2025年、ウブロのコレクション「ビッグ・バン」が、誕生から20周年を迎える。この節目の年に同ブランドは、初代モデルをよみがえらせた。オリジナルデザインと「ウニコ」を融合させたその新作腕時計を、『クロノス日本版』のエディター、鈴木裕之が深掘りする。
Text by Hiroyuki Suzuki
[2025年4月21日公開記事]
「ビッグ・バン」20周年を祝う「ビッグ・バン 20th アニバーサリー」
ウブロ大躍進の契機となった「ビッグ・バン」の登場から20年。それを祝う記念限定モデル「ビッグ・バン 20th アニバーサリー」は、言わば“オリジナルデザイン”と自社製クロノグラフである“ウニコ”のフュージョンだ。
ラインナップされるのは「チタニウム セラミック」「キングゴールド セラミック」、セラミック外装の「レッドマジック」、これも来年がアニバーサリーとなる「オールブラック」、そして「フルマジックゴールド」の5種。それぞれに限定本数は異なるが、5本すべてをパッケージングした限定セットはウォッチズ&ワンダーズの会期中に完売してしまったと言うから、改めてビッグ・バンの瞬発力を思い知らされる。

自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。Ti+ブラックセラミックケース(直径43mm)。100m防水。世界限定500本。284万9000円(税込み)。

自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kキングゴールド+ブラックセラミックケース(直径43mm)。100m防水。世界限定250本。526万9000円(税込み)。

自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。レッドセラミックケース(直径43mm)。100m防水。世界限定100本。435万6000円(税込み)。

自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。ブラックセラミックケース(直径43mm)。100m防水。世界限定500本。345万4000円(税込み)。

自動巻き(Cal.HUB1280)。43石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。18Kマジックゴールドケース(直径43mm)。100m防水。世界限定100本。556万6000円(税込み)。
「ウニコ」搭載機にはなかった仕様
気になるスタイリングは先にも述べたように、ウニコ搭載を前提に、「ビッグ・バン オリジナル(今でも現行モデルだ)」の外装をリデザインしたもの。従来のウニコ搭載機には見られなかった、カーボンエフェクトのクローズドダイアルがかえって斬新に映る。
5本中の4本に搭載されるセラミックベゼルには、オリジナルと同様のチェッカーパターンが加えられ(もう1本のマジックゴールド素材でもデザインは同じ)、プッシャーもオリジナルに倣ってスクエアシェイプに改められた。しかし滑り止めのチェッカーパターンは、オリジナルが水平垂直に直交するのに対し、アニバーサリーモデルでは斜めのパターンを採用。このデザインはストラクチャードラバーストラップにも踏襲され、20周年を祝うアイコンのひとつになっているようだ。

個人的“推し”は「チタニウム セラミック」と「キングゴールド セラミック」
個人的なお気に入りは「チタニウム セラミック」と「キングゴールド セラミック」の2本で、それぞれオリジナルに用いらていれたスティール素材をチタン、18KRGを18Kキングゴールドへとバージョンアップさせている。
オリジナルの登場から20年の時を経て、同じコンセプトを踏襲しながらマテリアルを現代風にアップデートした、という雰囲気が良いのだ。
オリジナルからの細かな変更点は多数にのぼり、例えばストラップの裏側(クイックリリースのクリップ付近)には、オリジナルには存在しなかった窪みが加えられている。これは汗などによるラバーの張り付きを抑制するための工夫で、全体的な使いやすさの面でもオリジナルを凌駕している。今年の新作5本は、20周年仕様のローターを備えた特別性のウニコを搭載しているが、これを外してパーマネントコレクションに加えてほしいほどの完成度だ。
気になる発売予定時期は4月。デリバリー=即完売が予想されるアイテムだけに、気になる向きには早めのチェックを望みたい。