時計業界の独立系ディストリビューター(販売代理店)に未来はあるのか?

FEATUREその他
2021.08.18

新型コロナウィルス感染拡大の影響もあり、昨今、時計ブランドから顧客へダイレクトに販売が行われる機会が増えてきた。そのような中、独立系ディストリビューター(販売代理店)に未来はあるのだろうか?

「ウォッチ ディストリビューターズ ディクショナリー(The Watch Distributors Directory/時計流通総覧)」のコンサルタントであり共同設立者であるティエリー・ヒューロンが、変化しつつある世界の時計流通の状況について、最新の調査結果とデータを紹介する。また、さまざまな地域のディストリビューター(販売代理店)にインタビューを行い、将来への期待と今後の課題について語る。

Watch Distributors Directory

ウォッチ ディストリビューターズ ディクショナリーとは、世界の時計流通業界の企業情報にアクセスできるユニークなB2Bデータベースのことである。トーマス・バイロッドとティエリー・ヒューロンによって創立された。
Originally published on EUROPA STAR
Text by Thierry Huron (The Watch Distributors Directory) and Serge Maillard (Europa Star)
2021年8月18日掲載記事


現在、多くのデジタルネイティブはその戦略を従来のディストリビューションへと回帰させつつある

 時計ブランドと独立系ディストリビューター(販売代理店)は、長い間、実りある関係性を築き上げてきた。数十年にもわたり、ディストリビューターとパートナーになり成功を収めるということは、数字を作り、物理的な存在感を持つことと同じ意味を持っていた。ブランドは顧客にリーチするために、あらゆる場所で物理的に存在し、大規模な流通網を築き上げなければならなかった。大規模な流通網を持つことで、より多くの商品を流通させることができたのである。ブランドはディストリビューターに頼ることで、直接的なビジネスのランニングコストを増やすことなくセールスを拡大することができたのだ。

 新型コロナウィルス感染拡大以前から、ブランドはダイレクトセールスを拡大しようとしてきた。直接的な販売は、ブランドの価値とアイデンティティを訴求し、顧客との関係性を深め、ビジネス戦略を最大限コントロールするのに最も適切で効果的な方策であるという考えだ。多くの時計会社、中でも大企業ほど、地域に拠点を設け、この戦略を適用してきた。そしてそれが、顧客への直接的アプローチへ繋がったのである。ブランドにとって直販は、利点が多いだけでなく、利益率が非常に高く、時には販売本数の減少を穴埋めするほどである。それと同時に顧客との1対1の関係性を深め、データを充実させることができる(と同時に、過去にディストリビューターが担っていた課題にも直面するのである)。

 それでは独立系ディストリビューターに希望はあるのだろうか? 特定の市場で知名度を上げようとしている新興の時計ブランドや地元の時計ブランドにとって、流通業者との提携は重要だろう。そのようなパートナーシップは、新しい市場でのブランド認知度を高めながら、流通や顧客サービスの面で支援してくれる。若いブランドの多くは、デジタルマーケティングに十分な費用をかけることができず、独自のチャネルで必要な存在感と競争力を得ることができない。ディストリビューターは、ビジネス戦略の初期段階からそこに組み込まれることにより、自身が有益な存在であることを示すことができる。また多くのデジタルネイティブは現在、実店舗での販売に戦略を転換しようとしている。物理的な存在が持つ感情的な力は、何物にも代えがたいのだ。

 ブランドと小売店の間に挟まれ、そして増加するブランドの顧客への直接訴求により、ディストリビューターが今後数年間で多くの課題に見舞われるであろうことは、疑いの余地がない。デジタル化の変化を受け入れ、ビジネスモデルやサービス、企業風土を社会や市場の変化に適応させていく時計販売者が、最終的にはより強くなっていくだろう。


時計流通業界の全体像

Watch Distributors Directory

時計流通業界の現状をグラフにまとめたヨーロッパスターの誌面。以下、それぞれに紹介する。

全世界の時計のディストリビューターとその直営支店

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 世界には、1335社のディストリビューターとその直営支店が存在すると推定される。ウォッチ ディストリビューターズ ディクショナリーによると、これらの企業は127カ国で活動している。世界の時計流通において最も存在感を示しているのは独立系ディストリビューターで、900社が掲載されている。直営支店は残りの約3分の1を占める。

