角度によって形が変わって見える、グルーベル フォルセイの新作スポーティーウォッチ「バランシィエ S」

FEATUREWatchTime
2020.09.15

グルーベル フォルセイより2020年の新作として、軽量なチタンケースと一体型のラバーストラップ、そして100mの防水性能を備える「バランシィエ S」が発表された。独特なケース形状は「GMT スポーツ」を踏襲するものだ。(GMT スポーツはテニスボールをぶつけても影響を受けぬ様子がブランドの動画で映され、耐衝撃性が実証されたものである。)
「バランシィエ S」もスポーティーウォッチにカテゴライズされた。独創的な意匠と、「コンテンポラリー テンプ」に見られた大きなテンプをはじめとした高度な技術が融合したグルーベル フォルセイのアイデンティティが光る腕時計だ。

Originally published on watchtime.com
2020年9月15日掲載記事

グルーベル フォルセイ「バランシィエ S」

バランシィエ S

Ref.4040。手巻き。42石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。チタンケース(直径43.00mm、厚さ13.75mm)。100m防水。ラバーストラップ。世界限定18本。予価2574万円(税別)。

「バランシィエ S」は、グルーベル フォルセイが2019年に発表した「コンテンポラリー テンプ(BALANCIER CONTEMPORAIN)」の派生版であり、またデザインコードの一部を「GMT スポーツ」から受け継いで誕生した2020年の新作時計である。人間工学に基づいて設計された湾曲したケースや一体型のラグとストラップなどは、GMT スポーツで見慣れた感じがあるだろう。

 グルーベル フォルセイ初の直径40mm以下のケースサイズとなったコンテンポラリー テンプに対し、バランシィエ Sは直径43mmの大きさだ。しかしチタン素材の採用により、ラバーストラップも含めた重量はわずか110gである。外装に用いるネジもチタン製だ。

バランシィエ S

バランシィエ Sの印象的な要素は、角度によって形が変わって見える湾曲したケースだ。

 グルーベル フォルセイのブランド哲学が刻印されたベゼルは、山型の角度が付いたアーチ状になっている。ケースとリュウズの側面にはストラップと同色のラバーがはめ込んであり、ユーザーのグリップ力を高める。

 多面構造の文字盤には、過去のタイムピースからふたつの要素が再び採用されている。ひとつはGMT スポーツに見られたもので、輪列と時分針が取り付けられた、片側から吊り下げ式のセンターブリッジだ。もうひとつは、2017年のSIHHで発表されたオリジナルの「バランシィエ」で最初に見られた直径12.6mmもの大きなテンワである。これは6つのチラネジを備え、その部分が空気の抵抗を受けぬように凹みが付いたものである。地板にはフロスト仕上げが施され、テンプを取り付ける面は水平面に対して30°の角度がつくように設計された。この傾斜構造により重力の影響が相殺され、ムーブメントの精度向上につながっている。

バランシィエ S

水平面に対し30°の角度がついた地板には、テンプのほかに脱進機とスモールセコンドが備わる。

 グルーベル フォルセイの製品は、すべてが手作業で行われる仕上げに定評がある。例えば、テンプ受けを見てみよう。上面はブラックポリッシュ仕上げで、固定する側面にはサテン仕上げが組み合わされている。これらは異なる光の反射を見せることで時計の美観を増す。センターブリッジには表面へのブラックカラーの塗布と面取りが施されている。時分針には肉抜きと面取りが施され、ラッカー仕上げの目立つ赤色の先端を持つ。パワーリザーブ表示は1時近くに配され、8時近くのテンプの横にはロジウムメッキのスモールセコンドダイアルが収まっている。連結されたツインバレルは約72時間のパワーリザーブを保持する。

 ケースバックにもブランドの仕上げ技術が光る。チタン製の受けは、表面のフロスト仕上げと面取り加工で引き立てられている。ブランドロゴ「GF」をあしらい半円を描く小さなパーツにもサテン仕上げが施された。チタンの面を手作業で仕上げるのには労力と時間を要するため、ムーブメントひとつの仕上げで約2カ月が費やされる。

バランシィエ S

ケースバック側のチタン製ブリッジにも、フロスト仕上げや面取り加工など複数の装飾技術が用いられている。

 ケースにはラバーストラップとチタン製フォールディングバックルが合わせられ、スポーティーさを引き立てている。世界でわずか18本のみの限定モデルだ。


Contact info: カミネ・トアロード店 Tel.078-321-0039


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