腕時計はストラップも楽しもう! デザインや素材使いがオシャレなモデル5選

FEATUREその他
2025.11.27

ストラップ使いが秀逸なモデルを5本紹介する。さまざまな素材やカラー、形状が存在するストラップは、腕時計の魅力を引き出したり、新たな一面を発見したりすることのできるアイテムだ。これらのモデルを参考にしつつ、奥深いストラップの世界に足を踏み入れてみよう。

野島翼:文
Text by Tsubasa Nojima
[2025年11月27日公開記事]


コーディネート力が光る5つの腕時計から、ストラップの魅力を再考する

 腕時計を引き立てる影の主役、それがストラップだ。一部の特殊なラグ形状を持つモデルを除き、多くの時計はストラップを交換することが可能であり、その組み合わせによって腕時計の魅力を何倍にも引き出すことができる。

 素材は、レザーやラバー、ファブリックなど多岐にわたり、ブランド純正だけではなく、ストラップ専門メーカーの手掛けるサードパーティーにも魅力的な製品が存在する。より理想的な組み合わせを求め、オーダーメイドで製作することも可能だ。昨今では、バネ棒外しを使うことなくケースから脱着することができるインターチェンジャブル式のストラップも増えている。ストラップ交換は腕時計を傷付けるリスクがつきものであったが、インターチェンジャブル式ストラップの普及によって、より手軽に交換できるようになったことも喜ばしい。

工具不要で簡単にストラップが交換可能なインターチェンジャブル式は、近年さまざまなメーカーが採用している。写真は2025年に発表された、ヴァシュロン・コンスタンタンの「オーヴァーシーズ・エクストラフラット・パーペチュアルカレンダー」Ref.4300V/220G-H151。自動巻き(Cal.1120 QP/1)。36石。1万9800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KWGケース(直径41.5mm、厚さ8.1mm)。5気圧防水。要価格問い合わせ。

 今回は、思わず唸ってしまうような秀逸なストラップの組み合わせの腕時計を5本紹介する。これらを手にして、それぞれのテーマや出自にマッチしたストラップ使いの魅力を堪能するもよし、またはこれらにヒントを得て、自分のストラップ選びに生かすもよし。プレーンなデザインのブラックやブラウンの定番色ストラップも便利だが、そこから一歩を踏み出すことで、新たな世界が見えてくるはずだ。

 なお、ストラップを変更する際は、ラグ幅が合っているかどうかはもちろん、厚みのバランスやバックル幅にも気を配ると良いだろう。素材や艶感、剣先の形状によっても見え方は大きく変わる。さまざまな組み合わせを試して、さらに腕時計の世界を楽しんでいただきたい。


オメガ「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン」Ref.310.92.44.50.06.002

オメガ スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン

オメガ「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン」Ref.310.92.44.50.06.002
グレーのセラミックスケースをはじめ、外装をオールグレーで仕上げたモデル。ラバーストラップの裏側には、月面をモチーフとしたパターンが施されている。手巻き(Cal.3869)。26石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約50時間。セラミックスケース(直径44.25mm、厚さ12.97mm)。50m防水。232万1000円(税込み)。

 2025年に発表された、オメガ「スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン」の新たなバリエーションモデルのひとつ。月の裏側をモチーフとしたダーク サイド オブ ザ ムーンのデザインをそのままに、全体をグレーカラーでまとめ上げている。

 ダイアルに施されているのは、レーザー加工による月の表側のパターン。一部をオープンワークとすることで、内部のクロノグラフ用レバーを鑑賞することができる。シースルーバックからは、月の裏側のパターンをレーザー加工したムーブメントを眺めることが可能だ。

オメガ スピードマスター ダーク サイド オブ ザ ムーン

一見するとグレーのラバーストラップ。しかし裏面をのぞくと、“ダーク サイド オブ ザ ムーン”らしい世界観にあふれている。

 月をモチーフとしたパターンは、ラバーストラップの裏面にもあしらわれている。普段は見えない部分だが、手首から外してムーブメントを鑑賞する際に一緒にストラップも楽しむことができるという、なんとも粋なデザインが魅力だ。昨今、ラバーストラップを組み合わせたスピードマスターが多くラインナップするようになったが、本作は複雑な成形をしやすいラバーストラップの特徴を生かした好例と言えるだろう。


ブライトリング「トップタイムB31」Ref.AB3113171L1X1

ブライトリング「トップタイムB31」Ref.AB3113171L1X1

ブライトリング「トップタイムB31」Ref.AB3113171L1X1
コンパクトなケースに自社製3針ムーブメントを搭載した、「トップタイム」の新作。レトロ感の漂うグリーンダイアルに調和した、カーフレザーストラップを組み合わせている。自動巻き(Cal.ブライトリング31)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約78時間。SSケース(直径38mm)。10気圧防水。81万9500円(税込み)。

 1960年代に誕生したシンプルなクロノグラフウォッチ、ブライトリング「トップタイム」。そのデザインを受け継ぎつつ、より汎用性の高い3針モデルとして登場したのが、「トップタイムB31」である。クラシカルなラウンド型ケースは、直径38mmというコンパクトなサイズに収められ、オンオフ問わず着用しやすい。操作が簡単な非ねじ込み式リュウズでありながら、10気圧防水を備えていることも特徴だ。

 ダイアルは、バータイプのインデックスと針を組み合わせ、3時位置に日付表示を配したシンプルなレイアウトだが、全体を深いグリーンで仕上げ、外周にブラック、秒針にオレンジを加えることで、個性を演出している。日付表示には拡大レンズが装着され、視認性も抜群だ。