地域

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 ディストリビューターの数は地域によってばらつきが見られる。中東、それに次いでラテンアメリカには企業が集中しており、それぞれ154社、103社となっている。この数字は販売店を兼ねている小売業者の数が多いことを示している。中東やラテンアメリカに続くのは、西ヨーロッパ、東アジア(中国・香港・日本を含む)である。

価格帯

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 463社という最も多くのディストリビューターが、小売価格300スイスフラン以下の時計ブランドのカテゴリー、つまりエントリーレベル層に属している。次いで、小売価格300スイスフランから800スイスフランのエコノミー層が400社、小売価格800スイスフランから5000スイスフランのバリュー層が332社となってる。

プロダクトタイプ

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 時計のディストリビューターが扱っている腕時計以外の商材では、まず宝飾品、次にその他のクロックや、ウォッチワインダー、レザーストラップ、電池、アイウェア、筆記具、洋服、衣類、ファッションアクセサリーなどが挙げられる。驚くべきことに、宝飾品を取り扱っているのはわずか32%しかない。

取り扱いブランド数

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 131のディストリビューターが、1ブランドのみを取り扱っている。これらの15%は、地理的な特定をせず、エントリーレベル、エコノミー、バリューの各層でより存在感のあるブランドと提携している。2~4ブランドと5~9ブランドを扱う代理店が最も多く、それぞれ31%を占めている。

デジタル化の如何

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 多くの独立系ディストリビューターが、オンラインでのコミュニケーションや販売はさほど自分たちのビジネスに効果がないと考えており、それが数字にも表れている。例えば全体の15%が独自のウェブサイトを持っておらず、42%はソーシャルメディア(FacebookやInstagram)を活用していない。そして81%という大部分がEコマースのプラットフォームを保持していない。後者ふたつの数字は、独自のコミュニケーション戦略と顧客への販売訴求手法を表している。


世界のディストリビューターに問う

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。
②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?
③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?
④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

モニカ・ ポレーシン/The Blue Company創設者兼マネージング・ディレクター

Monica Porracin

Monica Porracin/The Blue Company
創業:2008年
展開国:イギリス
取り扱いブランド:ドクサ、ユンハンス、モーリス・ラクロア、マイスタージンガー、ミューレ グラスヒュッテ、スカトーラ・デル・テンポ、スイスキュービック

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① 私は、2008年にロンドンで設立された時計と時計用アクセサリーの販売会社「The Blue Company」の創設者兼マネージング・ディレクターです。私は外国人として、また業界に何のコネクションも経験もない女性として、男性優位の環境の中でゼロから会社を立ち上げました。しかし、国籍や性別を問わない実力主義の国、「グレート」ブリテンという名のチャンスの国にいたことは幸運でした。私たちが活動しているセグメントは、500ポンドから1万ポンドまでの高級時計ブランドを扱う中高級層です。転換期は7年前にユンハンスをポートフォリオに加えた時にありました。私たちのマネジメントのもと、このブランドは2015年に「The Rising Star of the Year」賞にノミネートされましたが、それは英国市場におけるディストリビューターとしての活動が、小売店とブランドの両方から評価された瞬間でもあったと感じています。当社のポートフォリオに含まれるすべてのブランドは、独特のDNAと豊かな伝統を持っていますが、これは偶然ではなくデザインされてきたものです。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② イギリスは、オンライン・プラットフォームに関して非常に先進的な国として知られています。イギリスの消費者は、食料品であれ自動車であれ、オンラインで購入することに非常に慣れており、パンデミックの間、この国は有利な立場にありました。ダイナミックな小売業者は、この状況に非常に素早く適応しており、私たちのクライアントの中には、あらゆる困難な状況下でも波に乗って2020年の売り上げを伸ばすことができた企業があります。弊社は2020年の3月と4月は売り上げが落ち込みましたが、5月以降は「通常」の月次売り上げに戻り、さらに成長し、年末には+10%の成長を記録しました。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ ディストリビューターには未来があると確信しています。イギリスでは、ほとんどの主要ブランドがロンドンに自社オフィスを構えています。しかし、独立系の時計ブランドの中には、直轄の支店を開くよりもディストリビューターを通じて仕事をしたいと考えているところがまだまだあります。時計ブランドがイギリスで支店を開設しようとすると、ロンドンをはじめ特別感のある住所でなければならず、そのためには高額な費用がかかります。それはすべてのブランドにとって実現可能なことではなく、やる価値もありません。つまり、ディストリビュータにはまだ必要性があるということです。ブレグジット後のイギリスでは、ブランドがイギリスに拠点を持っていない場合、代理店の役割はさらに重要になります。ブランドにとって、市場を知り、理解している担当者がいることは不可欠です。ある国のブランドをスイスやドイツの本社から直接管理できると考えるのは非現実的です。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ 現在、弊社のウェブサイトはデジタルビジネスカードをちょっと推し進めただけの状況です。Eコマースの積極的な展開は考えておらず、それはその分野の専門家であるリテーラーに任せています。最近、Eコマースの構築を始めましたが、パートナーからビジネスを奪う気持ちはありません。その目的はブランドの認知度を高め、小売店へのトラフィックを誘導することにあります。

