今、気になる小型ダイバーズウォッチ/オリス「アクイス デイト」とジン「U50」を徹底比較

FEATUREWatchTime
2021.02.23

2020年、オリスとジンは、両ブランドの人気ダイバーズウォッチである「アクイス デイト」と「U50」のスモールサイズモデルをリリースした。これら、直径41mmおよび41.5mmのニューカマーは、どれほどのパフォーマンスを発揮するのか。両モデルを比較しながら、その実力を検証していきたい。

Originally published on watchtime.com
Text by Jens Koch
Edit by Yuzo Takeishi
2021年2月23日掲載


オリス「アクイス デイト」とジン「U50」を直接比較

オリス,ジン,ダイバーズウォッチ

今回比較したダイバーズウォッチ2本。左がオリス「アクイス デイト」、右がジン「U50」。アクイスは300m、ジンは500mもの防水性能を持っているが、いずれもケース直径が41mm台に抑えられている。

 2020年に発表されたジン「U50」の広告キャッチコピーは「Honey, I shrunk the U1(ミクロU1)」。タイミングを同じくして、オリスも「アクイス デイト」のスモールバージョンをリリースした。幸いなことに、これらの新作は1989年公開の映画『Honey, I Shrunk the Kids(邦題:ミクロキッズ)』に登場する子供たちほど小さくはない。そして、大きいサイズのモデル(直径44mmのジン「U1」と43.5mmのオリス「アクイス デイト」)も、ブランドのカタログに残っているので安心してほしい。

 ビッグサイズの時計がもてはやされる時代は終わり、現在は適度なサイズのタイムピースがトレンドになっている。ジンとオリスはこのトレンドにおいて、今回のテスト機である41mmサイズのU50と、41.5mmのアクイス デイトを投入し、勝負に打って出た。小ぶりなサイズのダイバーズウォッチを求める顧客の要望に応えた形だ。事実、20年に発表されたこれらのスモールサイズモデルにはメリットがある。装着感が良く、トップが重くなく、しかも「U50」においてはケース厚がわずか11.15mmなので、どこかにぶつけてしまう可能性も低くなっている。


対照的な外観:マットなジン、輝きを放つオリス

U50,ムーブメント

 ただしこの2モデルは、ルックス面では大きく異なっている。ジンはケースとストラップにビーズブラスト加工を施し、リュウズは4時位置にセット。ダイアルは計器のようなスタイルにし、マットブラックの背景と夜光塗料とのコントラストにより視認性を高めている。ギラギラと目立つようなところはなく、各要素が実用的な役割を果たしている。そのためU50はひと目でプロフェッショナル仕様のツールウォッチであると分かる。

 一方のオリスは、表面にポリッシュとサテン仕上げを交互に施し、サンバースト加工のブルーダイアルを採用している。また、回転ベゼルにはポリッシュ仕上げのセラミックスケールをレイアウトし、同じくポリッシュ仕上げの針やインデックスとともに陽光の下で輝きを放つ。ジンが、ダイバーにとっての理想的な相棒となるべく、できる限りの性能を盛り込んでいるのに対し、オリスは地上でも活躍するタイムピースを目指しているというわけだ。結局のところ、ダイバーズウォッチであっても、大半の時間を過ごすのが陸上であることは明白な事実なのだから。


ダイバーズウォッチの要、防水性能は?

 この2モデルのコンセプトの違いは、機能面にも反映されている。オリスの300m防水でも十分な性能だが、ジンは500mと明らかに高い防水性能を備えている。またU50は、世界最大級の船級・認証機関であるDNV GLによって、ヨーロッパの潜水器具規格に準拠したダイビングツールであることが認定されている。U50のサファイアクリスタル製風防は、両面に無反射加工が施され、非常にクリアだ。片やアクイス デイトのドーム型風防は、内側に無反射加工が施されているが、表面は反射するため、時間を確認しているときに背後の景色が映り込んでしまうことがあるだろう。

アクイス デイト,ケースバック

 また、この2モデルはケースの特徴も異なっている。他のいくつかのモデルと同様、ジンはドイツの最新鋭潜水艦に用いられている鋼鉄を採用。この素材は塩水に対しての耐性があるため、ダイバーズウォッチのケース素材としては実に理想的だ。さらに「U1」と同様、U50も、表面を硬化させるテギメント加工を回転ベゼルに採用。これによって時計の価格を抑えるとともに、ベゼルがケースを覆うように配置されているため、ケースを保護するシールドのような役割を果たし、ほぼすべてのキズを防げるようになっている。

 そこで、実際に硬化スティールのドライバーを使い、力いっぱいキズを付けようと試みたのだが、結果は、ルーペで確認しても痕跡すら見られなかった。ジンはこの他にもベゼルに独自の技術を取り入れている。ベゼル上部のリングを3本の小さなネジでしっかりと固定する特殊結合方式を採用し、強い衝撃を受けてもミドルパーツから外れないようになっている。

 オリスは研磨が容易な316Lステンレススティール製ケースに、耐傷性に優れたセラミック製ダイビングスケールを組み合わせている。リュウズガードはケース一体ではなくY型のネジで取り付けられ、非常にクールなルックスだ。