ヒョウ柄でレインボーなスウォッチ、2025年のロカルノ国際映画祭を記念して登場

FEATUREWatchTime
2025.08.27

スイス・ロカルノ国際映画祭にあわせ、スウォッチが第78回公式限定モデル「LOCARNO78」を発表した。映画祭の象徴であるヒョウをモチーフに、写真家ヴォルフガング・ティルマンスのポスターデザインをベースに制作。虹色に輝くホログラフィックな表現など、独自のディテールも魅力となっている。

「LOCARNO78

2025年ロカルノ映画祭記念スウォッチはただものではない

 ロカルノ国際映画祭を2017年からサポートするスウォッチは、毎年この映画祭のシンボルであるヒョウ、すなわちレオパードをイメージした記念モデルをほぼ毎年発表してきた。しかしながら、2025年に発表された腕時計は記念モデルではない、特別な存在だ。

 まずはそのデザイン。今年のロカルノ国際映画祭のポスターデザインは、現代美術分野で高い評価を得ている写真家、ヴォルフガング・ティルマンスが手掛けている。かつて自身が撮影したヒョウと、ヒョウ柄のファーの写真を組み合わせたこのポスターは、まるでゆらめく虹のように色がずれており、ホログラフィックな印象を与える作品である。

「LOCARNO78

スウォッチ「LOCARNO78」Ref.SO29Z402
クォーツ。バイオ由来素材ケース(直径41.00mm、厚さ9.85mm)。3気圧防水。 1万8150円(税込み)。

 スウォッチはこのポスターのエッセンスを腕時計に落とし込み、2025年の記念モデルである「LOCARNO78」を発表。ささやかなドットインデックスが施された文字盤は、もちろんヒョウ柄。

 さらに、風防にはスウォッチの一部モデルに採用されるソーラースペクトラム効果を施した。この効果は風防に偏光コーティングを施すことで、見る角度によって虹色に変化させるものであり、ポスターの色分解されたかのような表現に実に適している。

「LOCARNO78

ホログラフィックなストラップは、水彩のにじみを思わせるレオパードモチーフ。遊革には映画祭の名前をあしらう。化粧箱もホログラフィックなものが付属する。

 また、ストラップ部分はホログラフィックでありながら、水彩画のような印象を覚えるヒョウの毛皮のイメージで覆われたものだ。「LOCARNO78」という映画祭名が印された黄色い遊革は、この腕時計のアクセントとなっている。

 なお、ケースおよび尾錠はブラッククリアカラーのバイオ由来素材のものであり、スウォッチのサステナビリティを意識した姿勢が見て取れるだろう。


スウォッチ・ピットストップ。映画と時計を体験する場所

 スウォッチは映画祭の会場内に、この腕時計の販売ショップ、スウォッチ・ピットストップを設置した。外観はガソリンスタンドを模したもので、数多くの名作映画でガソリンスタンドは物語の重要な転換点になるためにモチーフとして採用したそうだ。なお、映画祭の開催期間は8月6日から8月16日までのため、開催は終了している。

 腕時計の購入に加え、スウォッチが運営する上海のアーティスト・イン・レジデンス、「スウォッチ・アート・ピース・ホテル」に滞在した現代美術家の作品にも触れることができた。

「LOCARNO78

上海のスウォッチ・アート・ピース・ホテル滞在経験をもつアーティストの作品を展示。

 今回展示されるのは、このアーティスト・イン・レジデンスに滞在経験のある、フアン・パブロ・チペ、雷磊、フィリップ・オルテリの3人だ。

フアン・パブロ・チペ

フアン・パブロ・チペの作品

メキシコ出身のアーティスト。ポップアート的発想で日用品を彫刻やファッションに再構築する作風で知られる。リサイクル素材を駆使し、実用性と芸術性を融合させた作品を発表している。

 フアン・パブロ・チペはビスケット缶と卵パックを組み合わせ、リサイクル素材でつくり上げたポップアートを発表した。ファッションと彫刻のあいだを行き来するユニークなオブジェだ。

雷磊

雷磊の作品

1985年、中国江西省南昌生まれ。アニメーション作家であり、清華大学美術学院で学ぶ。オタワ国際アニメーションフェスティバルで受賞するなど国際的に高い評価を受け、中国映像表現の新しい潮流を示している。

 雷磊は、関与するプロジェクト北京银矿が収集した、長きにわたる中国の日常を記録した白黒ネガに手彩色を施し、時を超えた存在感を与える。

フィリップ・オルテリ

フィリップ・オルテリの作品

1991年、スイス・ベルン生まれ。映像や彫刻を通じて日常的な文化や社会の構造を探求する。クィアの歴史やアーカイブの再構築を主題とする作品を制作し、欧州各地で発表。

 フィリップ・オルテリの作品は、飲料缶を素材にした色鮮やかな彫刻だ。ユーモア、消費批評、そして詩的な感覚を同時に表現である。


会場へ向かう旅路から映画祭は始まる

カラフルで可愛らしい自動車だ。

 さらに例年同様、特別デザインのスウォッチ車両が映画ファンを駅や港から会場へと送り届ける。スクリーンに映像が映し出される前から、すでに映画祭の高揚感を体験できるこのシャトルサービスは、ロカルノの夏を象徴する一部となっている。



Contact info:スウォッチ グループ ジャパン Tel.0570-004-007


腕時計とアート、コラボレーションの歴史を振り返ってみよう

FEATURES

装って街に出たいカラフルなダイバーズウォッチ ランキング10


2024年に発表された「ムーンスウォッチ」を、『ウォッチタイム』ドイツ版編集長のランキングで振り返ろう

FEATURES