ハレド・ザイナルアベディン&マザン・イーブラヒム/10tenlabs

Khaled Zainalabedin , Mazen Ebrahim

Khaled ZainalabedinとMazen Ebrahim/10tenlabs
創業:2017年
展開国:バーレーン、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、オマーン、カタール
取り扱いブランド:ジン、アレクサンダー・ショロコフ、ミナセ、ハンハルト、JSウォッチCo.、クエルボ・イ・ソブリノス、トッカー、ガリック、アーティア、その他

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① 2020年初頭、私たちは10tenlabsを立ち上げました。10tenlabsは、中東地域の時計コレクターや愛好家に向けたデジタルプラットフォームを導入することで、中東の時計小売のあり方を変えることを目指しています。私たちは、主に独立系ブランドと厳選された高品質な小規模ブランドに特化しています。私たちのビジネスには、約23の時計ブランドを提供するオンラインブティックのほか、時計クラブのコミュニティや、非常に特別な限定モデルを製作するラボなどがあります。今年はこれまでにパートナーブランドとの10の限定モデルの企画に成功しており、そのうちクドケ、ミナセ、アレクサンダー・ショロコフ、JSウォッチCo.の4ブランドの限定モデルは完売しています。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 実店舗での販売をやめ、デジタルプラットフォームに力を入れることで、私たちは正しい方向に進んできました。中東の小売市場は大きな変化を遂げており、パンデミックの後、積極的にデジタル化に向かっています。消費者はEコマースに精通するようになっており、Eコマース企業である当社はコロナ禍においても非常に健全な販売の伸びを見せています。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ 独立系ディストリビューターの未来はあると思います。私たちのようなプラットフォームや独立系ブランドを扱う小規模なブティックがあれば、このカテゴリーにあるブランドは、ますます注目を浴びることができます。それは成長過程にある独立系ブランドに注力しない大規模なリテーラーよりも顕著です。正規販売店のウェイティングリストが際限なく続く中、独立系のリテーラーやディストリビューターには、これらのブランドが提供していない大きな市場セグメントを得る機会があります。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ 人工知能(AI)や先進のフィンテック企業を活用して決済処理を容易にするとともに、デジタルリテールシステムをさらに強化すること。

モハメド・ラバト/Bellagio Jewellers

Mohammed Ravat

Mohammed Ravat/Bellagio Jewellers
創業:1950年
展開国:南アフリカ
取り扱いブランド:フランク ミュラー、ベル&ロス、オリス、ノモス

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① 私たちの家族は、70年以上にわたってウォッチ&ジュエリーのビジネスに携わってきました。当社はもともと小売業を専門としていましたが、過去10年の間に南アフリカでの時計販売も並行して行ってきました。この間、さまざまな時計ブランドを取り扱ってきましたが、現在はフランク ミュラー、ベル&ロス、オリス、ノモスを南アフリカで販売しています。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 南アフリカのリテールビジネスの中でも、特に時計・宝飾業界は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を大きく受けました。業界の多くは観光産業に依存していますが、現在、観光産業は停滞しています。これに加えて、この国の経済は感染拡大の状況によって大きく制約を受け苦しんでいます。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ 新型コロナウィルスの感染拡大はディストリビューターと小売店、小売店とエンドユーザーの関係性を見直す機会を与えてくれました。小売店とディストリビューターが生き残るためには、より身近で積極的かつ適応的な関係が不可欠です。エンドユーザーは、特に現在のような不透明で不確実な時代に、自分が価値あるものを購入しているかどうかを知りたがっています。そしてこの安心感を得ることができるのが、独立したオーナーシップのある店舗だけなのです。このロジックは、ディストリビューターとリテーラーの関係性にも当てはまります。ディストリビューターとリテーラーの関係は、真のパートナーシップとは言えず、特にリテーラーが企業のブランド子会社と取り引きしている場合はそうです。このような関係性は非常に硬直しており、迅速な戦略や理解への適応を妨げます。生き残ることができた独立系のリテーラーとディストリビューターには成長の余地があり、共に有望な未来を手に入れることができるでしょう。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ Instagramなどのソーシャルメディアが最も期待されているようです。

