シチズン×スター・ウォーズのコラボ作、“ツノクロノ“の復刻限定モデルをレビュー

FEATUREインプレッション
2023.04.18

今回インプレッションを行うのは、シチズンがスター・ウォーズとコラボした「ツノクロノ スター・ウォーズ限定モデル」だ。本作はC-3POをモチーフとしたデザインで、キャラ時計としても高く評価できるモノだった。

クロノグラフチャレンジタイマー

Photograph by Yuto Hosoda
シチズン「ツノクロノ スター・ウォーズ限定モデル Ref.AN3662-51W」
クォーツ。SSケース(直径38mm、厚さ11.7mm)。5気圧防水。世界限定600本。3万5200円(税込み)。
沼本有佳子:文・写真
Text & Photographs by Yukaco Numamoto
2023年4月18日掲載記事


キャラ時計における匙加減の正解とは

 編集部からレビューを行うにあたって、どんな時計が好みかと参考までに聞かせてほしいと言われた。私はしばらく考えてから、ボーイズサイズの時計が好きだということをお伝えした。

 時計を好きになった高校生の頃から女がちょっと大きめの時計を着けているのがカッコいいと思っていて、その考えは今でも変わっていない。

クロノグラフチャレンジタイマー

 どんな時計が届くのかまったくわからなかったので、箱を開けるときは緊張感と楽しみを同時に感じる。入っていたのは“ツノクロノ”の愛称で親しまれる「クロノグラフチャレンジタイマー」のデザインを復刻した、スター・ウォーズデザインの限定モデルだった。

クロノグラフチャレンジタイマー

中央の秒針はクロノグラフの秒針で、サブダイアルが通常時の秒針となる。サブダイアルには夜光塗料が塗布してあるため、暗闇でC-3POの目が光る仕様だ。

 カ、カワイイ……という心の声が洩れてしまった。聞けば、コレは編集部細田氏の私物だそうだ。彼はいつもちょっと変わった時計を着用している。そういえば細田氏は時計をいくつぐらい持っているのだろう? と思いながら手首に乗せてみた。

 ダイアル部分のサイズ感はちょうどいいし、スター・ウォーズに登場する人気ドロイドである「C-3PO」の顔をモチーフにしていることがファンであればひと目でわかるし、この存在感であれば大してファンでない人でもよく見ればわかるだろう。

クロノグラフチャレンジタイマー

室内照明の下ではさらにC-3POの色味が増す。

 この手のキャラクターモチーフの時計というのは匙加減がとても重要だと感じる。いわゆる“推しキャラ”のカラーをアクセントカラーにしたデザインぐらいだとファンは物足りないことがあるのだ。

 ビジネススタイルに合わせる前提であればそういうデザインが喜ばれることもあるだろうし、裏蓋にコッソリ刻まれたキャラクターにコッソリ微笑むこともできるかもしれない。しかし、それでは少し物足りない。ファンとはそういうものだ。特にスター・ウォーズにはコアなファンが世界中に存在する。この時計は、どっちにも振れるいい塩梅のキャラ加減であるのではないだろうか。

クロノグラフチャレンジタイマー

カタツムリの触覚や昆虫の触覚を想起させるデザイン。

 ツノクロノ、と呼ばれるだけあって12時位置のリュウズと左右に配置されたプッシュボタンの存在感は抜群だ。ストップウォッチの配置ではこのスタイルが当たり前のようにデザインされているが、腕時計になるだけでこんなにも新鮮な印象になるのはおもしろい。ヘアライン仕上げのケースとブレスレット部分は上品で思わず触れてみたくなる雰囲気を醸し出している。

 結果的に、借り物であるにも関わらず触り倒すことになったのだが……


ブレスレット部分の仕組みを理解するのに1時間

クロノグラフチャレンジタイマー

Photograph by Yuto Hosoda
細田氏のコレクションの一部から。きちんと10時10分に合わせられている。私も今度から撮影するときは時刻調整をしよう

 細田氏によると「ブレスレットの長さは工具レスでかんたんに調整できるのでやってみてください」ということだった。かんたんに調整できるのであればやってみよう。何より、着けて出かけたい。

 そういう気持ちで喫茶店の席を陣取ってブレスレット部分の調整に取り掛かった。こういう作業を行うときは、カフェではなく喫茶店に行くようにしている。新聞を読んでいるおじいさんの横で、無になってブレスレットを触ってみた。

