グランドセイコーの2025年新作「エレガンスコレクション」Ref.SBGM255に要注目!

2025.12.19

セイコーウオッチ本社で行われた新作撮影会に参加したライターの佐藤しんいちが、グランドセイコー「エレガンスコレクション」Ref.SBGM255を紹介する。コレクション名の通りホワイトの文字盤がエレガントで、ドレスシーンからカジュアルまでマッチする1本である。緻密な幾何学模様の型押しにも注目である。

グランドセイコー エレガンス コレクション

グランドセイコー「エレガンスコレクション」Ref.SBGM255
自動巻き(Cal.9S66)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径39.5mm、厚さ14.1mm)。日常生活用防水。70万4000円(税込み)。
佐藤しんいち:文・写真
Text and Photographs by Shin-ichi Sato
[2025年12月19日公開記事]


早春の季語である“雪雫”をテーマとしたホワイト文字盤の新作

 セイコーウオッチ本社で行われた新作撮影会で、エレガントな魅力によって参加者の注目を集めたのは、グランドセイコー「エレガンスコレクション」Ref.SBGM255である。

 本作は、GMT表示機能付きの自動巻きムーブメントCal.9S66を搭載する、ラウンドケースの1本だ。近年のグランドセイコーの多くは、ケースサイドからラグにかけて一体化したデザインを採用する中、本作はラウンドケースとラグの境目がくっきりと分かる、クラシカルなシルエットを持つ。ここに、エッジの効いたインデックスと時分秒針、矢印型のGMT針が組み合わされる。

グランドセイコー エレガンスコレクション GMT

優美なラインを描くケースフォルム。1967年に発表された「44GS」でグランドセイコースタイルが確立される以前の、初代モデルの趣を尊重しつつ、現代的なアレンジが加えられたものだ。

 そんな本作の注目点がホワイトの文字盤だ。テーマは、早春の季語の“雪雫”である。春の光にきらめく雪や露をモチーフとして、わずかに青みを感じる、はっきりとした白が特徴だ。また、文字盤中央に向かってダイヤ状の模様が細かくなる、スパイラルパターンが施されている。グランドセイコーのシグネチャーカラーを思わせるブルーのGMT針も精悍だ。

グランドセイコーが得意とする型押しで幾何学模様を表現

 近年のグランドセイコーによる型押し文字盤の完成度は非常に高く、代名詞のひとつとなっている。他社にはない魅力は、グランドセイコーのフィロソフィーである「THE NATURE OF TIME」を反映し、日本の自然や、季節の移ろいを表現している点である。自然の風景がモチーフであるため、「エボリューション9 コレクション」Ref.SLGH005の“白樺”文字盤に代表されるように、有機的で、ランダムなパターンが多い。

 それに対して本作は、非常に繊細かつ緻密な幾何学模様が均一に施されている。ディテールも整っており、仕上がりにキレがある点も良い。このパターンがエッジの効いた直線的なインデックスや針、円形に配置された24時間表示と呼応して、文字盤全体が幾何学的なデザインとなっている。文字盤中央に向かって模様が小さくなる点が奥行き感を生み出し、モダンな建築を想起させ、グランドセイコーの製品の中で、際立った個性となっている。

グランドセイコー エレガンス コレクション

緻密な文字盤の型押し。エッジが立っており、鮮明だ。中央に向かってパターンが小さくなるため、視覚効果で奥行きがあるように感じられた。

 このように、従来のグランドセイコーのテイストと異なるのであるが、筆者は本作を見て「白がわずかに青っぽく、雪景色に青空が反射する様子だろうか」と予想したことが自分でも興味深かった。これは、グランドセイコーのデザインコンセプトを知っているという“メタ読み” が大いに働いているとはいえ、調色の巧みさと、模様から感じ取った雪の結晶のインスピレーションがそうさせたのだろう。

「良い機械式時計を所有している」と満足感のあるムーブメント

 搭載される自動巻きムーブメントCal.9S66は、時針単独修正が可能なGMT表示機能を備える。調整方法を少しおさらいしておこう。主ゼンマイを巻き上げて稼働状態として、リュウズを2段引いて、GMT針と分針で、GMT(正確にはUTC)時刻に合わせる。ここからリュウズを1段引いた状態にして、時針だけを回転させ、日付合わせをしつつ現在のタイムゾーンの時間に合わせる。

Cal.9S66

本作に搭載されるムーブメントは、他のグランドセイコーの機械式GMTモデルにも採用されてきた、Cal.9S66である。毎時2万8800振動、パワーリザーブ約72時間と、現代的な性能を有している。

 多くのGMT表示機能付きムーブメントに見られる操作方法で、慣れれば快適だ。今回は撮影用サンプルのため操作できなかったが、以前の経験から述べれば、操作感も良好で、針の動きもスムーズである。なお、グランドセイコーは、Cal.9S66の操作法解説サイトにて、GMT針を24時間表示として使用することを提案している。海外への渡航機会が少ないユーザーならば、そちらの方が有意義かもしれない。

 ケースバックからは、整ったストライプ模様や、グランドセイコーのロゴのエングレービング、ペルラージュ仕上げを堪能することができ、「良い機械式腕時計を所有している」という満足感が得られる。


絶賛販売中なので店頭でチェックしよう

 本作は、秋の季語である「月雫」をテーマとしたネイビーブルーのRef.SBGM257とともに、12月5日に発売が開始されている。文字盤に光が当たって、緻密な模様がわずかに影を作り出し、表情の変化を生む様子は、やはり現物を見てこそ、である。ぜひ店頭に足を運び、本作を手に取ってご覧いただきたい。

Contact info: セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) Tel.0120-302-617


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