クリストフ・ホップ/Bausele/Tempore

Christope Hoppé

Christope Hoppé/Bausele/Temporel
創業:2011年
展開国:オーストラリア、ニュージーランド、太平洋地域
取り扱いブランド:ジラール・ペルゴ、ボーゼル

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① 私たちには2種類の活動があります。ひとつは「ボーゼル(Bausele)」という自社ブランドの開発です。このブランドは、私がユニヴェルソ(スウォッチ グループ)で最高財務責任者を務めていたスイスから移住して間もなく、2011年にオーストラリアで設立したスイスメイドの時計ブランドです。ボーゼルの価格帯は300~800スイスフランで、最近ではオーストラリア空軍の依頼を受けて、2021年の100周年記念の公式時計に選ばれています。もうひとつの活動は、時計ブランドのディストリビューションです。私たちは、プレミアムおよびラグジュアリーセグメントにおけるジラール・ペルゴの公式代理店であり、その他のブランドを手掛けることも視野に入れています。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 2020年初頭に新型コロナウィルス感染拡大が襲った時、オーストラリアは極早い段階で国境を封鎖したため、小売ビジネスは極端に制限を受けました。そのため自分たちで直接コントロールできる唯一のことに集中しなければなりませんでした。ボーゼルでは、オンラインチャンネルに全力を注ぎ、結果は素晴らしいものとなりました。ブランドの売り上げは前年比で300%増加し、認知度も高まったため、オーストラリア以外の小売店からも問い合わせがありました(最近では韓国のロッテとの取引も開始しています)。私たちの最大の課題は、生産量を維持し、キャッシュフローを管理することです。ジラール・ペルゴについては、非アジアの観光業に大きく依存していたので、状況は大きく異なります。私たちは地元の市場により集中し、コレクターへのきめ細かな情報提供や、小売店のトレーニングに時間を費やしました。私たちの最大の課題は、観光客の減少です。国境封鎖は2022年まで続くと思われます。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ ブランドにとっての選択肢は、社内に担当を設けることです。私たちの違いは、私たちが「単なるブランドマネージャー」ではなく、自分たちの取り扱うブランドに情熱的に、そして経済的に投資をしていることです。リテーラーのスタッフとの関係性や、「足を運んで」時計を売ることだけに依存した旧来の流通モデルでは、厳しいものがあります。私たちのアプローチは違います。単独で販売しているいくつかのブランドを除けば、私たちは皆、同じ顧客を取り合っています。差別化を図るために、私たちは自分たちを総合的なマーケティングエージェンシーと考えています。最初から、質の高い潜在顧客のデータベースを構築することに重点を置き、この顧客に対して毎月のニュースレターや個人的なコンタクト、ランチやディナー会、ソーシャルメディア、プライベートメッセージなどを通じて情報を提供することができます。もちろん、時計の販売はリテーラーを通してのことなので、店舗スタッフへのトレーニングや個人的なつながりも欠かせません。これにより私たちは、リアルとオンラインというふたつの世界の良いところを組み合わせています。私たちの立ち位置を独自のものとしているものには、過去10年成功裡にわたって展開してきた自社ブランドがあるということもあります。その点を時計コミュニティのメンバーは評価してくれていますし、私たちとしても本社のメンバーが得意とする理論だけでなく、販売につなげるための実践的な側面を理解する助けにもなっています。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ 成長過程にあるEコマースは、常に進化し続けています。顧客の獲得から転換までの経験を可能な限り最適化しなければなりませんが、毎日のように新しいツールが登場するため、すべてを把握するのは困難です。「Shopify(カナダに拠点を置くShopify社が運営するEコマース用のプラットフォーム)」のようなプラットフォームを使っている場合、技術面には問題ないでしょう。彼らのアプリストアやその一体化には目を見張るものがあります。コンバージョンの観点からは、製品を際立たせるものが良いでしょう。例えば、お客様がどこからでも時計を腕に装着して体験できるような、優れた3Dモデリングなどが挙げられます。

