セイコー プロスペックス「マリンマスター 1968 ヘリテージ」。1968年の革新を継ぐセイコーダイバーズの到達点

2026.10.09
PR:Prospex

1968年に発売されたセイコーの300mダイバーズは、当時世界最高水準のハイビートムーブメントを搭載し、セイコーの評価を世界的なものとした。この1968年のオリジナルモデルをモチーフに、新型ムーブメントを搭載することで高精度化とロングパワーリザーブ化を実現したプロスペックス マリンマスターの「HBF001J」が発表された。今回は、この新作とオリジナルの比較を行い、その進化を検証する。

プロスペックス マリンマスター 1968 ヘリテージ HBF001J

(左)プロスペックス マリンマスター 1968 ヘリテージ HBF001J
1968年のモデルをモチーフとし、随所にオリジナルへのリスペクトを感じるが、あらゆる面で進化を遂げたハイスペックなモデル。自動巻き(Cal.8L45)。35石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約72時間。SSケース(直径42.6mm、厚さ14.1mm)。300m空気潜水用防水。50万6000円(税込み)。
(右)1968ダイバー オリジナルモデル
ワンピースケースによる300m防水機能に加え、10振動/秒のハイビート自動巻きムーブメントを搭載し、高い性能を実現した。
星武志:写真
Photographs by Takeshi Hoshi (estrellas)
名畑政治:文
Text by Masaharu Nabata
Edited by Yousuke Ohashi (Chronos-Japan)
[クロノス日本版 2026年11月号掲載記事]


独自の造形を模索した1968ダイバー、その現代的進化

 セイコーは1965年に国産時計初の150m防水ダイバーズウォッチを世に送り出し、日本における潜水時計のパイオニアとなった。このモデルは1966年から1969年にかけて南極地域観測隊の装備品に採用され、その性能が高く評価された。そのモデルから3年後の1968年に発売されたのが、当時、世界最高水準の機械式高振動(10振動/秒)の自動巻きムーブメントを搭載し、300m防水を実現したダイバーズウォッチ。いわゆる1968ダイバーだ。

 2000年、1968ダイバーをモチーフに、その精神と意匠を継承し、オリジナルのデザインを再現した限定版の「SBDX003」と、現代的なモディファイを加えたレギュラーモデルの「SBDX001」が発売された。その後、1968ダイバーのデザインを踏襲したモデルは継続生産されたが、今回、新たなムーブメントを搭載したプロスペックス マリンマスターの「HBF001J」が登場した。

1968ダイバー オリジナルモデル

1968ダイバー オリジナルモデル(上)と新作の「HBF001J」(下)。4時位置のリュウズは同様で、新作のラグ形状はオリジナルを踏襲。新作はベゼルのインサートリングがセラミックスとなり堅牢性がアップした。さらにデュアルカーブのサファイアクリスタルと、そこに施された内面無反射コーティングによりダイアルの視認性を高めている。また、リュウズチューブも取り外し可能となりメンテナンス性が向上した。

HBF001J

 手首への干渉を避けた4時位置のリュウズや、側面の稜線を際立たせたケース造形など、外装デザインは従来通り1968ダイバーを継承。ただし、逆回転防止ベゼルのインサートリングはセラミックスとなり、わずかだが数字が拡大され、視認性と耐久性が向上。ステンレススティールのブレスレットは、1段階で約2mmの調整幅を持ち、これが8段階で合計約16mmの幅で調整できる新開発のバックルを装備し、快適なフィット感をもたらしている。

 また、文字盤も注目に値する。長年、我が国の南極地域観測隊などに腕時計を寄贈してきた経緯から、南極や北極圏の氷床や氷河を掘削して採取したアイスコア(数万〜数十万年前に降った雪が押し固められた円柱状の氷は、その時代の空気や塵、火山灰などが封じ込められたタイムカプセルだ)をイメージしたダイアルパターンを採用。この微細なシボ模様がインデックスや針を浮き立たせ、視認性を高めている。

 従来との最大の違いはムーブメントだ。Cal.8L35からCal.8L45に変更。これにより精度が日差+15秒〜−10秒から日差+10秒〜−5秒に向上した。パワーリザーブは約50時間から約72時間に大幅アップした。

1968ダイバー オリジナルモデル

ワンピースケースを採用することで300m防水を実現した1968ダイバー オリジナルモデル(上)に対し、新作「HBF001J」(下)では通常のスクリューバックで同等の防水性を確保。ケース側面はオリジナルのデザインを生かした大胆な鏡面と、より複雑で緊張感のある稜線で構成し、流麗なフォルムが生まれた。ベゼルの刻みは、間隔をあけて深く刻むことで指掛かり感を向上。ラグに穴を設けることでブレスレットとストラップの交換も迅速に行える。

HBF001J

 今回、HBF001Jを紹介するためにオリジナルの1968ダイバーをセイコーから借用し、新旧モデルで撮影を行った。新作HBF001Jをオリジナルと比べた場合、オリジナルでは水圧への耐性を高めるために裏蓋のないワンピースケースを採用して300m防水を実現。対して新作では、現代の高度なケース加工技術と防水構造により、メンテナンス性に優れる通常のスクリューバックを採用しながらも同等の300m防水を確保している点に、実用面での大きな進化を見ることができる。

プロスペックス マリンマスター 1968 ヘリテージ HBF001J

ブレスレットはセンターリンクの両サイドにポリッシュ仕上げの部分をあしらうことで、他のリンクとの輝きに変化をもたらし、タフなだけでなくエレガントさも感じさせる。新開発のバックルは快適な着け心地を追求。簡単操作でサイズの微調整(約2mmずつ8段階で合計約16mmもの調整)が可能だ。

 また、ムーブメントについてはオリジナルの1968ダイバーでは当時の世界最高水準であった10振動/秒の自動巻きムーブメントが搭載されていたが、今回のモデルに搭載されたCal.8L45は8振動/秒。振動数は異なるものの、セイコーの現行機械式ムーブメントで最も安定した日差+10秒〜−5秒という精度と約72時間のパワーリザーブを備え、格段にアップデートされている。

 およそ60年も前に、世界最高水準の高性能ダイバーズを完成させたセイコーの技術力には感服するが、それ以上に、オリジナルを徹底的に探求し、咀嚼し、進化させ、今再び世界基準を超えるハイスペックなダイバーズを世に送り出した現代のセイコーにおける開発力の高さを改めて評価し、それを誇りに思うのである。



Contact info:セイコーウオッチお客様相談室 Tel.0120-061-012


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