鈴木亮平が(めちゃくちゃ)熱く語る! 時計愛、キングセイコー愛にあふれた特別な一夜

FEATUREその他
2026.01.13

2025年、セイコーの1ブランドであるキングセイコーは、グローバル展開を決定。それに合わせて俳優の鈴木亮平がグローバルアンバサダーに就任した。「骨っぽい時計が好き」と公言する彼は、キングセイコーの顔にはうってつけ。そんな鈴木が12月に日本で開催されたキングセイコーのイベントに登壇し、そのディープな時計愛と“キングセイコー愛”で来場者たちを圧倒した。

(左から)『クロノス日本版』およびwebChronos編集長の広田雅将、俳優の鈴木亮平、セイコーウオッチ代表取締役社長の内藤昭男、『ホディンキー ジャパン』および『リシェス デジタル』編集長の関口優。
広田雅将(クロノス日本版):取材・文
Text by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)
[2026年1月13日公開記事]


鈴木亮平とキングセイコーが出会う。「King Seiko Fan Meeting」

 2025年12月5日、東京都港区芝浦のホテル・フェアモント東京で開催されたキングセイコーのスペシャルイベント「King Seiko Fan Meeting」。厳正な抽選によって選ばれたオーナーを前に、俳優の鈴木亮平、キングセイコーのデザイナーである松本卓也、そして『ホディンキー ジャパン』および『リシェス デジタル』編集長の関口優と『クロノス日本版』およびwebChronos編集長の広田雅将が、キングセイコーの魅力を語り合った。

 1961年にリリースされたキングセイコーは、2021年にデザイン復刻版が発売される。翌2022年にはコレクションとして本格的な復活を果たした。その際に発表されたのは二代目モデルをモチーフとした「KSK」。2024年には丸みを帯びたクッションケースの「KS1969」を加え、2025年には“セブンティーズ”なデザインを持つ「VANAC(バナック)」が追加された。いずれも過去作のデザインをベースとするが、それらが持つユニークな造型を再解釈した点が、単なる復刻とは異なる。セイコーがキングセイコーを「The Newest Classic」とうたう理由だ。

会場内には、「The Newest Classic」なキングセイコーの現行モデルが数多く展示された。写真のポスター左が「KS1969」、右が2025年にお披露目された「VANAC」。

KSKを着用する来場者。シンプルなデザインでありながら、ライターカットされたインデックスやシャープなケースデザインが光を受けて、袖口から存在感を放っている。

会場では、来場者が展示品をタッチ&フィールすることができた。文字盤やブレスレットの質感を確かめたり、手首に載せたりと、熱心にキングセイコーを堪能していた。


鈴木亮平の“キングセイコー愛”に、時計メディアの編集長らがたじたじ!?

 集まった来場者は、キングセイコーのオーナーたち。関口と広田がその歴史を説明した後、鈴木が“キングセイコー愛”を熱く語り出した。「僕が持っているのは、初代キングセイコーとクロノメーター仕様の『44KSCM』ですね。44KSCMの方は、一部の個体に見られる、先端が矢のようになっている秒針もいいんです」。アンバサダーになる、はるか前に手にしたというから、彼のキングセイコー愛は筋金入りだ。そして「デザインに引かれて買った」と鈴木が述べた通り、歴代のキングセイコーには造形の面白さがある。初代はドレスウォッチ然としているのにインデックスがかなり太く、44KSは、一見普通なのにラグやインデックスに工夫を凝らしている。これが日本の高級時計を背負って世界に屹立(きつりつ)する、グランドセイコーとは違うポイントかもしれない。

鈴木亮平

自身が着用するキングセイコーを見せながら、熱く語る鈴木の姿に、一同も思わず聞き入る。

 どんなキングセイコーのモデルを持っているのか来場者にアンケートを採ったところ、KSKとVANACが二分した。対して鈴木は、“推し”であるKS1969の魅力を熱弁。「Cラインケースを使ったこのモデルは、薄くて装着感がいいんですよ」。直径39.4mm、厚さ9.9mmしかないKS1969は、彼が言ったとおり、スーツの袖にも無理なく収まる。

アンケート結果を見て、KSKとVANACに後塵を拝したKS1969を見た鈴木は笑いながら、このモデルの魅力を語った。

 ちなみに鈴木が述べた「Cラインケース」とは、著名な時計デザイナーであるジェラルド・ジェンタが完成させたもの。ケースの上面を丸く仕上げたそのデザインは、1960年代後半以降、時計業界に普及した。セイコーも例外ではなく、KS1969のモチーフとなった「45KCM」でこのCラインケースを採用した。もともと仕上げの良いケースだったが、加工技術の進化を反映して、新しいKS1969のケースにはほぼ歪みがなくなった。