エミリアーノ・スニッツァー・バルトッキ/CTE Watch Company

Emiliano Shnitzer-Bartocci

Emiliano Shnitzer-Bartocci/CTE Watch Company
創業:2002年
展開国:アメリカ合衆国、カリブ諸島、クルーズ船、旅行関係
取り扱いブランド:フォッシル、タイメックス、ケネス・コール・ニューヨーク、ノーティカ、アイスウォッチ、フェスティナ、マセラッティ、インヴィクタ、クロナビー、その他

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① 私の義父であるMeir Shnitzerと彼のビジネスパートナーであるJose Luis Waingartenは、個々に時計業界で長年の経験を積んだ後、2002年に共に会社を立ち上げました。現在ではアメリカ合衆国だけでなく、カリブ諸島やクルーズ船、旅行関係にも進出しています。また時計だけでなくハンドバック、レザーグッズ、フットウェア、ジュエリー、サングラス、スーツケースなど、扱う商品も拡張してきたため、私たちにはどのような顧客にも提供できるものがあります。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 最大の影響は、クルーズ船と旅行関係にありました。このビジネスは毎年伸び続けていましたが、数週間でゼロになってしまいました。現在私たちが直面している最大の課題は、私たちのもとで働いてくれる、優秀な人材を確保することです。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ 独立系のディストリビューターには、確実に将来性があります。大規模な小売チェーンや幅広い顧客を管理するのが得意なブランドは多くありますが、トラブルなどに細やかに対処するには小さな独立したショップの存在が不可欠です。また在庫管理の問題もあり、対象地域ごとに特有な需要に応える必要もあります。私たちは南フロリダに拠点を置いているので、カリブ諸島に対する物流面において対顧客的に利便性があります。大きな違いは私たちが法人ではなく、ファミリービジネスであるために、意思決定や問題解決に非常に迅速に対応できることです。私たちの活動はダイナミックで、お客様のニーズに応じた対応が可能です。ブランド(から発信されるもの)と顧客(が求めるもの)双方の情報を得ることにより新しいトレンドを迅速に把握することができます。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ 自動化されたシステムへの予算投下を進めていますが、それはより顧客とのパーソナライズされた接点を設けることでもあります。社会は変化しつつあり、昨年は旅行関係でそれが非常に顕著でした。今日、私たちのお客様は、WhatApp、SMS、Eメールなど、さまざまなコミュニケーション手段を使っています。私たちは、たとえ物理的にその場にいなくても、常にお客様とつながっていられるような方法を模索しています。

アーノルド・ラピエール/Equation of Time

Arnauld Lapierre

Arnauld Lapierre/Equation of Time
創業:2008年
展開国:アメリカ合衆国
取り扱いブランド:ペルレ、ジウリアーノ・マッツォーリ、レゼルボワール、ダヴィッド・キャンドー、ルロワ

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① ペルレ、ジウリアーノ・マッツォーリ、レゼルボワール、ダヴィッド・キャンドー、ルロワなどの、独立系スイスブランドをアメリカ市場で展開して15年になります。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、経済が3カ月停滞した後、多くの人々は節約して収入を確保し、欲しいもののほとんどをEコマースで購入するようになりました。それと同時に、一部のブランドは生産量を減らしたため、市場は乾燥し、価格が高騰しました。その結果、消費者にとってもブランドにとっても、持てる者と持たざる者の格差が拡大することになりました。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ 独立系ディストリビューターの未来はあると大いに思います。ただその道は全ての者に開かれているわけではなく、達成できる者の数は少ないでしょう。確固たるクリーンなバックグラウンドがあり、ブランドを代表できる力が必要です。つまり商材・財務における基本的な資産と、強力なチームが必要なのです。弊社の場合、本物のスイス時計をリーズナブルな価格で求める顧客に対し、ご提案できる独立系ブランドの用意があります。同じ時計を着けるのに飽きた方や、高騰し続ける市場価格に疲労感を覚える方に対して、確固たる歴史や品質、魅力を提供できる独立系ブランドがあるのです。問題は、これらのブランドの存在を世間に知らせることです。そのためには、特別な市場のセグメントに向けて、限られた数の小売店で、なおかつ多様性のあるスペースを提供する必要があります。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ ディストリビューターとして、Eコマースにおいて強いポジションを維持するには、ブランドまたはリテーラーの努力に頼る必要があります。オンラインの世界は、時間をかけてその価値と社会的地位を高めてきた、ソーシャルメディアを駆使する人気のラグジュアリーブランド対独立系ブランドの戦場です。そこで活躍できる独立系ブランドは、はっきりとしたデザインと特徴あるコミュニケーション、そして忍耐を備えたトップクラスのものに限られます。ただジュエリービジネスに関しては、上記の「やり過ぎ」とは一線を画し、クリエイティブな商材、適性な価格と良いイメージを持つ者にとっては、より活躍の場所があるでしょう。

