カマラ・ハリス
続いて副大統領に就任するカマラ・ハリスの腕時計を紹介しよう。女性として、人種的マイノリティーとして、そしてアジア系として、さまざまな「史上初」のアメリカ副大統領となったハリス。今後の大統領候補としても期待を集める人物だ。今回の写真は2019年にピクニックイベントへ参加し遊説を行う彼女の姿である。シャツの袖をまくり上げ、彼女のトレードマークでもある白いコンバースを合わせた装いに合わせられたのは、カルティエ「バロン ブルー ドゥ カルティエ」だ。
バロン ブルー ドゥ カルティエの誕生は2007年。カルティエの中では比較的新しいラインであるが、「サントス」「タンク」「パンテール」「パシャ」に続くブランドのアイコンとしてすっかりおなじみとなったコレクションである。フランス語で“青い風船”を意味する通り、従来のラウンド型とは一線を画す、全体的に膨らみを持ったフォルムが特徴だ。ケース、リュウズ、風防、そしてケースバックに至るまでふっくらとした曲線が描かれており、リュウズは金無垢モデルではブルーサファイヤ、それ以外のモデルにはシンセティック(人工的な)スピネルが採用されている。カルティエらしい端正なデザイン要素によって、エレガントでマスキュリンな雰囲気を漂わせながら、丸く柔らかいフォルムによって優しい印象も持ち合わせたモデルだ。
年をさかのぼって確認したところ、ハリスはこの腕時計を遅くとも2012年には着用開始していることが分かった。多くの着用画像が確認された中で、市民との触れ合いの場でも、フォーマルな装いを見せる場でも、一貫してこの腕時計を愛用する姿が見られた。
カルティエ「バロン ブルー ドゥ カルティエ」
政治家にとってファッションは常にコミュニケーションツールのひとつとなる。彼らが着ける腕時計は、自身のユニフォームとして選ばれた1本でもあるのだ。
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