1969年発売のキングセイコー「45KCM」。KS1969が踏襲しているように、クッション型のケースラインがアイコニックなモデルである。

現代の加工技術でよみがえったCライン。セイコーが得意とする歪みのない面や、切り立った稜線を確認することができる。

 鈴木が指摘したのはデザインの妙だ。彼は太くて長いドーフィン針(笹のような形をした針)を好むが、KS1969では、細い針だからこそデザインに合っていると指摘。これにはデザイナーの松本も感心し、「実は時計のデザインで一番難しいのが針なんですよ。ちょっと長さが変わるだけで印象が変わってしまうから」と答えていた。

デザイナーの松本卓也。キングセイコーのほか、プレザージュの商品開発にも加わっている。

 別のアンケートでは、世界遺産検定を持つ鈴木に、VANACを着けてどこに出かけたいかを質問。来場者たちがヨーロッパ、アジア、日本などから彼が行きそうな場所を投票した。対して鈴木が選んだのは、なんと日本。「僕は奈良にも縁があるんですよ。そしてVANACが採用した紫色は、聖徳太子の定めた冠位十二階の最も高貴な色。この文字盤のVANACを着けて、奈良に行きたいですね」と説明した。現在、多くの時計メーカーは文字盤の色に注力するが、確かに紫を選ぶメーカーはほとんどない。デザイナーの松本も「実は紫を採用したとき、冠位十二階を意識したんですよ」と説明した。

来場者参加型のトークイベントに、会場は大いに盛り上がった。

時計メディアの編集長、そしてジャーナリストである以前に、時計好きでもある関口と広田は、鈴木と時間を忘れてトークに興じた。


鈴木亮平が選ぶ!? オリジナルストラップ

 続いてのコーナーでは、鈴木と松本、そしてフランスのストラップメーカーであるジャン・ルソーのアレクサンドル・ラノスが壇上に上がった。テーマは、鈴木セレクションによるオリジナルストラップの作成。素材や色を組み合わせて、KSKやKS1969、VANAC向けに製造したそれらのストラップは、2026年のキャンペーンで展開されるとのこと。

 まずはオーソドックスなKSKから。鈴木が選んだのは、オーソドックスなトープ色。そしてあえて裏地にはスムースレザーではなく、表面を荒らしたシボ革をチョイスした。「僕のチョイスでいいんですよね?」と何度も繰り返す鈴木は、落ち着いたストラップが好きなようだ。結果としてできあがったストラップは、オンにもオフにも使える、バランスの取れたものになった。

鈴木亮平

鈴木亮平と真剣に、しかし楽しそうにストラップの組み合わせを検討するアレクサンドル・ラノス(右)。

悩んだ末に、鈴木がVANACに合わせたレザーとは……?

 一方難しかったのが、パープル文字盤のVANACだ。紫の文字盤に合わせるには、同じ系統の色を拾うか、あるいは全く違う色を持ってくるしかない。困った鈴木は、来場者に質問。「白がいいよ!」という声に合わせてホワイトレザーを合わせてみたものの「やっぱごめんなさい、この色は僕が使うには華やかすぎる」ということで却下。最終的に鈴木が選んだのは、黒いスムースレザーだった。続いてはステッチの選択。ジャン・ルソーのラノスは、「文字盤と同じ色を拾うのはアリですよ」と、紫色のステッチを提案。しかし鈴木は控えめなステッチを選択。2色で迷った彼は、来場者にどっちがいいか質問。「2番!」という声を聞き、わずかに明るい色のステッチを選択した。曰く「この組み合わせは、レザージャケットにいいと思うんですよね」。


日本発世界へ、キングセイコーの新しい挑戦

 ちなみにこのイベントに先立つ7月18日、セイコーはキングセイコーのワールドワイドなお披露目を、日本ではなくタイで行った。参加したのは、日本はもちろん、韓国やシンガポールなど、約150人の海外メディア。熱心なセイコーファンが多いタイで開催したのにも感心させられたが、グローバルアンバサダーに鈴木亮平を選ぶセンスにもうならされた。英語も流暢、そしてNetflix映画『シティーハンター』で世界的な認知度を得た彼は、なるほど、キングセイコーの新しい「顔」にはうってつけではないか。セイコーウオッチ代表取締役社長の内藤昭男は「キングセイコーのブランド哲学である、伝統とイノベーションを盛り込んで、最も新しいクラシックを目指すという『The Newest Classic』の世界観を体現しているのが彼」と起用理由を説明した。

