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超高精度機、ブレゲ /クラシック クロノメトリー 7727の魅力を再考する(1/4)

トゥールビヨンを超えた超高精度を実際に確認する

 ブレゲの超高精度機である、クラシック クロノメトリー 7727。高精度をもたらした要因は10Hzという超高振動とマグネティックピボットだ。このふたつの要素は、このクラシカルな見た目の時計に、高い等時性と極めて小さな姿勢差誤差をもたらした。筆者はスイスでその高精度を目の当たりにしたが、では実際の製品ではどうなのか?スウォッチ グループのメンテナンス部門がある銀座に出向き、納品前の7727を実際に測定してもらった。

三田村優:写真 Photographs by Yu Mitamura
広田雅将(本誌):取材・文 Text by Masayuki Hirota (Chronos-Japan)

常識外れの小さな姿勢差誤差

テスト結果をチェックする筆者と時計師。姿勢差誤差の小ささは特筆に値するが、時計師曰く「7727はどの個体でもこれぐらいの結果は出ます」とのこと。

 7727を特徴付けるマグネティックピボットとは、天真を磁石で固定する試みだ。一見トリッキーに思えるが、テンワとヒゲゼンマイの重心は常に中心からぶれなくなる。また強い引力が常に天真にかかっているので、平姿勢と立姿勢で軸にかかる摩擦の状態がほぼ同じになり、“平立差”は改善される。

 また10Hz(=7万2000振動)という高振動により、振動の安定性を示すQ値は大きくなり、時計は外乱に強くなる。加えて超高振動に耐えられるだけの「硬い」ヒゲゼンマイは、重心移動をさらに小さくするはずだ。

 これらをデータで見た場合、どういう結果が出るのか。7727の振り角は、時計がどの向きであっても安定するはずで、また精度もほぼ一定になるだろう。果たして結果はどうだったのか?

 今回のテストでは、通常の5姿勢に加えて、普通は測らない12時上でも計測を行った。高精度機の多くは、12時位置の精度を捨てて、5姿勢の精度を良くする。そのため、テスターにかけると12時位置の精度はガタガタの場合が多い。しかしテストした7727は、12時位置の精度も、ほかの姿勢とほとんど変わらなかった。つまり、天真を磁石で固定するのが効いているわけだ。

 姿勢差誤差の小ささを示すのが、振り落ちの小ささだ。全姿勢を見た場合の振り角の差は、たった11度。精度は最大でも2秒しか違わなかった。しかしこれは特別な個体ではないのか、と時計師に尋ねたところ、「このまま納品する個体であり、どのモデルも同じような精度である」とのことだった。

 掛け値なしに、トゥールビヨン以上の精度を持つクラシック クロノメトリー7727。では次ページ以降で、その高精度を理由をひもといていくことにしよう。

テスト結果の一部。普通の時計の場合、文字盤上(DU)と12時上(CR)では、振り角(Ampl)は20~30度ほど違う。しかし磁石で天真を固定する7727では、約10度しか違わない(個体によって多少の差はある)。6姿勢の平均精度を示す「X」の値に注目。1秒という数値は、既存の機械式時計ではまずありえない。
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