ノルケイン最注目の「ワイルド ワン」は軽量・頑強な最強スポーツウォッチ! カラーをテーマにした新作3本を紹介

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2023.06.30
PR:NORQAIN

ノルケイン「ワイルド ワン」に3つの新モデルが追加された。ワイルド ワンは独自素材「NORTEQ(ノルテック)」製ケージにより極めて軽量で、耐衝撃性能に優れるスポーツウォッチだ。今回の新作のうち、ひとつは日本限定仕様のバリエーションモデル、残るふたつはワイルド ワン初となるスケルトンモデルだ。これら新作の紹介ならびに、ノルケインとはどんなブランドか? ワイルド ワンがどんなコレクションなのかを紹介していく。

ワイルド ワン

ワイルド ワンはいずれも軽量かつ高衝撃耐久性能が特徴だ。ワイルド ワン JP(左)は時計の重量がわずか84g、ワイルド ワン スケルトン(中、右)に至っては78gである。また、独自の新素材であるノルテックとラバー製ショックアブソーバーの異素材の組み合わせにより5000Gの耐衝撃性能を備える。
岡村昌宏:写真
Photographs by Masahiro Okamura
佐藤しんいち:文
Text by Shin-ichi Sato
[2023年6月30日公開記事]


ノルケインが注目を集める理由

 ノルケインのベストセラーモデル、「ワイルド ワン」は、スイス時計業界での地位を確固たるものとし、ノルケインの有り様を色濃く反映するコレクションである。

 そんなワイルド ワンに、6月23日、3つの新作モデルが加わった。今回はそんな新作モデルの紹介ならびに、ノルケインというブランドについて、そしてワイルド ワンがいかにノルケインにとって重要なモデルであるかのおさらいをしよう。

 ノルケインは、ブライトリング出身のベン・カッファーが2018年に立ち上げた気鋭の独立系ブランドである。スイス機械式時計文化の継承をポリシーに掲げており、有力なスイスの部品サプライヤーの技術力を結集したモデルを提供している。

 注目すべきはその価格帯で、多くは50万円台を中心に、ベーシックなモデルでは30万円台がプライスゾーンのミドルレンジウォッチに属する。価格と比して品質が高いと評価が高く、シンプルだが保守的すぎないデザインと相まって実直なツールウォッチとして人気を集めている。

ベン・カッファー

ノルケイン創業者でCEOのベン・カッファー。ノルケインはブライトリングの前オーナーであったシュナイダー家などの助力を得て、2018年に創業。実直なものづくりとフェアな価格で評価を高め、CEO自らファンと交流する様子からベン・カッファーは名実ともにノルケインの顔となっている。

 ノルケインの従業員の平均年齢が35歳ほど(22年時点)と非常に若い点も、ブランドの活動方針に大きく影響している。ノルケインはSNSでの積極的な発信に加え、ベン・カッファー本人が日本を始めとしたアジア圏での新作発表イベントに参加してファンと積極的に交流している。

 また、ファンを「ノルケイナー」と呼び、スポーツや探検、社会貢献および環境保護といったさまざまなフィールドにてチャレンジする人をアンバサダーとして迎え入れている。そして、ノルケインがノルケイナーたちの活動を、ノルケイナーたちがノルケインの活動を相互に応援しあうことで、機械式腕時計とそれぞれのフィールドを盛り上げる活動を続けている点が特徴である。


「ノルケイン」に加わるふたつのビッグネーム

 このような取り組みが注目され、協力の輪が広がっている。特に時計業界でビッグネームとされるふたつのパートナーシップについて紹介しよう。

ムーブメントサプライヤーのケニッシ

 ひとつめはケニッシだ。ケニッシはチューダーによって設立されたムーブメントサプライヤーであり、そのムーブメントの性能は、現行量産機の中で屈指と評価が非常に高い。

 近年では供給先を増やすケニッシであるが、設立直後はチューダーの他に関係の深いシャネルとブライトリングといった有力ブランドに限られていた中で、20年よりノルケインと長期のパートナーシップを結んでいる。

Cal.NN20/1

Cal.NN20/1
ケニッシとのコラボレーションによる次世代自動巻きムーブメント。直径はETAやセリタのエボーシュ並みだが、そのパフォーマンスは、大径の最新鋭自動巻きに比肩する。両持ちのテンプ受け、フリースプラングといった要素は、理論上優れた精度をもたらすだろう。直径26mm。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。C.O.S.C.認定クロノメーター。

