ロジェ・デュブイ 堅実な設計を持つYOSHIDA限定ミニッツリピーター

FEATURE本誌記事
2020.08.11

ミニッツリピーターとフライングトゥールビヨンを持つCal.RD107。そんな同機を搭載する老舗時計店「YOSHIDA(ヨシダ)」の限定モデルは、ロジェ・デュブイのミニッツリピーターとして初めてのカーボンケースを採用した。

エクスカリバー スパイダー ミニッツリピーター ヨシダリミテッドエディション

Photographs by Masanori Yoshie
Text by Yuto Hosoda (Chronos-Japan)

ロジェ・デュブイ「エクスカリバー スパイダー ミニッツリピーター ヨシダリミテッドエディション」

 何かと繊細で扱いが難しいとされるミニッツリピーターで、最も故障の原因として挙げられるのはリピーター使用時の時刻修正だ。つまり、最も鐘の鳴る回数が多い12時59分に時分針を設定し、リピーターをスタートさせようとしたタイミングで時刻が1時に進んだのに気付かず作動させてしまい、間を置かずに慌てて針を動かしてしまうというものである。このリピーターオーナーが遭遇しがちな悲劇を回避すべく、3つの視覚的な対策を施しているのが、2019年に発表されたロジェ・デュブイのCal.RD107だ。ひとつ目は3時位置のリュウズポジションインジケーターで、リュウズが上げられている場合は「SETTING」(=時刻調整)、押し込まれている場合は「WINDING」(=巻き上げ)に枠が移動する。ふたつ目がプッシュ方式のリピーター作動ボタンが最後まで押し込まれ、リピーターが作動したかを矢印で表す8時位置の「オール オアナッシング」。最後にリピーターの鐘がどの時刻を鳴らしているのかを表示する11時位置の「HOURS」「QUARTERS」「MINUTES」ディスクだ。

エクスカリバー スパイダー ミニッツリピーター ヨシダリミテッドエディション

エクスカリバー スパイダー ミニッツリピーター ヨシダリミテッドエディション
視覚的な配慮によって実現した“壊さないリピーター”。6時位置にはフライングトゥールビヨンを搭載する。自動巻き(Cal.RD107)。54 石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。SMCカーボン( 直径47mm、14.5mm)。5気圧防水。世界限定1本。6170万円。

 腫れ物のように扱われがちなミニッツリピーターを安心して使用できるRD107。ぜひ実機を見たいところだが、現在のところ同機はいくつかのユニークピースのみにしか搭載されていない。では、日本ではその姿を拝むことができないのかというと、実は老舗時計店YOSHIDAとのコラボレーションモデル「エクスカリバー スパイダー ミニッツリピーター ヨシダリミテッドエディション」が採用しているのだ。本作は掲載モデルのほか、もう2型も2020年中に発売予定だが、いずれもユニークピースのため、購入希望の方は急がれたし。


Contact info: ロジェ・デュブイ ☎03-4461-8040


2020年 ロジェ・デュブイの新作時計 一覧

https://www.webchronos.net/2020-new-watches/45011/