2022年 ジャガー・ルクルトの新作まとめ

FEATURE2022年新作時計
2022.04.04

ジャガー・ルクルト ブース

Photograh by Yu Mitamura

マスター・ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945

マスター・ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945

ジャガー・ルクルト「ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945 ギャラクシア」
手巻き(Cal.945)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KPG(直径45mm、厚さ16.05mm)。5気圧防水。世界限定5本。

 ジャガー・ルクルトは、現在時刻と、恒星時に同期して回転する天空ディスク、天空ディスクと共に公転するトゥールビヨンに加え、ミニッツリピーターも備える「マスター・ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945」の「ギャラクシア」と「アトミウム」を発表した。

 地球の自転と公転の組み合わせにより移り変わってゆく天空の星々は、23時間56分4.1秒で1周することが知られており、これは恒星日と呼ばれている。恒星日は24時間よりもわずかに短いため、日没後に見られる星の配置が日々変わってゆき、季節による星座の移り変わりが生まれている。

 今作は、この天体のダイナミズムを表現したもので、天空ディスクを恒星日に同期させて回転させ、ジャガー・ルクルト本社の緯度である北緯46度から見た北半球の夜空を再現している。さらに今作はトゥールビヨンを備えており、60秒に1回自転しながら、天空ディスクの回転に同期してトゥールビヨンも公転する。

 ギャラクシアのドーム状のブラックダイアルは、ドームの外側部分と内側の天空ディスクがゴールド製で、グリザイユエナメルで惑星が描かれている。

 アトミウムのドームの外側部分を形成する透かし加工は、星図盤上で星をつなげて星座を形成するラインを模したものである。また、天空ディスクはミッドナイトブルーのグリザイユ・エナメルで惑星が描かれている。

 また、今作に搭載されるミニッツリピーターはジャガー・ルクルトがいかんなく発揮されており、時刻にあわせて正確に打鍾を行わせるのに加え、楽器として調和のとれた音色を実現している。

マスター・ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945

ジャガー・ルクルト「ハイブリス・アーティスティカ キャリバー945 アトミウム」
手巻き(Cal.945)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。18KWG(直径45mm、厚さ16.05mm)。5気圧防水。世界限定5本。





ポラリス・パーペチュアルカレンダー

ポラリス・パーペチュアルカレンダー

ジャガー・ルクルト「ポラリス・パーペチュアルカレンダー」
自動巻き(Cal.868AA)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径42mm、厚さ11.97mm)。100m防水。

 ジャガー・ルクルトは、スポーティーでエレガントな「ポラリス・コレクション」に、永久カレンダーを搭載した「ポラリス・パーペチュアルカレンダー」を追加した。

 今作に搭載されるのは、新開発のキャリバー868AAである。これは、従来の同社の永久カレンダームーブメントに、北半球のムーンフェイズ表示に加えて南半球のムーンフェイズを示すレトログラード表示を追加し、パワーリザーブも約70時間に延ばされている。

 デザインは、「ポラリス・マリナー・メモボックス」のデザイン要素を取り入れたリュウズ配置と、回転式インナーベゼルを備える。また、ダイアルはディープブルーのラッカー仕上げで、スポーティーでエレガントなスタイルを際立たせている。

 直径42mmのケースは、ステンレスと18Kピンクゴールドの2種類が用意される。それぞれ、ストラップ、あるいはブレスレットの取り付け部分のプッシュボタンを押すことで簡単に交換することができる新開発のストラップシステムが与えられている。

ポラリス・パーペチュアルカレンダー

ジャガー・ルクルト「ポラリス・パーペチュアルカレンダー」
自動巻き(Cal.868AA)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。18KPG(直径42mm、厚さ11.97mm)。100m防水。




マスター・グランド・トラディション キャリバー948

マスター・グランド・トラディション キャリバー948

ジャガー・ルクルト「マスター・グランド・トラディション キャリバー948」
自動巻き(Cal.948)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約48時間。18KWG(直径43mm、14.13mm)。5気圧防水。世界限定20本。

 ジャガー・ルクルトは、エナメル技法のシャンルヴェで描いた立体的な世界地図とトゥールビヨンの公転が24時間で1周するワールドタイムコンプリケーションモデル「マスター・グランド・トラディション キャリバー948」を発表した。

 キャリバー948は、一般的なトゥールビヨンと同様に60秒で1回自転するのに加えて、ダイアルを1周24時間で反時計回りに“公転”する機構が特徴である。この公転に伴って、ダイアルに描かれた北極点から見た世界地図と、その周囲の都市名リングも回転し、各都市の現地時間が指し示されている。

 今作の見どころのひとつは、立体的な世界地図だ。公転する陸地部分と、その奥の海洋に見立てたダイアルベースの二層構造となっており、それぞれ伝統的なエナメル技法のシャンルヴェが施されている。これは、陸地部分の形状に切り出したホワイトゴールドのプレートに、実際の隆起に見立てた窪みを彫ってゆき、そこにエナメル層を重ねて満たしてゆくことで作られている。海洋の部分も、波に見立てたギヨシェ彫りの上にブルーのラッカーを施して、表情と奥行きのある仕上がりとなっている。

 一見複雑に見える今作であるが、使い勝手にも配慮されている。時刻調整は、リュウズ操作によってある都市の時刻を都市名リングと24時間表示で調整した後、時針単独修正でローカルタイムに調整する。これにより、現在地のローカルタイムを時分針で確認でき、世界中の主要都市の現地時間をひと目で確認することができる。

マスター・グランド・トラディション キャリバー948