喧騒あふれるメインストリートから一歩足を踏み入れると、そこには贅沢な高級腕時計の世界が広がる。日本の美意識を追求してきたグランドセイコーが、京都に新しい“日本のラグジュアリー”を創造した。
Edited & Text by Chieko Tsuruoka (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2025年11月号掲載記事]
「グランドセイコーブティック 京都」がオープン

2025年7月26日に移転オープンした、グランドセイコーブティック 京都。四条通に面したエントランスおよび富小路通に面した壁面がガラス張りで、外からも中の様子が見えるほど開放感がある。グランドセイコーブティックのためにつくられたアロマがほのかに香るのが良い。なお、1階は店舗スペース、2階は応接ルームおよびラウンジとなる。
観光客や買い物客で賑わう京都・四条通に面したガラス張りの建物。2025年7月26日、移転オープンした「グランドセイコーブティック 京都」だ。
入店して驚かされるのが、贅沢な空間の使い方だ。広々とした店内に、腕時計を並べた什器のひとつひとつが、一定の距離を保って配置されている。取材時、これらの什器に並べられていた腕時計は、約130本。同ブランドの国内ブティックの中では最高峰の陳列数だという。それだけのモデルが収められる什器を、必要な数だけ、しかもスペースを保ちながら配置できるのは、1階の店舗、2階のラウンジと合わせて約274㎡と、グランドセイコーブティックの中では世界第2位の店舗面積を有しているがゆえだ。
この広さだけで十分贅沢だが、隣接する建物がない側の壁がガラス張りのため、明るく、開放感のある店内も実現した。スタッフは「隣に建物がないからこその開放感。入り口以外にもガラス張りの壁があるというのは、国内のブティックではあまりないでしょう」と誇る。

このブティックは、グランドセイコーが哲学とする「THE NATUER OFTIME」、つまり、日本人が大切にしてきた、時とともに移ろう自然が表現されている。例えば白い漆喰調や温かな木目調の内装、あるいは京都という立地に、その哲学が表れているのだ。加えて、この空間は日本の「間」の美を表現してもいる。無駄なスペースではなく、計算されたうえでつくられた余白は、まるで日本庭園の枯山水のようだ。
グランドセイコーブティック 京都は、ただ「京都にできた、広い高級腕時計店」ではない。日本の感性や精神性に向き合ってきたブランドが創造する、〝日本のラグジュアリーな世界〞なのだ。
店舗情報
グランドセイコーブティック 京都
住所:京都市下京区四条通麩屋町西入立売東町21-1 源吉兆庵京都四条ビル
電話番号:075-354-5120
営業時間:11:00~19:00(不定休)



