コロナ対策には手洗いうがいが一番。では、手洗い時に必要な防水性は?/ぜんまい知恵袋〜時計の疑問に答えます〜

FEATUREぜんまい知恵袋
2020.04.12

Q:手洗い時に必要な防水性は?

広田雅将

A: COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策で最も重要なのは手洗いとうがいの励行。では、手洗い時に装着をしてもOKな防水性能はどれぐらいなのでしょうか?

日本時計協会は、防水時計の基準を4つに分けています。「飽和潜水用防水」「空気潜水用防水」「日常生活用強化防水」そして「日常生活用防水」。基本的に、手洗いがOKなのは前3つまでです。

具体的には、1000m、600m、300m(飽和潜水用防水)、200m、150m、100m(空気潜水用防水)、10気圧、5気圧(日常生活用強化防水)までが、手洗い可能な時計です。一般的な30m(≒3気圧防水)、20m防水(≒2気圧防水)の時計は手洗いに向きません。なお、飽和潜水用防水と空気潜水用防水時計、つまりダイバーズウォッチは、125%の水圧でテストすることが定められています。つまり100m防水をうたうダイバーズウォッチは、10気圧日常生活用強化防水の時計よりも、防水性能が高いです。また、10m防水≒1気圧防水と換算できるので、100mや200m防水ではなく、10気圧、20気圧防水と書いてあるものでも手洗いは可能です。

セイコーがJIS規格に基づいて定める防水性能毎の使用可能範囲。3気圧防水(日常生活防水)では「洗顔・雨で水にぬれる等」とされる。一見、手洗い時も問題なさそうだが、その下には「水圧のかからない程度で使用できる」の文言が入る。手洗いでは蛇口からの水を直接浴びる=水圧がかかる場合が想定されるため、3気圧防水では不十分であることが分かる。
出典:セイコーウオッチ カスタマーサービス「防水について(お手入れ)」

水圧と防水性能の関係

ではなぜ、5気圧防水以上の性能が手洗い時に必要なのか。流水に手を当てると強い圧力がかかります。そのため、リュウズの隙間などから水が入り、時計にダメージを与える場合があります。そのため、水仕事程度であっても、5気圧(≒50m)もの高い防水性能が必要になるのです。水に浸かるようなシチュエーションでの装着を可能とする防水性能の基準はメーカーによって異なり、IWCでは6気圧防水以上となっています。

なお、これらの防水性能は新品時のものです。時計は使うほど防水パッキンが劣化し、防水性能が下がっていきます。仮に300m防水と書かれたものであっても、水周りで使う場合は、オーバーホールを施して、パッキンを交換した方が無難でしょう。メンテナンスを受けていない中古時計を買った場合は、どれだけ防水性能が高くても、手洗い時に付けるのは避けた方が良さそうです。

10気圧防水の表す意味とは。防水性能や時計の種類について解説


https://www.webchronos.net/features/37023/
ダイバーズウォッチ 防水時計の歴史


https://www.webchronos.net/mechanism/13728/


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