 しかも、従来型のムーブメントだけではなく、ひと回り小さい直径にGMTを搭載する新型ムーブメントをいち早く供給した点に着目すれば、ケニッシのノルケインへの期待の大きさがうかがい知れる。

時計業界の巨人、ジャン-クロード・ビバー

 もうひとつもビッグネームである。22年6月にノルケインの顧問に就任したジャン-クロード・ビバーだ。22年時点でノルケインは、ケニッシを始めとした数多くのサプライヤーと良好な関係を結び、魅力的なラインナップで人気を集めるに至っていた。

 しかし、ここからブランドがさらなる進化をしていくために、“経験”を必要としていたタイミングでもあった。そこにチャレンジングなノルケインのスピリットを気に入っていたビバーが顧問に就任することとなったのである。

ジャン-クロード・ビバー

ベン・カッファーは、ビバーから製品やブティック戦略について非常に有益なアドバイスを受けたと語る。また、ビバーとのディスカッションで新たなプロダクトのテーマを「究極のスポーツウォッチ」と定め、これがワイルド ワンにつながった。ワイルド ワンにおける新素材の採用や、異素材の組み合わせについても、これまでのビバーの功績を考えれば示唆があったと考えるのが自然だろう。

 いわずもがなビバーは休眠状態のブランパンを復活させ、また、ウブロを世界的な時計メーカーに成長させた、時計業界の巨人だ。若いブランドを数年で大きくさせた彼の成功体験は、ノルケインに飛躍のきっかけを与えるかもしれない。


軽量で耐衝撃性能が高いタフウォッチ「ワイルド ワン」

 このような背景の元にリリースされたのが、インディペンデンスコレクションのワイルド ワンである。インディペンデンスコレクションは、自立と成功を表すシンボルをテーマとしたノルケインのフラッグシップに位置付けられており、そのデザインコードをワイルドワンも引き継いでいる。

 ワイルド ワンの特徴は、独自素材の「NORTEQ(ノルテック)」を外装パーツに使用した点である。ノルテックは、カーボンファイバーとバイオ由来原料を60%含む高性能ポリマーマトリックスを融合させたカーボン複合素材であり、その特性によりチタンと比較しても約3分の1という軽量かつ高剛性で、発色性にも優れる。

ワイルド ワン  構造

ワイルド ワンのケースは合計25個の部品で構成されている。ムーブメントはチタン製コンテナ(インナーケース)に収められ、それをラバー製のショックアブソーバー(グリーン)が包んでいる。それをノルテック製ケージが挟み込み、保護ケージを形成している。全体重量は84gと、同社のステンレススティール製モデルに比べて約半分。開発は多くのサプライヤーの協力によって成し遂げられたもので、デザイン・コンセプト・素材開発はBIWI SA社、ケース組み立てとコンテナ製造はMRP SA社によるものだ。

 搭載されるのはケニッシ製のCal.NN20/1。両持ちのテンプ受けをはじめ、厚く堅牢な仕立てと手堅い設計により信頼性への評価が高い。ワイルド ワンは、このCal.NN20/1をチタン製のコンテナ(インナーケース)に収め、ラバー製のショックアブソーバーを介してノルテック製のケージで固定している。

 この複雑な構造が保護ケージの役割を果たし、5000Gで実施されるテストも難なくクリアする高い耐衝撃性能を実現している。さらに、200mの防水性能を有し、その軽量なパッケージングと共に多彩なアクティビティーに適する性能を有する。


日本特別仕様のモノトーンモデル「ワイルド ワン JP」

 そんなワイルド ワンには今般、3本の新作が追加された。ひとつめのモデルが、ワイルド ワン初の日本特別仕様である「ワイルド ワン JP」である。

 本作はショックアブソーバーおよびインナーリングのカラーをホワイトとし、ブラックのノルテックを組み合わせたモノトーンモデルだ。シックかつ従来モデルの中で最もコントラストの高いカラーリングは、高性能なツールウォッチを精悍な印象にまとめている。

ワイルド ワン JP

ノルケイン「ワイルド ワン JP」
従来モデルでは、比較的ダークで明暗差の小さいモデルが多かったが、本作は非常にコントラストが高く、精悍な印象にまとめられている。レーザーカットによって凹凸を与えたダイアルはMontremo SA社によるものだ。自動巻き(Cal.NN20/1)。28石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。ノルテックケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。200m防水。83万6000円(税込み)。

 ホワイトを基調としたラバー製ストラップはラグ部と一体化する専用品が用意される。ファブリック調のテクスチャーが与えられ、外装のホワイト×ブラックのカラーリングに呼応してブラックの縁取りが与えられる。軽量な時計本体との組み合わせにより、快適かつ、本作が想定するスポーティーなシーンに適した選択だ。

