空を翔る! 魅力あるパイロットウォッチのおすすめの種類とモデルを紹介

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2022.12.06

パイロットが身に着けているパイロットウォッチに憧れている人も多いのでは? でも実はパイロットウォッチには定義がない。ではパイロットウォッチとはどんな腕時計なのか? その特徴やおすすめのブランドも合わせて紹介していこう。


パイロットウォッチとは

パイロットウォッチと聞くと、どのような腕時計を思い浮かべるだろう。

クロノグラフのような機能がたくさん付いているものや、大きく見やすいものなどだろうか? やはり、パイロットが身に着ける高機能な腕時計だと思う人もいるだろう。

でも、実はそうではない。これがパイロットウォッチだ、と提示すれば、クロノグラフでなくても、視認性を欠いていても、その腕時計はパイロットウォッチだと言えるのだ。

パイロットウォッチには、ダイバーズウォッチにあるような国際標準化機構(International Organization for Standardization)の規格「ISO 6425 ダイバーズウォッチ」や、日本工業規格「JIS B 7023:2014 潜水用携帯時計−種類及び性能」 がない。特にパイロットウォッチは、こうあるべきという決まった定義がないのである。

パイロットウォッチの定義

パイロットウォッチは、パイロットの操縦をサポートするための腕時計と思われがちだが、そうではない。明確な定義がなく、これが「パイロットウォッチだ!」という決まりがないためだ。ただ、どの時計ブランドでも共通している機能が、ほとんどのパイロットウォッチと呼ばれている腕時計には付いている。

  • 気圧の変動に耐えられるような気密性の高いケース
  • 視認性のため夜光塗料が施された針とインデックスや、無反射コーティングが施されている風防

これらは、空で快適に使用するために必要な機能とも言える。

定義がないといっても、ドイツにはパイロットウォッチの規格がある。時計ブランド「ジン」が定めたTESTAF基準をベースに作られている「DIN8330」だ。

大きな基準は「クロノグラフ仕様」や「回転計算尺」「回転ベゼル」「高耐磁性能」の搭載だ。これらがあれば、パイロットが飛行機を操縦している際、もし計器が使えなくなったときに代用できる機能だからだ。


パイロットウォッチの特徴

パイロットウォッチには、地上ではなく空の上で使うためのさまざまな特徴がある。なかでも、どのモデルでも欠かせない特徴を紹介しよう。これらは、ドイツのパイロットウォッチの規格にも通じるものだ。

タフさが魅力

飛行機といっても旅客機ばかりではない。小型の飛行機や戦闘機なども飛行機だ。そのため、どんな飛行にも耐えられるタフな腕時計が必要なのだ。

例えば、温度や気圧の変化や、揺れ、重力、衝撃。どんなハプニングがあっても耐えられるタフさが必要だ。また飛行中に何があるか分からないため、簡単に壊れないように、帯磁性や防水性も重要となる。

そのため、パイロットウォッチは頑丈に作られているのだ。

暗闇でも見えるデザイン

飛行は昼間だけではなく、夜間にもある。そのため、ぱっと見ただけでも時計の針の位置が分かるよう数字やインデックスのデザインに工夫が必要だ。蓄光塗料を塗布してあれば、暗闇でも読めるだろう。

日中だと空の上では、強い日差しで反射が起きる場合がある。そのため反射防止機能もあれば安心だ。

飛行をサポートできる利便性

もし飛行中にトラブルがあった場合、普通の腕時計だと、ただ時間を見るだけになりうるが、パイロットウォッチだと、計器の代わりにパイロットのサポートが可能となる。その利便性を考えて、パイロットウォッチには回転ベゼルや航空用の回転計算尺が備わっているモデルが多い。