 ダイアルに調和したカラーのカーフレザーストラップにも注目したい。グリーンを主体にホワイトのステッチを合わせ、さらにパンチング加工を施すことでカジュアル感を醸し出している。トップタイムは、1960年代に流行したカフェレーサー文化にも密接に関わるモデルであり、パンチング加工からもその歴史を感じることができる。

 待望のブライトリング自社製3針ムーブメント、Cal.ブライトリング31を搭載し、シースルーバックから鑑賞することができる。


タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ ガルフ」Ref.CAW218G.EB0393

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ ガルフ」Ref.CAW218G.EB0393
石油会社ガルフとのコラボレーションモデル。初代「モナコ」のデザインを踏襲しつつ、スティーブ・マックイーンのレーシングスーツと同じカラーリングをあしらっている。自動巻き(Cal.11)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。Tiケース(縦39×横39mm、厚さ14.3mm)。100m防水。世界限定971本。142万4500円(税込み)。

 石油会社ガルフとのパートナーシップによって誕生した数量限定の「モナコ」。両社のロゴがダイアルに配されており、モータースポーツファンにとってはたまらないモデルだ。3時位置にはスモールセコンド、9時位置には30分積算計、6時位置には日付表示が配されている。

 グレード2チタン製のスクエア型ケースは、全体にサンドブラスト仕上げを施しており、ツール感の強いデザインにまとめられている。100mの防水性を備え、タフに使用することが可能だ。9時位置にリュウズがあるのは、オリジナルが搭載していた世界最初期の自動巻きクロノグラフムーブメントCal.11のレイアウトを踏襲したため。本作が搭載しているのもCal.11だが、レイアウト以外にオリジナルモデルのムーブメントとの繋がりはない。

 そして本作の特別感を大きく高めているのが、ファイングレイン仕上げによってホワイトに見えるシルバーダイアルにあしらわれた、ネイビーブルーとオレンジのラインだ。これは、スティーブ・マックイーンのレーシングスーツと同じカラーリングである。

ホワイト、ネイビーのストラップによって雰囲気が異なるのが楽しい。

 ベルトは2本付属する。ひとつが、マックイーンのレーシングスーツと同じホワイトのテキスタイルストラップ、もうひとつが、パンチング加工されたネイビーブルーのカーフレザーストラップだ。どちらも鮮やかなオレンジのステッチが施されている。


ブルガリ「ブルガリ アルミニウム クロノグラフ」Ref.103868

ブルガリ「ブルガリ アルミニウム クロノグラフ」Ref.103868
「ブルガリ アルミニウム」の自動巻きクロノグラフモデル。プレート上のラバーとアルミニウム製リンクを組み合わせたストラップが装着されている。自動巻き(Cal.BVL381)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約42時間。アルミニウムケース(直径41mm、厚さ14.6mm)。100m防水。77万5500円(税込み)。

 1998年に誕生した「ブルガリ アルミニウム」の最新作。アルミニウムケースにラバー製ベゼルという異素材を組み合わせた、ブルガリを代表するコレクションのひとつだ。今回紹介するモデルは、3時位置にスモールセコンド、6時位置に12時間積算計、9時位置に30分積算計、そして4時半位置にデイト表示を配したクロノグラフウォッチである。ケースの直径は41mmだが、ベゼルの幅が広いためコンパクトに見えることもポイント。

 ケースの構成もさることながら、ブルガリ アルミニウムのアイコニックな要素のひとつとなっているのが、ラバー製のストラップだろう。プレート状のラバーをアルミニウム製のリンクで繋ぎ合わせることにより、ラバーストラップでありながらも上品で高級感のある印象にまとめ上げている。

 ケースバックは、DLCコーティングを施したチタン製。直接肌に触れる部分に耐蝕性の優れた素材を用いることで、耐久性も確保している。内部には、自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載している。


オリス「Oris x チェルボボランテ」Ref.01 754 7785 4068-Set

オリス チェルボボランテ

オリス「Oris x チェルボボランテ」Ref.01 754 7785 4068-Set
サステナブルなレザーを手掛けるチェルボボランテとのコラボレーションモデル。グラデーションオレンジダイアルとマホガニーブラウンのレザーストラップが、これからの季節にもマッチする。自動巻き(Cal.Oris754-1)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径40mm、厚さ12.2mm)。5気圧防水。40万4800円(税込み)。

 スイスのサステナブルレザー企業であるチェルボボランテとのコラボレーションモデル。チェルボボランテは、廃棄される鹿革をアップサイクルした革製品を手掛けており、オリスは同社製の鹿革を用いたレザーストラップを積極的に採用することで、その活動を支援してきた。

 今回発表された新作は、「ビッグクラウン ポインターデイト」をベースに、秋の夕暮れを想起させるようなグラデーションオレンジダイアルをまとったモデルだ。オリスのアイコニックなデザインと、カラーダイアルならではの個性が魅力である。

 直径40mmのケースには、コインエッジ装飾のベゼルが組み合わされ、往年のパイロットウォッチを想起させるヴィンテージ調のデザインに仕上がっている。内部に搭載した自動巻きムーブメントは、シースルーバックから鑑賞することが可能だ。

 ストラップはもちろん、チェルボボランテ製のレザーを用いたもの。天然素材のため、表面の皺や傷など、その鹿革が歩んできた1本1本の違いを楽しむこともできる。クイックチェンジシステムを搭載し、ワンタッチでケースから脱着することができるのも魅力だ。さらに、本作にはチェルボボランテ製の鹿革を用いたトラベルポーチも付属する。


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