 搭載するケニッシ製Cal.NN20/1は、パワーリザーブ約70時間かつC.O.S.C.公認クロノメーターと高い実用性を備えるのに加え、時刻合わせや巻き上げのフィーリングに優れる点も本作の完成度の高さにひと役買っている。


スケルトン文字盤を採用した「ワイルド ワン スケルトン」新作2モデル

 残るふたつのモデルは、ワイルドワン初のスケルトンモデルとなる「ワイルド ワン スケルトン」だ。「インディペンデンス」のステンレススティール製モデルでは、21年に限定生産のスケルトンモデルがリリースされて瞬く間に完売し、22年にレギュラー化された経緯がある。

ワイルド ワン スケルトン ターコイズ

ノルケイン「ワイルド ワン スケルトン」
ワイルド ワンとしてスケルトンダイアルを初採用したモデル。複数の部材を組み合わせることで耐衝撃性を高めているワイルド ワンであるが、部材によってカラーを変えることでコントラストを高く、クッキリと色分けができるメリットがデザインに取り込まれている。自動巻き(Cal.NN08S)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。ノルテックケース(直径42mm、厚さ12.3mm)。200m防水。83万6000円(税込み)。

 本作は、この人気モデルの発想をワイルド ワンに取り込んだもので、インディペンデンスのスケルトンモデルと同様に自動巻きのCal.NN08Sを搭載する。Cal.NN08Sはセリタ製ムーブメントがベースであり、パワーリザーブも約41時間となるものの、C.O.S.C.公認クロノメーターであり、実用性は十分だ。

 一般に、審美性を高めようとスケルトナイズし過ぎると剛性が不足する恐れがあるが、ワイルド ワンは、アクティブなライフスタイルを送るノルケイナーに向けた耐衝撃性能を有するモデルであり、剛性不足はコンセプトにそぐわない。

ワイルド ワン スケルトン

スケルトナイズされたムーブメントはケースバック側からも鑑賞可能だ。ラグ部に見えるネジは、ふたつのノルテック製ケージを締結するためのもの。ケージがターコイズカラーのショックアブソーバーと隙間なく勘合しているところから、成型精度の高さがうかがえる。

 そこでCal.NN08Sでは、歯車の受け部分などの支持点のすべてを少なくとも2本のアームで保持する構造が与えられている。これにより、ワイルドワン スケルトンも5000Gの耐衝撃性能を実現している。

 用意されるカラーは、共に夏の海をテーマにしながら異なる表情を持つターコイズとバーガンディーの2色だ。

晴れた日の海に着想を得たターコイズ

ターコイズは、明るく晴れた日のビーチサイドから眺める海にインスピレーションを得たもので、ショックアブソーバー部の他、針先端やインデックスの挿し色として用いられる。ここにブラックのノルテック製ケージが組み合わされ、全体のイメージを引き締めている。

ワイルド ワン スケルトン ターコイズ

 また、同色のストラップが組み合わされており、トータルコーディネートがなされている。本作には、海辺での休日を過ごすのに最適な、同色のノルケインキャップが付属する。

夏の夕暮れを連想させるバーガンディー

 バーガンディーは、22年のワイルド ワンのデビュー時に採用されて即刻完売した人気カラーの再登場である。トーンを抑えた落ち着きのあるバーガンディーが夏の夕暮れの光を思わせることから採用された。

ワイルド ワン スケルトン バーガンディー

ノルケイン「インディペンデンス ワイルド ワン スケルトン リミテッドエディション」
彩度を抑えたダークな色調のバーガンディーにレッドゴールドカラーのインデックスと針が映える。このスケルトン針はWeaber HMS社製だ。自動巻き(Cal.NN08S)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約41時間。ノルテック(直径42mm、厚さ12.3mm)。200m防水。世界限定300本。86万9000円(税込み)。

 バーガンディーのノルテック製ケージが赤く染まった海と空を、レッドゴールドカラーのインデックスと針が海のきらめきを連想させる仕上がりである。


今後の動向も楽しみなノルケイン

 ノルケインのフラッグシップとなるインディペンデンスコレクションの中でも、ワイルド ワンはノルケインを牽引する重要なモデルであり、ノルケインの立ち位置をよく反映したモデルである。このワイルド ワンのコレクションがより一層充実したことは、単に新作が発表されたこと以上の意味がある。今後の動向も目が離せない存在と言えるだろう。


Contact info: ノルケインジャパン Tel.03-6864-3876


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