鈴木亮平

Photograph by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)
鈴木亮平
1983年、兵庫県生まれ。ホリプロ所属。東京外国語大学を英語専攻で卒業しており、英検1級を持つ。俳優として活躍しており、代表作にNHK大河ドラマ『西郷どん』や第109回ドラマアカデミー賞受賞の『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』、映画『花まんま』等がある。映画『エゴイスト』で、第78回毎日映画コンクール男優主演賞を獲得。今夏に公開が予定される『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』にも出演する。

 そしてこの場でお披露目されたのが、全く新しいVANACである。内藤は「1970年代に発売されたキングセイコーのVANACは、鮮やかな色彩と角張ったデザインを特徴とするブランドのクラシックなスタイルを打ち破った最初の時計だった、と説明。加えて新作では、「Tokyo Horizon」と称して、東京の夕暮れ、真夜中、夜明けといった時間帯にインスピレーションを受けた文字盤の色と仕上げが採用された。

キングセイコー

セイコー「キングセイコー VANAC」Ref.SDKV001
1972年に発表されたVANACは、全く新しい打ち出しでキングセイコーの在り方を大きく変えた。その哲学を継承して生まれたのが本作だ。オリジナルを思わせるマッシブなケースには、新規設計のCal.8L45が搭載される。なお文字盤で再現されるのは、現代の東京の景色を。それぞれ「夕暮れ時」「真夜中」「日の出」を表現したパープル、ネイビー、シルバーに加えて、セイコーブティックのみで販売される、アイスブルーの4色のダイアルカラーを揃えている。自動巻き(Cal.8L45)35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径41.0mm、厚さ14.3mm)。10気圧防水。39万6000円(税込み)。

 鈴木亮平もこう語った。「The Newest Classicというコンセプトは、歴史と現代性が優雅に、そして力強く共存する東京という街の神髄を真に体現したものです。役者として、そして人間として、私は時代を超越した意義深い作品の創造に努めており、キングセイコーのあらゆるディテールに、この精神が反映されていると感じています」。

キングセイコースべシャルイベント

Photograph by Masayuki Hirota(Chronos-Japan)
タイの会場内にはお披露目されたVANAC以外にも、多数の現行モデルが展示された。

 鈴木亮平とともに、華々しいスタートを切ったキングセイコー。しっかりした基礎はあるが、しかし決して平凡ではないという打ち出しは、両者に明確に共通するものだ。世界に打って出るという歴史はまさに始まったばかりだが、タイのイベント、そして東京でのスペシャルナイトでの熱狂を見るに、鈴木亮平と、彼がグローバルアンバサダーを務めるキングセイコーの未来は、きっと明るいに違いない。

セイコー「キングセイコー」SDKA005

キングセイコー「KSK」Ref.SDKA005
1965年に発表された、第2世代を再現したモデル。薄いCal.6L35を採用することで、ボックス型サファイアクリスタル風防を持つにもかかわらず、10.7mmのケース厚を実現した。面白いのはデザインの処理。一見オーソドックスだが、ラグに斜めの処理を付けたほか、12時位置のインデックスには特徴的なライターカットを刻んでいる。多連に見えるブレスレットは、実は1ピースのコマを連結させたもの。コストを抑え、しかし優れた仕上がりを得ている。自動巻き(Cal.6L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径38.6mm、厚さ10.7mm)。5気圧防水。41万8000円(税込み)。

セイコー「キングセイコー KS1969」Ref.SDKA017

セイコー「キングセイコー KS1969」Ref.SDKA017
1969年に誕生した「45KCM」のデザインを踏襲したモデル。上面を平たく仕上げた「Cライン」風のケースはこの時代に多く見られたもの。しかし、技術の進歩を反映して、ケースの仕上がりはさらに良くなった。9.9mmという薄いケースと、しなやかな多連ブレスレットのもたらす装着感は、鈴木亮平が絶賛するとおりだ。自動巻き(Cal.6L35)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約45時間。SSケース(直径39.4mm、厚さ9.9mm)。5気圧防水。39万6000円(税込み)。



Contact info:セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012


キングセイコー「バナック」を着用レビュー。個性派デザインと装着感、その実力

FEATURES

2025年 セイコーの新作時計を一挙紹介!【キングセイコー、プロスペックス等】

FEATURES

「腕時計×色石ジュエリー」のコーディネートは意外と簡単。キングセイコーで実践する色の組み合わせ

FEATURES