有名ジャーナリストが選ぶバーゼルワールド2019新作ベスト5/柴田 充

FEATUREバーゼル2019
2019.04.03

3月20日のプレスデーで幕を開け、26日に閉幕したバーゼルワールド。100年以上の歴史を持つ世界最大規模の同展で、現地に足を運んだジャーナリストたちはなにを見て、なにを思ったのか。国内外の著名ジャーナリストにバーゼルワールドで発表された2019年新作からベスト5をそれぞれ選んでもらった。

ライターの柴田充が選ぶ新作ベスト5

5位グッチ/グリップ

つくづくミケーレは時計好きなんだなぁと思う。就任時には自社の時計があるにもかかわらず、ヴィンテージロレックスを着けていた。新作の“鉄仮面”はサイズ感はじめ、押さえ所も絶妙。時計に興味のなかった若者がグッチを手にするというのもうなずける。

グッチ「グリップ」
クォーツ
直径35mm
3気圧防水
グッチショップにて2019年7月(グッチ ウォッチ取扱店では8月)より発売開始
SSブレスレットモデル、予価19万円(税別)
イエローPVD加工SSブレスレットモデル、予価22万円(税別)
SSカーフストラップモデル、予価17万5000円(税別)
イエローPVD加工SSカーフストラップモデル、19万円


4位チューダー/ブラックベイ P01

ブラックベイ P01

1960年代に特許申請したエンドリング機構をベゼルのストッパーとして復活。デザインは『海底2万哩』のノーチラス号を思わせる。好き嫌いがはっきり分かれるモデル、と説明を受けたが、このエッジィさこそチューダーのオリジナリティだ。

チューダー「ブラックベイ P01」
自動巻き(Cal.MT5612)
26石
2万8800振動/時
パワーリザーブ約70時間
SS(直径42mm)
200m防水
価格未定


3位シチズン/ザ・シチズン AQ6010-06A

ザ・シチズン

昨年プロトタイプで発表された年差±1秒のエコ・ドライブムーブメントを早くも実装した。ベンチテストで精度は出ても、腕時計は別物。秒針が目盛りに確実に重なるために、LIGAを使い、針も重量管理のしやすい真鍮を使う。そこに1秒の重みを感じる。

シチズン「ザ・シチズン AQ6010-06A」
光発電エコ・ドライブ(Cal.0100)
17石
838万8608Hz
フル充電時約6カ月駆動
18KWG(直径37.5mm、厚さ9.1mm)
5気圧防水
世界限定100本
180万円(税別)


2位グランドセイコー/エレガンスコレクション スプリングドライブ20周年モデル SBGZ001

スプリングドライブ20周年モデル

贅沢にもプラチナケースに雪白を刻み、滑らかな針の動きとのコントラストも美しい。リューターの一点仕上げも素晴らしいが、それを寸分変えることなく全品統一する技法にも驚かされた。とはいえラグジュアリーの本質とは少し異なるようにも思う。

グランドセイコー「SBGZ001」
手巻きスプリングドライブ(Cal.9R02A)
39石
パワーリザーブ約84時間
Pt(直径38.5mm、厚さ9.8mm)
日常生活防水
世界限定30本
800万円(税別)


1位ブルガリ/オクト フィニッシモ

オクト フィニッシモ

今年のオクトはクロノグラフGMTでさらに躍進を遂げたが、個人的に注目したのはこちら。薄型の美学をセラミックスでここまで追い込むとは。Dバックルまで新設計した執念に、グイド氏いわく「ウチはデザインと技術の比率が51:49だからね」。イタリアらしい!

ブルガリ「オクト フィニッシモ」
自動巻き(Cal. BVL 138 フィニッシモ キャリバー)
36石
2万1600振動/秒
パワーリザーブ約60時間
ブラックセラミックス(直径40mm、厚さ5.50mm)
30m防水
ブラックセラミックスブレスレット
2019年5月発売予定
171万円(税別)



選者のプロフィール

柴田充/しばたみつる

1962年生まれ。時計をはじめ、クルマやファッションなど男性の趣味の世界をテーマに、ライフスタイル誌や時計専門誌で編集執筆。