2024年のウォッチズ・アンド・ワンダーズで発表された、チャペックのプロムナードコレクション「グット・ドー」の続編となる新作「ダイヤモンド・ドロップス」が発表された。新しいダイアルは、静かな池の水面に一滴の水滴(フランス語で「グット・ドー」)が落ちた時の波紋を、ダイヤモンドとサファイアで表現した。

プロムナード ダイヤモンド・ドロップス

自動巻き(Cal. SXH5.1)。26石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約60時間。18KWGケース(直径38mm、厚さ10.6mm)。5気圧防水。最大10本までの受注生産。1870万円(税込予価)。
卓越したジェム・セッティング技術
続編の製作にあたり、水のさまざまな形を宝石のセッティングで表現するというアイデアをもとに、デザイン、色、素材だけでなく、宝石のセッティングの技術が検討された。その結果、ダイヤモンドとサファイアで波紋効果を表現し、ダイアル全体をさまざまなサイズの宝石で覆うスノーセッティング技法が採用された。スノーセッティングにより、宝石の下にある金属のダイアルをほとんど見せずに、途切れることのない輝きと反射の広がりを創り出すことを実現した。
非常に難しいスノーセッティング


チャペックは、ダイヤモンド・ドロップスのダイヤルの製作にあたり、信頼できるパートナーであるAB Productsに協力を求めた。スノーセッティングでは、ゴールドの爪で留めた宝石を均一な列に並べるのではなく、ジェムセッターはおもに直径0.5mm未満の様々なサイズの宝石を選択し、18Kホワイトゴールド製のダイアルをくりぬいた小さな穴にセッティングする。宝石は、微細なジグソーパズルのようにできるだけ隣り合う石の近くにセッティングする必要がある。

さらに難題なのは、時計のダイアルは非常に薄く、表面が平らでなければならないために、すべての宝石を個別に計測し、ダイアルの穴のサイズをそれらに合わせて調整し、セッティング後の表面を完璧に平らにしなければならなかった。
スノーセッティング技法には常に卓越したジェム・セッティング技術が要求されるが、硬度や色のコントラストが異なる宝石を組み合わせることで、さらに複雑な仕上がりとなる。ダイヤモンドに加え、さまざまな色のブルーサファイアを使用することで、最終的な仕上がりを可能な限り自然なものにしている。
プロムナード・コレクションに搭載される自社製キャリバー SXH5.1

プロムナード ダイヤモンド・ドロップスのスリムな38mmホワイトゴールド製のケースには、マイクロローターを備えた自社製ムーブメント、Cal. SXH5.1 が搭載されている。プロムナード・コレクションの特徴であるオフセンターのサブダイアルに対応するため、チャペックとそのエンジニアたちは、オリジナル・キャリバーの美しい構造を活かし、その長所を新しいアイデンティティへと昇華させた。
プレートとブリッジには、面取り、ストレートグレインのサイド、手作業で面取りされたインワード・アングルなど、高級時計特有の美しい仕上げが施されている。Cal. SHX5.1は、100%リサイクルされたプラチナ製のマイクロローターを搭載し、約60時間のパワーリザーブを備える。