 いよいよブレスレットの調整にかかる。もっとかんたんにできると思っていたが、説明書なしではどうにもわからなかった。借り物なので絶対に壊してはいけないという気持ちもあり、力任せで作業することは絶対にダメだ。

気付いたら30分経過していた。思った以上に難しいと早々に諦め、シチズンの同タイプのブレスレット調整動画を検索することにした。動画というのは視覚に同時に何種類もの情報を的確に訴えかけてくれる。とても分かりやすい。もう、完全に分かった、という気持ちになったので再び調整に戻った。

クロノグラフチャレンジタイマー

異星感を出したいと思って、持ってきたハンバーガーのかたちのポーチの底面に乗せてみる。さすがに本物のパンの上に借り物の時計を乗せたわけではない。余談だが、このポーチは時計を運ぶ際に便利なのでよく使っている。バーガーの上半分と下半分に1本ずつ入れられる構造になっている。

 仕組みを理解し、調整がスムーズに行えるようになるまで、結局1時間がかかった。本来であればもっと早く習得できるはずであるが、腕部分が安定せず、バランスをとるコツをつかむまで時間がかかった。そして、動画にもっと早い段階で頼っていたらこんなに時間はかからなかったはずだ。

 調整の方法は理解できたので今度は微調整を行う。今の時点では指が2本入るぐらい余っているのでアクセサリー感覚で着けるわけでなければ、もう少しサイズ調整を行いたい。さすがに長居しすぎたので、自宅に帰って気を取り直してやり直すことにした。

クロノグラフチャレンジタイマー

まず、手首にかける。金具部分は自在に動く。この場所選びが肝だ。
クロノグラフチャレンジタイマー

続いて、細いバー部分に反対側のブレスレット部分をかける。
クロノグラフチャレンジタイマー

上部分の蓋を押さえて閉める。けっこうな力が必要だ。
クロノグラフチャレンジタイマー

下部分の蓋を押さえて閉める。この時も強めに押さえる

クロノグラフチャレンジタイマー

上部分の蓋を閉める。

 微調整をすることができるようになった。コツが必要ではあったが、だいたいの場所さえ掴めば好みの位置でブレスレットを止めることができる。どの時計でも言えることだが、ストラップやブレスレットに違和感があると気になる。新品のレザーストラップの馴染んでいない時や、ブレスレットのコマ数が合っていない時の感覚だ。

 しかし、C-3POツノグラフ「クロノグラフチャレンジタイマー」はもはや自分のもののようにピタリと調整することができるようになった。この、ちょうどいいところに調整できるようになるまでの過程と達成感も含めて、愛着が湧いてくる。

クロノグラフチャレンジタイマー

調整のコツを掴んだので裏蓋をやっと落ち着いて眺められる余裕ができた。

 ゴールドカラーベースのダイアルに同色の時分針なので視認性はどうかと思ったが、実際に使ってみると立体的な作りになっているためか、思った以上に遠目でも正確に時間を確認することができた。世界観を重視したデザインと時計の実用性が両立され、ツノクロノの独自性も良いアクセントになっている。また、スペシャルボックスに入れられた仕様なのでシリーズでそろえるコレクターも存在しそうだ。

クロノグラフチャレンジタイマー

基本的にはやはり男性用を想定しているようで、ちょうどいいところまで調整するとブレスレットの余り部分がこのように飛び出てしまう。

 操作の間は時計の側面に手が触れるが、この時にある程度厚みと丸みがあるため操作がしやすいように感じた。クロノグラフ機能を楽しむ際にこの触り心地は6時位置に親指を添えて人差し指で操作するとより強く感じることができるので「クロノグラフチャレンジタイマー」の購入を検討されている方にはぜひ試していただきたい。

クロノグラフチャレンジタイマー

ちょうどいい長さに調整することができたので快適だ。

 ちなみに、スター・ウォーズのモデルは全部で5型あり、キャラ時計として特にイイのは個人的にはC-3POとダース・モールだと思う。

クロノグラフチャレンジタイマー

Photograph by Yuto Hosoda
プッシュボタンを押したときの感覚やリュウズの引き具合は手に収まりやすく、操作もしやすい。左のプッシュボタンで中央のクロノグラフ針が動きだし、右を押すと0に戻る。



Contact info: シチズンお客様時計相談室 Tel.0120-78-4807


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