パテック フィリップ グランド・コンプリケーションが人気の理由とは? 人気モデルとその魅力を紹介

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2023.03.02

トップクラスの技術力を持つパテック フィリップは、多くの時計愛好家たちからの支持を集めている。今回の記事では、そんなパテック フィリップの中でも独自性の高いデザインと技術力で人気のグランド・コンプリケーションの人気モデル3選を紹介する。

グランド・コンプリケーション


パテック フィリップのグランド・コンプリケーションとは?

パテック フィリップにはいくつもの種類がある。その中でも今回は「コンプリケーション」「グランド・コンプリケーション」に着目したい。

そもそも「コンプリケーション」とは、クロノグラフやカレンダーなど、多機能を持つ時計のことを指す。メーカーによっては2種類以上の機能を持つものもあるが、厳密な定義が決まっているわけではない。

パテック フィリップの場合、「コンプリケーション」と「グランド・コンプリケーション」をシリーズとして明確化している。

コンプリケーションシリーズには、ストップウォッチ機能やカレンダー機能、重力による姿勢差誤差を補正するトゥールビヨン機構、時差のある世界各地の時刻を表示するワールドタイム機能などが搭載されている。

これらの精密なコンプリケーション機能が複数搭載されているものが「グランド・コンプリケーション」だ。

グランド・コンプリケーションウォッチは、言うまでもなく、通常のシンプルな時計と比べて、便利で高性能な機能がいくつも搭載されているハイスペックウォッチであり、それ故に時計愛好家から根強い人気がある。


コンプリケーションの機能

パテック フィリップのコンプリケーションに搭載されている機能を紹介しよう。グランド・コンプリケーションは、これらの機能が複数搭載されている。

年次カレンダー

年次カレンダーは、アニュアルカレンダーとも呼ばれ、2月末を除く大の月と小の月を区別し、自動で日付調整して表示する機能だ。さらに、閏年にも自動で対応してくれる永久カレンダー(パーペチュアルカレンダー)もある。

5901/1A

年次カレンダーを搭載したコンプリケーションモデル、5905/1A。日付、曜日、月をそれぞれ小窓で表示するデザインは、パテック フィリップのアイコニックな意匠のひとつである。

スプリットセコンドクロノグロフ

2本のクロノグラフ秒針で、ふたつの計測時間を表示することができるのが、スプリットセコンドクロノグラフである。これはふたつの時間の計測やラップタイム(途中計時)を測る機能だ。

5370P

スプリットセコンドクロノグラフを搭載する5370P。左側のインダイアルはスモールセコンド、右側のインダイアルは30分積算計である。文字盤はグラン・フー エナメルだが、鮮やかなブルーにより現代的な印象を与える。

ミニッツリピーター

ゴングをハンマーで叩くことで音を鳴らし、オンデマンドによって任意の時刻を音で知らせてくれる機能がミニッツリピーターである。

5374 G

ふたつのハンマーとゴングにより高音・低音を鳴らし、その回数によって時刻を知ることができるミニッツリピーターは、最も複雑な機構のひとつだ。5374Gはミニッツリピーターに加え、パーペチュアルカレンダーも併載する。

トゥールビヨン

天才時計師アブラアン-ルイ・ブレゲ(1747-1823)によって開発された複雑機構。脱進機と調速機自体を回転させることで重力による姿勢差誤差を補正し、安定した精度を維持する。

5316P

パテック フィリップのトゥービヨン搭載モデルのほとんどはトゥールビヨンキャリッジを裏蓋側に配しているため、着用時にその動きを見ることはできないが、紫外線などによる潤滑油の劣化を低減することができる。

ワールドタイム

世界24タイムゾーンの主要都市名がベゼルや文字盤に記載されており、プッシュボタンやリュウズを操作することで世界各地の時刻が分かる機能。

コンプリケーションとして位置付けられるワールドタイムは、パテック フィリップに長く採用されてきた象徴的な機能だ。写真の5231Gは2022年に発表され、日本を含む東アジアをはじめ、東南アジアやオセアニアをクロワゾネ(有線七宝)で描いたモデルだ。