外装良し、デザイン良し!「ティソ PRX」 のクロノグラフモデルはミドルレンジクロノの大本命?

FEATUREその他
2022.10.06

『クロノス日本版』の編集部員が話題モデルをインプレッションし、語り合う連載。今回は、編集長の広田雅将、副編集長の鈴木幸也、ほそやんこと細田雄人、そして新人の土井康希の4人で、ティソ「ティソ PRX オートマティック クロノグラフ」を好き勝手に論評する。

吉江正倫:写真 Photographs by Masanori Yoshie
阿形美子:文 Text by Yoshiko Agata
2022年10月6日公開記事

PRX オートマティック クロノグラフ

ティソ「ティソ PRX オートマティック クロノグラフ」
1970年代後半のモデルにルーツをもつティソ PRXに加わった自動巻きクロノグラフ。トランスパレントバックからCal.ETA 7753の改良ムーブメントであるCal.A05.H31を覗くことができる。自動巻き(Cal.A05 H31)。27石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。SS(直径42mm、厚さ14.5mm)。10気圧防水。24万2000円(税込み)。


ティソの“ラグスポ”にクロノグラフが登場

土井今年の3月頃に発表された自動巻きクロノグラフ「ティソ PRX オートマティック クロノグラフ」です。直径42mmケース、100m防水、ムーブメントはCal.ETA 7753を改良したCal.A05 H31。カム式な点は変わらないですけど、パワーリザーブは約60時間に延びています。

広田素晴らしい! 7750系の弱点だったパワーリザーブの短さが改善されているんですよね。

細田元々は42時間くらいですもんね。

鈴木それから、価格も自動巻きクロノグラフで7753ベースとしては破格に安いよね。

細田スウォッチ グループ以外なら、40万円は超えます。

土井PRXコレクションの中では高額ですが、このスペックにしては非常にお買い得です。

細田土井はPRX好きで、3針を2回買ってたよね?

鈴木メカを買ったんだっけ?

土井いえ、2回ともクォーツです。最初に40mmモデルを買って、一度手放してから35mmモデルを買いました。個人的な理由ですけど、ケース径が40mmだとラグが腕から飛び出た感じになってしまって。

広田今回のモデルはどうですか、PRXのマニアとして。

土井今回のモデルは42mm径なので、サイズは個人的にはめちゃくちゃデカかったです(笑)。腕に載せた時に、非常に存在感があります。

広田ただ結果としては、径を大きくして仕上げをバチバチに良くしているから見栄えはするようになりましたね。


ハカセも納得の外装クオリティ

PRX ブレスレット

従来モデルに増して面取りに注力したブレスレット。ヘッドとのバランスにはややマイナス意見があったものの、ジャストなフィッティングにより装着感の改善は可能。

広田ケースはもう本当に、意地で面を出した感じで。これは綺麗だなと思いました、正直。かなり、かなり、結構、仕上げはイイぞ、うん。

鈴木そうですね。満足度は高いと思うんですよ。クロノグラフで、24万2000円っていう価格で、仕上げも良くて。

土井自分の持っている35mmのクォーツとも比べてみたんですけど、特にブレスレットの面の仕上げが良くなって、ダレも少なくなってます。

鈴木実際に使ってきた土井が言うと説得力があるね。

広田うん、ケースとのマッチングは良くなりましたよね。ブレスレットは1コマ連結だけど、左右の遊びも結構適切で、仕上げをよく詰めたなって思います。現在の加工精度がフルに出たなっていう感じはしますね。

鈴木ただ、まだちょっとヘッドが重くて振られる感じはあると思います。

広田うーん。もう少しブレスレットが厚かったらヘッドとのバランスは良くなると思うけど、価格を考えたらこの薄さはやむを得ないでしょう。価格との兼ね合いですよね。

鈴木圧倒的にリーズナブルだからね。

広田ブレスレットのエンド部分を半コマで調整できるので、厳密なフィッティングをして腕にピッタリ沿わせれば、なかなか幸せな着用感を得られると思います。


ビジネスシーンでも通用する適切な厚さ

鈴木でも、ケースの厚さは気にならなかったな。シャツを着てもちゃんと収まったので。その点は良かったです。スーツを着ているサラリーマンでも使えますね。

土井厚さは14.54mmです。

広田15mmを切ったら全然普通に使えるよね。

鈴木ただ1点、バックルが両開きなのがちょっと残念だったかな。片開きの方が着脱しやすいし、安全面でも良いかと思うけど……。

細田薄くしたかったのかもしれないです。

鈴木実際、薄めには仕上がっているけど、着脱に慣れがいるね。

広田ブレスレットはインターチェンジャブル式だっけ?

細田アビエ式ではあります。

鈴木その意味では広義のインターチェンジャブルだけど、でもこれは爪を痛めるヤツだから、器具は使った方がいいと思います。

細田ストラップに換えたら、また違った印象で楽しめそうです。