ショパール「L.U.C コレクション」25周年に奏でるサファイアクリスタルの響き

FEATURE本誌記事
2022.04.05
PR:Chopard

1996年発表のCal.L.U.C 1.96(現L.U.C 96.01-L)を搭載し、翌1997年からスタートしたショパールの「L.U.C コレクション」。その誕生25周年に際し、同社は超複雑時計の中でも別格とされるチャイミングウォッチ3部作を発表した。そのすべてに共通するのは、風防とモノブロック成形されたサファイアクリスタル製のゴング。独特な構成が生み出す品質の均一さと、音色の永続性は、近代時計史に刻まれた偉業のひとつだ。

L.U.C コレクション

ⒸFederal-Studio
鈴木裕之:取材・文 Text by Hiroyuki Suzuki
[クロノス日本版 2022年5月号掲載記事]


永遠に澄みわたるサファイアクリスタルの音色

 19世紀から続くショパールの歴史に大きな飛躍をもたらした中興の祖、ショイフレ家が経営権を引き継いでからすでに59年が過ぎたが、彼らはその半分近い年月をかけて、卓抜した自社製ムーブメントの創造に取り組んできた。最初の成果となったキャリバーL.U.C 1.96の完成とともに披露されたショパール マニュファクチュールの成立が1996年。そして今年は、自社製ムーブメントを搭載する「L.U.C コレクション」が誕生してから25周年にあたる。これを祝して発表されたチャイミングウォッチの3部作は、ショパールが到達したラグジュアリー・ウォッチメイキングの集大成だ。

L.U.C ストライク ワン

L.U.C ストライク ワン
2006年初出のプチソヌリをベースに、モノブロック成形のサファイアクリスタル/ゴングを盛り込んだ新作。自動巻き(Cal.L.U.C 96.32-L)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約65時間。18Kエシカルローズゴールド(直径40.0mm、厚さ9.86mm)。世界限定25本。予価792万円(税込み)。

L.U.C ストライク ワン

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1時位置にシングルハンマーを覗かせるシンプルな表情。12時下の小窓は、プチソヌリのオンオフ表示。ショパール ツインテクノロジー(二重香箱)を備えるため、アクティブ状態でも約65時間のパワーリザーブをキープする。ダイアルに施されたハニカムパターンは、19世紀に多く用いられたモチーフだ。

 1本目は、毎正時にチャイムを鳴らす「L.U.C ストライク ワン」。この卓抜したソヌリは2006年に発表されたが、今回の新作には、3部作すべてに共通するある改良が盛り込まれた。風防とゴングをモノブロック成形としたサファイアクリスタル/ゴングの採用だ。この機構の初出は16年のミニッツリピーター「L.U.C フル ストライク」だが、今回L.U.C ストライク ワンに採用するにあたり、ムーブメントの一部にも変更が加えられている。ソヌリのオンオフを制御するプッシャーが10時位置からリュウズ同軸へと移され、ゴングの高さに合わせてハンマー位置が若干下げられた結果、ケース全体の厚さは前作の11mmから9.86mmに絞り込まれた。

 L.U.Cらしさを象徴するマイクロローターは22Kエシカルゴールド製。ショパール ツインテクノロジー(二重香箱)を採用しているため、チャイミング機構がアクティブな状態でも約65時間のパワーリザーブを確保する。ルテニウムグレーにガルバニック処理されたダイアルに刻まれるハニカムパターンのギヨシェは、創業者であるルイ-ユリス・ショパールが好んで用いた、伝統的なモチーフだという。

L.U.C ストライク ワン

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最初のL.U.CムーブメントとなったCal.L.U.C 1.96から受け継がれる象徴的なマイクロローター。現行機では素材が22Kエシカルゴールド製に改められている。

L.U.C ストライク ワン

非常にコンパクトにまとめられたソヌリの時打ち機構。モノブロック成形のサファイアクリスタル製ゴングに合わせて、ハンマーの取り付け位置がやや下げられているほか、セレクターもリュウズ同軸配置になった。