゲラ・メルケル

アンゲラ・メルケル

Photograph by REUTERS/AFLO

 1954年、ハンブルク生まれのメルケル首相。2005年にドイツ初の女性首相として就任して以来、4度の再選を重ねる世界的な女性リーダーだ。このたびの新型コロナウイルス感染症対策においても大きな存在感を示した彼女は、実は若い頃は理論物理学の研究者だったという政治家には珍しいキャリアを持つ人物でもある。
 ドイツといえば、スイスに次ぐ時計生産国のひとつでもある国だ。そこで手腕を発揮するメルケル首相の手元にはどんな腕時計があるのだろうか?

ボッチア チタニウム

 この写真は、2020年3月11日に行われた記者会見で新型コロナ対策への方針を説明するメルケル首相の姿である。スクエアケースに黒い文字盤を備えた腕時計を見てみよう。これはドイツの新興メーカー「ボッチア チタニウム」の時計だ。


ボッチア チタニウム

ボッチア チタニウム

Ref.405-2。クォーツ(Cal.Miyota 1 L32)。チタンケース(縦27mm×横22mm)。レザーストラップ。発売当時の価格は1万円ほど。ボッチア チタニウムの時計は基本的にミヨタ製のクォーツムーブメントを搭載し、価格帯は2針もしくは3針モデルで1~2万円、クロノグラフモデルで3~4万円程度で展開している。

「ボッチア チタニウム」は1991年にドイツで生まれた。愛好家には、すべてのケース素材にチタニウムを採用する時計ブランドとして知られた存在だろう。チタンは軽量かつ耐久性に優れ、アレルギー反応を起こしにくいものである一方、難削材で加工が難しい素材でもある。これを自在に成形する技術で、同社は腕時計だけでなくチタン製の女性用ジュエリーも多く手掛けてきた。そのデザインコードを映すように、同社のレディスウォッチにはメルケル首相の着用モデル同様にシンプルでシックなものが多い。

 メルケル首相のファッションを見ると、写真のブルーの他にも原色の赤や、時にはエメラルドグリーンやマゼンタといった鮮やかなジャケットを着用することが多い。それらと合わせる腕時計にはほぼこのモデルが合わせられていた。首相に初当選した2005年から確認されており、少なくとも15年はこの時計を愛用し続けている。時計のデザインはシンプルゆえに幅広いシーンで使いやすく、かつブラックは明るいジャケットの色合いを引き締めてくれる色だ。購入時にはもしかしたら「自国のブランド」「適度に抑えた価格帯」を重視したかもしれないが、チタン素材のメリットとデザイン性が相まった使いやすさに手放せない存在となっているのだろう。
 余談だが、メルケル首相のショートヘアスタイルはドイツきっての有名美容師が就任前から手掛けているものだ。メルケル首相からの要望は「12時間後も乱れない髪型であること」だという。公務に集中する上で無駄となる時間と手間は最小限に抑えながらも、決して気品は崩すまいという姿勢が、時計や髪型からうかがえるようだ。


高井智世


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