1960年代のデザインを現代にアップデートさせた「プレザージュ スタイル60’s」に、パステルトーンの新色が登場した。ミッドセンチュリー(昭和)の空気を思わせるパステルトーンと、実用性を兼ね備えたレトロな意匠が、ヴィンテージファンはもちろん、デイリーユースの腕時計を探す新たな層にも訴求する1本だ。

自動巻き(Cal. 4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ12.0mm)。5気圧防水。7万3700円(税込み)。2025年5月23日発売
「クラウン クロノグラフ」調デザインモデルにパステルカラーが追加
セイコーは、1960年代の雰囲気を醸し出す「プレザージュ スタイル60’s」に3つの新作モデルを追加し、コレクションを拡充する。プレザージュ スタイル60’sは、1960年代という象徴的な時代にインスピレーションを得つつも、時代を超えたデザイン、柔らかな色調、メタリックなアクセントを融合させることで、現代的な表情を見せている。
時計界で大きな躍進が見られた1960年代
1960年代は、社会的・文化的・技術的に変革の時代であった。時計業界においても、それは革新と大ぶりなデザインが花開いた時期であり、特に機械式時計やクロノグラフが隆盛を極めた。
ロレックス、オメガ、ホイヤーといった名だたるブランドは、アイコンとなるモデルが次々と生まれ、その地位を確立していった。1957年に誕生したオメガ「スピードマスター」は1969年の月面着陸で着用されたことでその地位を確かなものにした。加えて、自動巻きクロノグラフの初開発競争などが代表例として挙げられるだろう。ちなみに、この競争においてセイコーも重要な役割を果たしている。
日本初のクロノグラフウォッチ「クラウン クロノグラフ」
セイコーは、この時代に画期的な技術と、手頃な価格の腕時計で革新をもたらした。1964年、同社は東京オリンピックに合わせて、日本初のクロノグラフ機能付き腕時計「クラウン クロノグラフ」を発表。同大会の公式タイムキーパーも務めた。
クラウン クロノグラフは、当時の一般的な他社製クロノグラフとは一線を画すデザインで、サブダイアルを採用せずに、中央に配されたクロノグラフ秒針と両方向回転ベゼルを用いて経過時間を測定する。スモールセコンドが搭載されていないため、クロノグラフであるにもかかわらず、3針時計としての端正なスタイルを維持していたモデルだ。
「クラウン クロノグラフ」にオマージュを捧げた「プレザージュ スタイル60’s」に新色登場
今回発表された「プレザージュ スタイル60’s」の新作は、この名作の意匠を現代に再解釈したものだ。緩やかにカーブしたベゼル、面取り加工されたインデックス、剣型の大胆な形状の針など、クラウン クロノグラフに対するオマージュが随所に見られる。加えて、6時位置には日付表示が配置され、ダイアルに対称性をもたらしているのだ。なお、このモデルはクロノグラフモデルではなく3針モデルである。

自動巻き(Cal. 4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ12.0mm)。5気圧防水。7万3700円(税込み)。2025年5月23日発売
ダイアルはドーム型のハードレックスガラスで覆われ、色調は1960年代のファッションやインテリアに見られた柔らかなパステルカラーを想起させる。アイスグリーンのRef.SARY265、シルバーバイオレットのRef.SARY267、ゴールデンイエローのRef.SARY269の3色展開で、レトロな雰囲気に洗練された現代的ニュアンスを添えたものだ。
3モデルともケースはステンレススティール製で、直径39.5mm、高さ12mm。5気圧防水性能を備え、裏蓋はトランスパレント仕様。ムーブメントは自社製自動巻きムーブメントCal.4R35で、約41時間のパワーリザーブと秒針停止機能を有する。

自動巻き(Cal. 4R35)。23石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ12.0mm)。5気圧防水。7万3700円(税込み)。2025年5月23日発売
Ref.SARY265とRef.SARY267にはステンレススティール製ブレスレットが装着されており、Ref.SARY269にはレザー製ストラップが付属する。