アメリカの次期大統領選に挑むジョー・バイデン前副大統領の腕時計は?

LIFEセレブウォッチ・ハンティング
2020.04.10

一流のセレブたちは一体どんな腕時計を選ぶのか? 世界のセレブのワンシーンを切り取り紹介する連載コラム「セレブウォッチ・ハンティング」。今回は、アメリカ大統領選で現職ドナルド・トランプの対立候補となるジョー・バイデン前副大統領の腕時計を紹介しよう!

ジョー・バイデン

ジョー・バイデン

Photograph by Keiko Hiromi/AFLO

 2020年11月3日に行われるアメリカ大統領選に向け、民主党の指名候補争いを展開していたバーニー・サンダース上院議員が4月8日、選挙戦から撤退することを表明した。これにより、本選でドナルド・トランプ大統領と対決することが確実となったジョー・バイデン前副大統領。
 バイデンは1942年11月生まれで現在77歳。民主党から出馬した上院議員選挙に初当選したのは1972年である。副大統領には2009年に就任。バラク・オバマ前大統領からの指名を受けてのことであった。また2017年には副大統領としての功労をたたえられ、オバマより大統領自由勲章を受章している。以前からアフリカ系や高齢者層の支持基盤が厚く、今回の選挙では白人労働者からの支持も広がっている。彼が高齢であることを懸念する向きはあるが、これまでの実績に加え、親しみやすいキャラクター、また(早くに家族を亡くした過去などから)国民の痛みを理解できる政治家といった人間性への支持が根強いという。

「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ」

 写真は、大統領選挙へ出馬表明した数カ月後の2019年7月、遊説の合間にアイスクリームを食べるバイデンの姿をとらえたものだ。余談だが彼は自身について、タバコと酒は嗜まないものの、アイスクリームには目がないと公言している。
 その手元を見てみよう。バイデンが着ける時計は、オメガの「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ」Ref.2541.80だろう。

オメガ
「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ」Ref.2541.80

「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ」

クォーツ(Cal.1538)。SSケース(直径41mm)。300m防水。SSブレスレット。生産終了。

 300mの防水性能を備える本格的なダイバーズウォッチ「シーマスター プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ」。1993年に発表された「ダイバー300M」の特徴は、バトン型の分針とペンシル型の時針、丸型のインデックス、逆回転防止ベゼル、ヘリウムエスケープバルブといった点にある。シーマスターの展開は、シンプルな外観でタウンユースに向く「アクアテラ」から1200mの防水性能を備える「プロプロフ」まで幅広いが、その中にあって「ダイバー300M」の利点は、プロ向けの仕様ながら日常使いにも適したユーティリティーの高さにあるだろう。Ref.2541.80は、1995年公開の映画『007 ゴールデンアイ』において当時のジェームズ・ボンド役であったピアース・ブロスナンも着けたクォーツモデルである。

 多くの派生モデルを生み出した「シーマスター」コレクション、それ自体の誕生は1948年にさかのぼる。オメガが創業100周年を記念し、英国空軍やその他の部隊用として英国国防省に提供していた時計を民生用に仕立て直した防水時計が「シーマスター」の始まりだった。当時、この時計が持つ60m防水は他社を圧倒するものであったものの、時代はダイバーズウォッチの黎明期であり、50年代以降にはゾディアック「シーウルフ」やブランパン「フィフティ ファゾムス」、ロレックス「サブマリーナー」といったより本格的なダイバーズウォッチが続々と登場する。それらに対抗すべく、オメガが新しいケース構造を採用して1957年に発表したのが「シーマスター300」であり、ここから多くの派生モデルが続いていった。
【アイコニックピースの肖像】「オメガ/シーマスター300 Part.2」ではシーマスター誕生の経緯を詳細に解説しているので、ご参照いただきたい。

 
 バイデンはこの腕時計を、副大統領時代から現在まで愛用し続けている。前大統領を支えるとき、そして現大統領への挑戦を決意したとき、ずっとこの時計を見てきたのだ。いざ、本選へ。残り時間は7カ月を切っている。


高井智世