パイロットウォッチの種類

たくさんの時計ブランドからさまざまなパイロットウォッチが発売されている。中でも特徴あるブランドを紹介しよう。

ジン

ジンはドイツを代表する時計ブランド。創設者はドイツ空軍パイロットで飛行教官であったヘルムート・ジンだ。

ジンの腕時計はパイロットウォッチとして必須の機能性と耐久性を備えている。だがデザインはとてもシンプル。これは視認性と機能性を重視しているためだ。

ドイツといえば、パイロットウォッチの基準があるという点で、ほかの国とは少し違う。「TESTAF(パイロットウォッチのための技術基準)」と「DIN(ドイツ工業規格)8330 パイロットウォッチ」。このふたつの技術標準の策定にもジンは携わっているのだ。

ジンでは、自社ムーブメントの製造は行っていないが、ケースやムーブメントを保護する高い技術を有している。では、どんなモデルがあるか紹介しよう。

定番のモデルはコックピット・クロックのようなデザインの「インストゥルメント クロノグラフ」コレクションの「103.B.AUTO」だ。

ジン「103.B.AUTO」

ジン「103.B.AUTO」
自動巻き(Cal.Concepto C99001)。25石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。SSケース(直径41mm、厚さ15.5mm)。20気圧防水。耐磁性能4800A/m(DIN8309準拠)。41万8000円(税込み)。(問)ホッタTel.03-5148-2174

機能性を重要視したベーシックなパイロットクロノグラフである。12時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、3時位置にデイデイト表示を備え、強化アクリル製風防を装備している。

ベル&ロス

パイロットウォッチにコックピット・クロックを見事に体現するなど、航空機をモチーフにしたモデルを発表している時計ブランドが「ベル&ロス」だ。

特にデザインが航空機の計器のようで、1994年に最初のコレクションである「ベル&ロス by ジン」を発表後、ファンから注目を集めている。

ベル&ロス「BR 03-93 GMT」

ベル&ロス「BR 03-93 GMT」
自動巻き(BR-CAL.303)。21石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。SSケース(縦42×横42mm)。100m防水。49万5000円(税込み)。(問)ベル&ロス 銀座ブティックTel.03-6264-3989

「BR 01」は、コックピット計器をモチーフに開発されている。コックピットに搭載されたクロックを、身に着けられるような感覚だ。視認性が良く、防水機能を搭載、傷がつきにくい素材も採用している。ただ、サイズが縦46×横46mmと大きめだ。その大きさも、コックピット搭載のようだと話題になった。

ベル&ロスのパイロットウォッチ最新作は「BR 03-93 GMT」だ。この時計を見たときに目を引くのは、針の先端だろう。三角の赤い先端は、視認性に優れ、日中、夜、どんなときでも読みとれる。また機能性として、3つの時間帯を表示可能。100mの防水機能もあるパイロットウォッチだ。

ブライトリング

ブライトリングのパイロットウォッチは、2022年現在、約70年の歴史がある。

公式サイトでパイロットウォッチを調べると、さまざまな種類があり、一度に全部は見きれないほどだ。

ブライトリングのパイロットウォッチのアイコンとも言えるモデルが「ナビタイマー」である。ナビタイマーは国際オーナーパイロット協会(AOPA)の公式タイムピースのデザインでもあり、事実上のパイロットウォッチとして多くの時計愛好家に認識されている。

またナビタイマーは1962年に宇宙へも進出しているのだ。

現在注目されているナビタイマーは「ナビタイマー B01 クロノグラフ」だ。

ブライトリング「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43」

ブライトリング「ナビタイマー B01 クロノグラフ 43」
自動巻き(Cal.01)。47石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SSケース(直径43.0 mm、厚さ13.6mm)。3気圧防水。107万2500円(税込み)。(問)ブライトリング・ジャパンTel.0120-105-707

パワーリザーブは約70時間、日付変更が可能で、回転計算尺が装備されている。サイズや色、ケース素材、ストラップのバリエーションがあり、選択肢が広がっている。自分好みのパイロットウォッチを探したい場合は、ブライトリングで探してみると良いだろう。