あまりの軽量さに脳がバグる? ロレックス「オイスター パーペチュアル ヨットマスター 42」はチタンウォッチの常識を凌駕した1本だ

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2023.04.29


チタンウォッチの試金石となっていく

 新しいヨットマスターの外装は、マットブラックセラミック製のセラクロムベゼルに、3連のオイスターブレスレット仕様。それがRXLチタン製だと分かっていても、手に持った瞬間に脳がバグる。感覚的に覚え込んでいるロレックスの重さのイメージからは考えられないほど軽いのだ。重量は100g程度とのことで、これは通常のオイスタースチール製ケースの約1/3ほどにしか過ぎない。

 使用されるRXLチタンは、グレード5に分類される合金チタンの一種で、通常はアルミニウムやバナジウムを添加することで切削性を向上させている点が特徴だ。つまりRXLチタン製のケースは、ポリッシュすることも可能ということだ。

オイスター パーペチュアル ヨットマスター チタンケース

 実際のケースを見てみると、ケースやブレスレットの全体がサテン仕上げ、ラグの稜線にあたる面取り部分からリュウズガードにつながる面がポリッシュ仕上げとなっており、エッジにはいささかのダルさも見られない。これは柔らかなプラチナ素材を驚くほどシャープに仕上げてしまう、ロレックスの加工技術の高さを物語る部分だ。

 グレード5チタンに限って言えば、現代としてはそれほど珍しい物ではないが、これほどエッジを効かせた造形に、ポリッシュ仕上げをマッチさせた例はちょっと思い出せない。新しいヨットマスター 42が実現して見せたロレックススタンダードの仕上げは、今後のチタンウォッチが意識せざるをえない、大き過ぎる試金石となるに違いない。


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