渡邉 烈任/GMインターナショナル

渡邉 烈任

渡邉 烈任/株式会社GMインターナショナル
創業:1995年
展開国:日本
取り扱いブランド:レイモンド・ウェイル、コルム、エドックス、ルイ・モネ、サルヴァトーレ・フェラガモ

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① ジバンシィのファッションウォッチからスタートし、その後日本でファッションウォッチのムーブメントを生み出しました。この成功をもとにフレデリック・コンスタントの世界初のディストリビューターとなり、ブランドの拡大に大きく貢献しました。幅広い価格帯と顧客層に訴求する、ファッションウォッチ、ダイバーズウォッチ、クラシックウォッチ、コンプリケーションを展開しています。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 消費者が外出できなくなったことや、百貨店を中心とした販売店の閉鎖などが販売の落ち込みに繋がりました。時計という商品の特性上、販売店と小売店、小売店とお客様の関係において、緊密なコミュニケーションと深い商品知識が必要であり、今後も新しい手法が求められています。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ ディストリビューターにはまだ将来性があると思います。弊社の強みは広告を通じたマスコミュニケーションだけでなく、リテーラーや顧客との対面による個々のコミュニケーションにあり、これによりブランドへの好感度を高めていただいています。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ 新型コロナウィルス感染拡大の状況下においてEコマースは必要な販売網のひとつであると考えており、ディストリビューターが運営するEコマースでしか購入できない限定モデルに投資することも重要だと考えています。また、高所得者層に向けた高価な時計の需要も高まると考えており、新たな高額ブランドの検討も進めていきます。

トーマス・ヘルツォーク/Premium Brands Agency

Thomas Herzog

Thomas Herzog/Premium Brands Agency
創業:2019年
展開国:オーストリア、CEE、ロシア
取扱ブランド:エベル、マイスタージンガー、チャペック&Cie、トリトン、アノニモ、ウルフ1834

①御社のバックグラウンドストーリーを教えてください。

① 私たちの代理店は高級時計ビジネスの分野で25年の経験を持ち、多様性のあるさまざまな選択肢を消費者に提供しています。この代理店は、プレミアムセグメントの大企業やグループが販売の集中と集約を近年行ったことで生じた、ホールセールディストリビューションに残された空白に対する答えでもあります。こういった企業はデジタルパワーを活用し、個人的なラグジュアリービジネスから、定型の販売コンセプトへと移行しました。弊社のブランドポートフォリオは独立系ブランド寄りに構築されており、他にないセグメントを提案すると同時に、デザインや伝統、仕上げ、そして手の届きやすいラグジュアリーへのアクセスを大事にしてきました。

②新型コロナウィルス感染拡大はあなたの事業にどのような影響を与えましたか?

② 新型コロナウィルス感染拡大は新規出店や買収という点では私の事業にダメージを与えましたが、私たちは流通を集約し、顧客のロイヤリティを高める「顧客ケア」を強化することができました。また自社ウェブサイトも開設しています。売上の回復は、ビジネスを生み出すための新たなより良い機会を見極め、発見することから生まれます。

③独立系ディストリビューターにとって、まだ未来はあると思いますか?

③ 独立系ディストリビューターの未来はあると思います。私のアプローチは、製品以上のものを提供することであり、ブランドを代表するだけでなく、カスタマーケアやトレーニング、あらゆる種類のデジタルサポートを提供しています。

④御社にとって、意味のあるEコマースへの投資とはどのようなものですか?

④ EコマースよりもEプロモーションですね! デジタルプラットフォームは、情報を提供し、ブランドの感情を伝えるための理想的なツールだと理解しています。当社のラグジュアリー製品の多くは、感情や貴重な瞬間、特別な体験と密接に結び付いていますので、商品と出会う機会を提供する必要があるのです。しかし、例えばWOLFのウォッチボックスやジュエリーケースのように、オンライン販売が適しているアイテムがあるのも事実です。


オリンピック大会でオフィシャル・タイムキーパーを目指してきた時計ブランドとその変遷

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『WatchTime』グローバル編集チームによる時計懇談あれこれ

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時計は新型コロナウイルスにも強い!? 2021年に向かって、着実に回復する高級時計需要

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