新潟県燕市の先端技術が生むモダンなカトラリー「SUGATA」/コニサーズ・チョイス

LIFEIN THE LIFE
2022.01.11

カトラリーの聖地として有名な新潟県燕市。最先端の表面加工技術を反映させたカトラリーは、“箸”をイメージしたユニークなフォルムと使いやすい機能性を併せ持つ。ぜひこの冬の贈り物におすすめしたい。

倉野路凡:文 Text by Rohan Kurano
吉江正倫:写真 Photograph by Masanori Yoshie
[クロノス日本版 2022年1月号掲載記事]

futo「SUGATA」カトラリー

futo「SUGATA」カトラリー
ブラック、ホワイト、シルバーの3色だが、ブラックは塗装ではなく、極薄の酸化皮膜の厚さを緻密に変化させることで、光沢のあるブラックに見せている。サイズはラージとスモール。いずれのサイズもブラック、ホワイト、シルバーの3色が展開されている。ラージ/ナイフ220×20mm、スプーン190×36mm、フォーク200×24mm、(ブラック)各2750円(税込み)。スモール/スプーン140×30mm、フォーク145×18mm、(シルバーとホワイト)各2200円(税込み)。


“箸”をデザインの原点とするステンレス製カトラリー

 新潟県燕市は明治時代から続く金属洋食器の製造が盛んな街だ。現在、カトラリー市場の全国シェアの90%を誇り、世界でも有数のトップメーカーが名を連ねている。

 例えば1991年に開催されたノーベル賞90周年記念の晩餐会には、山崎金属工業のカトラリー「YAMACO」が選ばれている。さらに日本金属洋食器工業組合が製作した「おもてなしカトラリー」が、この夏に開催された東京オリンピック・パラリンピック選手村の食堂で採用されるなど、燕市のカトラリーは世界に誇れるまでに成長を遂げているのだ。このクラスのものになると上質のステンレス素材を使用し、仕上げがとにかく丁寧なものが多い。

 ステンレスではなく、シルバー製のカトラリーだとフランスのクリストフルやイギリスのマッピン&ウェッブ、銀座・和光のものが有名だが、価格も高額になり、定期的なお手入れも必要になってくる。日常使いとなるとやはりステンレス製の実用的なものがおすすめだろう。

 そこで今回は中野科学(燕市)がオリジナルブランド「As it is」で展開する「SUGATA」のステンレス製カトラリーを紹介したい。色はブラック、ホワイト、シルバーの3色展開で、ブラックは同社が究めた最先端の金属表面加工技術が活かされている。これは塗装ではなく、薄く透明な酸化皮膜を利用した技術で、金属の質感を失わず、耐候性、耐食性に優れている。

 ホワイトは特殊艶消しの表面処理を施したマット仕上げ。シルバーは光沢のあるミラー仕上げだ。「SUGATA」のデザインの源泉は、なんと箸! 箸が手になじむような設計が考えられている。直線を強調したモダンなフォルムは和モダンにも洋食器にも似合いそうだ。

「SUGATA」を取り扱っているのはスタイリスト河井真奈さんがプロデュースするギフト専門店「futo」。「もの」に込められたストーリーを大切にしているセレクトが評判だ。これからのクリスマスシーズンの贈り物にもおすすめできる逸品だ。



Contact info: futo https://futo.jp/


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